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世界で一番君が嫌い  作者: びゅー
3章 正義
78/116

3章-13 決勝戦

戦いが始まった。

レックが右足を踏み出した、その刹那。

ディアスの右フックが炸裂した。

レックは左手でそれを受け止めるが、

その時にはすでにディアスの左足が腹部に接近していた。

蹴りをモロに喰らって体が吹き飛ぶ。

その隙を狙って今度は右アッパー。

あごの下からヒット。もう、勝負はついていた。

それでも、ディアスは攻撃の手を緩めなかった。


レック「…かは、っ…」


【43秒!!

チャンピオン、今大会でも45秒以内にケリをつけました!】


「弱い!

弱い弱い弱い弱すぎる!!

もっと骨のあるヤツはいないのか!!」


「おい!見ているおまえら!!

出てきやがれ!!


おれは誰の挑戦でも受けるぞ!!」


【これにて、第138回町長決定戦が終了しました!】


サヤ「……つ……」


パギー「つよ……い……」


(その圧倒的なまでの強さ……

それはもはや一種の芸術と言っていいほどのものでした)


「くだらない!

強さを求める町に来てみたのに、

いるのは骨のないヘタレばかり!!」


「弱いものは死ね!!

強い者こそが生き残る!!

それこそがこの世界の唯一無二の仕来たりだ!!


弱いものには 生きる権利さえない!!

それが弱肉強食のこの町の、いやこの世界の理!!

なのに!!

どいつもこいつもケガすることを恐れて泣き寝入りし、強いものに降伏し!!

見えない所で悔しい悔しいと陰から悪口をたたくだけ!!

情けない!!意地と言うものはないのか!!

くやしかったら這い上がってきてみろ!

このカスどもが!!

おまえらの、その性根自体が負けに染まりきっているんだよ!!」


サヤ(ひっ、ひどい。

いくらなんでも、いくらなんでも)


パギー(で、でも、こわいよ…

足が震える…。

ああまで強い相手に、私たちなんて何もできな…)


「そこまで言われちゃ仕方ねえな」


「……ほう?」


「あーーーーーーーーあ。

めんどくせーーーーんだけどな。


延長戦の時間だ。  ・・

ここからはこのおれ、最低がおまえの相手をしてやるぜ」


サヤ(はっ?さ、最低さん、

あんた、なに言って……

……バカ??)


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