2章-16 計画
…で、来た道を逆にたどって町に戻ってきた。
パギー「サヤ、サヤ、ちょっとこっち来て」
サヤ「…どうしたの?」
ケセラ「どうされましたか、お嬢様?」
パギー「ケセラはあっちいって」
ケセラ「…しゅーん…お嬢様ひどい…」
二人は遥か向こうまでいってしまい、ここから見えなくなった。
サヤ「い、いきなり何なのさ」
パギー「実はね、わたしね、パパが森に閉じこもるようになった本当の理由を知りたいの」
サヤ「…へ?」
パギー「パパに聞いても、ママに聞いても、ケセラに聞いてもだんまりなの。
…それで、一緒に遊んでもらうってのは口実で、
実際にはパパが隠してることを調べに来たの」
サヤ「…はぁ。
どうやって、調べるつもりなのさ」
パギー「…パパの勤めてた大学、そこに何かあるの、きっと」
サヤ「…どういうこと?」
パギー「パパは森に引っ越すまでは大学で研究を続けていたの。…そこをやめた理由は話してくれないの。…わたしはパパが大学をやめた理由と、森に閉じこもったのには絶対関係があると思うの。だから、調べてみようと思うの」
サヤ「…無理だと思うけどなあ」
パギー「ケセラには言ってある。パパの通っていた大学を見てみたいって。
…ケセラもそこの大学に通っていた人だから、たぶん入れる」
サヤ「…でも…そんなこと、教えてくれるのかなあ」
パギー「ぜったい調べる」
サヤ「…そう」
パギー「…ケセラには、言わないで、このこと。ケセラもこのことについては隠したがってるみたいだから、頼れる人は、あなたたちしか、いないの」
サヤ「…わかった、調べてみよっか」
パギー「それじゃしばらくケセラ連れ出すからその隙に残りの二人にも伝えといて」
サヤ「…わかった」
サヤ「さいてー、ただいまー」
ナオヤ「どこで何してた」
サヤ「いいじゃない、ね」
パギー「うん」
ナオヤ「なぜ隠す」
サヤ「女の子だけの秘密の話だよ」
ナオヤ「ケセラさんは仲間はずれにするのか?」
パギー「ケセラは大人」
ナオヤ「なんだそりゃ」
ケセラ「随分と仲良しになったのですね」
パギー「ケセラー、あっちに面白い物があったよー」
ケセラ「お、お嬢様?」
パギー「こっちこっちー」
サヤ「さ、最低、わたし達はこっち行きましょ」
ナオヤ「…どうした?なんかやけに積極的だな」
サヤ「…実はね…」
ナオヤ「…ふーん」
サヤ「…手伝ってあげようよ。かなり思い悩んでたみたいだったからさ」
ナオヤ「…」
サヤ「どうせ暇じゃない、ね」
ナオヤ「…はぁ…」
ほんと、お人よしだ、俺。




