2章-15 終着?
…朝
昨日の夕食で反省してくれたのか、朝食は普通の目玉焼きにサラダにサンドイッチだった。
…なかなか、おいしかった。
そして、食べ終わり、
ナオヤ「…では、これで失礼します」
アヌビス「…おいおい、帰るのかよ」
ナオヤ「仕方ないだろ、もらえなかったんだから。
はい集まりませんでした。八音の旋律集めの旅、終了―」
サヤ「…最低、もしかして渡してもらえないほうがよかったの?」
ナオヤ「当然だ。これで旅も終了。
こうなった以上もうどうしようもないからな。残りを集めるだけ無駄だ」
アヌビス「…おいおいおい」
ナオヤ「仕方ないだろ。無理なものは無理なんだ」
サヤ「…でも、それじゃあ、わたしどうしよ」
ナオヤ「俺の家に来いよ。今更一人増えたって誰も文句いわねえよ。あ、もちろん自分で食べる分は自分で稼がないといけねえけどな。ま、教えてやるよ、すぐに慣れるさ」
サヤ「…いいの?」
ナオヤ「ああ、来い」
で、まず世話になった二人の所へ挨拶に向かう。
ルーギー「もう帰ってしまわれるのか…残念です」
ラヴィーナ「たいしたおもてなしできなくてごめんなさいねーよかったらまた遊びに来てちょうだいねー楽しかったわーもういつでもいいからパギーとも遊びに来てやってね、おねがいね」
サヤ「また、機会があれば、必ず来ます」
ナオヤ「…まあ、おそらく二度と来ることはないでしょう」
アヌビス「おいっ!最後の最後まで失礼な」
ナオヤ「失礼か!?事実だぞ!だって遠いし!」
ルーギー「ははは。では、これでお別れだな」
ラヴィーナ「楽しかったですよーまた来てくださいねー」
ナオヤ「おい」
サヤ「なに?」
ナオヤ「もう、大丈夫なのか」
サヤ「うん、一晩寝たら、ちょっとすっきりした」
ナオヤ「そっか、よかった」
そうして、俺たちは屋敷を後にした。
…こうして、俺たちの短い旅は、オチもなく中途半端に、終わりを告げ…
ケセラ「待ってください」
サヤ「…?」
ナオヤ「まだ何か用ですか?もしかして…忘れ物?」
ケセラ「違います。ほら、パギー」
ケセラさんの後ろには、パギーがくっついていた。
パギー「ケセラが言ってよ…」
ケセラ「お嬢様から言い出されたことでしょう。お嬢様がおっしゃられるのが筋です」
パギー「うー」
ナオヤ「…なんだなんだ?言いたいことがあるなら早くしてくれよ」
パギー「今日一日、遊ぼ」
…
サヤ「…へ?」
ナオヤ「…そんな暇はない」
パギー「…一日だけ、ね」
ケセラ「わたしからもお願いします、どうかお嬢様のわがままを聞いてやってはもらえないでしょうか」
サヤ「…いいじゃん、最低。今日だけ遊んであげようよ」
ナオヤ「…」
…まったく、俺もお人よしだ。
ナオヤ「しゃーない、勝手についてこい。ただし、一日だけだぞ」
パギー「やった!!」
パギーは大喜びだった。




