2章-06 会話
廊下を歩く途中で、俺たちはそれぞれの適当な自己紹介をした。
その間、こいつはといえば、ずっとケセラさんの後ろに隠れてやがる。
ケセラ「パギーは人見知りが激しすぎるのです。めったにこんな所に人など来ませんので」
ナオヤ「さっき思いっきり接近されたんですけど。
人見知りのひの字も知らないような気がするんですけど」
ケセラ「近くまで行かないと、真実は絶対に見えない、そのためなら、例えどんな恐怖が待ち構えていようとも、近づいて真実を見よ」
ケセラ「これがだんな様のお言葉です」
サヤ「…ふーん、観察のためなら平気、ってことですか」
ケセラ「まあ、そういうことです」
パギー「私、人見知り激しくないもん」
なんか必死に否定してる奴がいた。
ケセラ「はいはい、そうよねそうよね」
なんとも、手馴れているという感じだった。
ナオヤ「…いやあまさか、竹馬で出迎えられるとは思わなかった。
見事ですよ。
でもなんで竹馬なんか?」
ケセラ「お嬢様はなんでもやりたがる人でしてね。この間ノルン様に仕入れてきてもらった竹馬を気に入っちゃったんです」
ナオヤ「あいつかよ。しかも何で竹馬なんか仕入れてくるんじゃ」
サヤ「…で、でも、なんで家の中なんですか?」
ケセラ「外は転んだりしたら危ないでしょう?」
ナオヤ「ワニやくまが徘徊する家の中で竹馬を乗り回すほうがよっぽど危ないと思うが」
ケセラ「あ、そろそろ食堂に着きましたよ」




