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世界で一番君が嫌い  作者: びゅー
1章 法律
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1章-26 その後

ナオヤ「勇者さん」

ロバート「ナオヤくん」

ナオヤ「最低」

ロバート「最低くん」

ナオヤ「勇者さん。

口で言ったってわからねえよ。

実際にやってみないと、何もわかんねえんだ」

ロバート「…」

ナオヤ「おれにとって、どちらが正しいかなんてどうでもいい。

今回の場合、原告と被告が仲直りする、それが最善だと思った。

そう思うのはやっぱり、おれが弁護士や検察官じゃないからかなぁ」

人殺しとその被害者の子供を和解させるような今回の場合は、

なかなかシビアだったと思うが。

まぁ、それなりに、うまくいった。

ナオヤ「…動機がなにとか、何年の刑罰が下るとか、

どっちが正しいとか、どっちが悪いとかなんかより

おれは、そっちの方が、はるかに重要だと思うんだ」

子供のケンカだったら、誰かが抑えて、納得するまで言い合いさせるだろう。

ロバート「きみは、いったい…」

ナオヤ「おれは最低さ。

だけど、

人の痛みだけは、わかるつもりだ」

ロバート「……」

ナオヤ「あんたたちが人の痛みを分からないって言ってるんじゃない。

でも、

あんたは本当に人を殺したいって気持ちになったことがないんじゃないか」

そして、その時、本当は何を望んでいるのか。

ロバート「…。

かもしれないな」

ナオヤ「偉そうな出方してごめんなさい」

ロバート「いや、君は素晴らしいよ」

ナオヤ「よしてくれ。俺は最低だ。

そう呼ばれていたい」


ナオヤ「…さて、おれたちは行くとするか」

アカネ「…ありがとう…」

ナオヤ「どういたしまして」

社交辞令のような挨拶が交わされる。

青龍「………俺は、自分の罪を償おうと、初めて本気で思った」

ナオヤ「気が変わらなきゃいいけど」

青龍「自分が犯した罪で、結果不幸になった人々を、少しでも救いたい、

そう、本気で思った。

君のおかげだ。本当に、申し訳ないことをした」

ナオヤ「ま、少なくともおれには謝らなくていいよ。人間、間違いは誰でも犯すから」

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