1章-11 破壊
翌日
ナオヤ「さて行くぞ」
ノルン「ロールスロイスまで、もう少しよ」
アヌビス「昨日の連中の仲間が出てこないかね…それだけが心配だ」
ノルン「大丈夫よ。ダイナマイトであの3人以外は病院送りになったから。もう他に仲間はいないはずよ」
アヌビス「…ダイナマイト…
そもそもそんなことして大丈夫なの?警察沙汰になったらどうするんだ」
ノルン「私は証拠を残すようなヘマはしないわ。昨日のはれっきとした正当防衛だしね」
アヌビス{ほんとこの子、キモ座ってるぜ…}
しばらく狭い山道を進んでいく。
そのうち、広い道に出た。
…が、
サヤ「…何これ…?」
アヌビス「これじゃ、通れねえぞ…」
道の真ん中にとてつもなく巨大な石が置かれていて、
道はそこで塞がってしまっていた。
ナオヤ「なんとかがんばれば通れないこともない」
サヤ「無理だよ」
アヌビス「…しっかし、周りから隔離しようとしてるってのは、本当みたいだな…」
ノルン「大丈夫大丈夫。こんなのここに来るまでにもう何度もあったからさ」
サヤ「そうなの!?」
アヌビス「そんな覚えはないんだが」
ノルン「今回もダイナマイトでどかーんとふっとばしちゃうわね」
ナオヤ「…なんでもかんでも吹っ飛ばせばいいってもんじゃないよ、おねーさん?」
ノルン「一番手っ取り早いじゃん」
ナオヤ「…」
ノルン「じゃ、しばらくしたら点火するから、さがっといて」
アヌビス「危険じゃないのか」
ノルン「大丈夫よ。遠隔操作で爆発させるから」
ノルン「じゃーん。特定の波長で高エネルギーを発生する装置。
これをダイナマイトの横に仕掛ければ、手っ取り早い遠隔操作スイッチのできあがり」
サヤ「わかったから早くして!怖いから!」
ノルン「大丈夫大丈夫。めったなことでは爆発しないから」
ノルンは高エネルギー発生装置とダイナマイト数個を岩の周辺に仕掛け、こちらに走り寄ってきた。
ノルン「それじゃー、いっきまーす!」
ノルンがボタンを押す。
…。
アヌビス「…何も起こらないぞ」
ノルン「…そろそろよ」
轟音があがり、岩は跡形もなく砕け散った。
ナオヤ「…」
アヌビス「…」
サヤ「もしもーし、お二人さん、どうしたの?」
ナオヤ「道をふさぐ物全部ダイナマイトで潰しちゃえば幸せだな」
サヤ「…はぁ?」
ノルン「おっ!ようやく村が見えてきたわよ!」
アヌビス「…旅慣れてますね」
サヤ「…でしょ」
ナオヤ「…確かに、つかみ所がないな」
サヤ「…でしょ」
ノルン「?どうしたの?」
ナオヤ「…おまえをどこから掴むべきかについて熱い討論をしていたんだ」
ノルン「…は?」
ナオヤ「言っておくが怪しい意味じゃないからな」
ノルン「…ますます、は?なんだけど」




