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5章-21 間
クジラは犠牲を払わないと、存在できない。
誰か一人とクジラ、どちらを選ぶか。
決めるまでもない。それは誰か一人を犠牲にするということだ。
誰か一人を殺して、生き残るクジラが僕は嫌いだった。
そんなクジラ、ぐちゃぐちゃになってしまえと、僕は思うようになっていた。
そうなった所で、自分が悪になるだけだ。
悪魔だろうと、魔王だろうと、死神だろうと、呼び名はなんでもいい。
最低には、その役割がふさわしい。
自分は、そう思うようになっていた。
そして、その最低が行き着く先は、きっと。
自分でも、なんとなく気づいていた。




