5章-01 序
サヤ「…じゃあ、次は、海底国の自治領、だね」
レック「…海底か…行ったことがないな」
パギー「…あんまりいいイメージはないけど、仕方ないね」
サヤ「…結局、世の中なんてお金よね」
パギー「…」
ナオヤ「おまえ、またそれか」
サヤ「…だって…結局そうじゃん。…お医者さんだって弁護士だってお金がないと見てくれないし、偉い職業になろうと思ったらその分お金がいるし…」
ナオヤ「金で買えないものなんて、いくらでもある」
サヤ「…でも、何かを得ようと思うなら、一番必要なのは、お金」
パギー「…このやりとり、もう飽きた」
レック「…まったく」
ナオヤ「だいたい、金なんかあったところでどうするんだよ」
ないけど。
サヤ「は?」
ナオヤ「何に使うんだよ」
サヤ「あるにこしたことはないでしょ」
ナオヤ「そんな程度の認識ならなくても同じじゃねえか。
人一人が使う金の量なんてたかが知れてる」
サヤ「あのね。
あんたは最低だから使わないのかもしれないけど、
人にはみんなそれぞれ夢ってものがあるの」
サヤは熱弁を始めた。
サヤ「たとえば、別荘を買いたいって人もいれば、
腕時計がほしいって人もいれば、ゴルフクラブがほしいって人もいれば、
洋服がほしいって人も…」
ナオヤ「それで実際に買うやつなんてどれぐらいいるんだよ」
サヤ「それは、ほんの一握りだと思うけど」
ナオヤ「人間には分相応って考えがあるんだよ。
人が生きていくのに本当に必要な金の量なんて、そうめちゃくちゃ多くはない」
サヤ「そりゃあんたは夢なんて持たないほうが幸せみたいな考えなのかもしれないけど、
大半の人間はそうじゃないの!
宝くじでも、何でもいいから大金持ちになりたいみたいな欲があって当然だし、
そうであるべきなの!」
ナオヤ「そんなもんかね。
おれは宝くじなんか買う方が損するって知ってるから買わんけどね」
サヤ「だって、お金もないようなそんな人生、つまんないじゃない」
ナオヤ「人生なんてつまらないものさ。
そんな無い中で、どう面白みを見つけ出すかのほうが重要じゃないかな」
パギー「サヤと最低って、正反対なんだね」
サヤ「ちがう。
こいつは人の揚げ足とって楽しんでるだけ」
ナオヤ「よく分かってるじゃないか。
それが、おれにとっての人生の楽しみ方さ」
パギー「趣味?」
ナオヤ「いいこというね、おまえ。
そう、趣味。
人をからかうこと。それがおれの趣味にして娯楽」
サヤ「…やなやつ」
分かってたことだが。




