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宝石だけが持つ魔法  作者: ピ使い
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第5話 珊瑚の特技とかかってる魔法

書類を奥の部屋から持ってきて、

例のテーブルに皆座って見ている。

書類の枚数は10数枚と意外に少なく、

お陰であまり時間を掛けずに済んだ。

書類にはおかしなルールや

面白いルールもあった。


「何これ、呪文では絶対に…」

翡翠が言いかけると柘榴が後を継いで答える。


「カッコつけてはいけない、でしょ?」


「そうだよって…何で知ってんの?暗記?」


「まあ…葡萄先輩にこの書類全ての内容を魔法データにして僕の頭に突っ込んだからね…」

そういった柘榴は笑っていない。強引にされたのだろうか…

「そういえば気になってたんだけど、柘榴君は葡萄先輩と一緒に住んでるの?」


「うっ…違うよ、葡萄先輩はいい家が見つかるまで居候してるんだ…まあ言い訳だろうよ。僕にだけ妙に話し方が違うし怖いんだよね…」

柘榴は図星だと言う顔をしている。

「ご、ごめんね?傷つけるつもりはなかったの。」

珊瑚は必死に謝る。

「う、うん。それはわかるよ。君はそう言う人じゃないからね。」

「な、なんかお詫びするよ。」

「そんなこと言うと期待しちゃっていいかな?」

「あら?珊瑚大変ね〜」

翡翠はニコニコしている。

彼女がニコニコしているときは大抵…

そう言うことです。

「えー、じゃ、じゃあ...何がいい?」

「お前が決めるじゃないんかい。」

青玉がツッコミをいれる。

「じゃあ、葡萄先輩が僕に近づけないようにしてくれない?僕、先輩が近くにいるとまともに話し相手が来ないんだ、みんな先輩の事怖がるから…」

「うん、わかった。」

「え、策あるの?」

「あるよ!」

お片づけ魔法を使えば楽勝だと本人は思った為。

「あら、まだいたの、もう遅いわよ?みんな帰りなさい。」

葡萄先輩が扉をあけて入ってきた。

「よろしく頼むよ、珊瑚。」

「頑張ってみる。」

「葡萄先輩、まだ作業が終わらないのでまだここにいます。それにまだ17:00ですよ。みんな家が近いので問題ないです。」

「あら、私はみんなのことを心配して言っているのよ?」

「先輩…」

「はい?」

「すみませんが先輩だけ先に帰ってください!

先輩、お家に帰っちゃえ!」

「まさかそれは呪文?私だって負けない…!?」

「さようなら!」

みんなそう言った。葡萄は珊瑚の魔法に勝てずそのままワープしてしまった。

「珊瑚はすごいね、それって何の魔法?」

「これは私の家の呪文のお片づけ魔法。人でも私が思う場所に移動できるよ。」

「でも要するにワープ魔法よね。」

「うん、だけど…」

「わかった、自分は移動できないんだろ。」

今まで黙って聞いていた青玉が答える。

「よく知ってるよね。」

「知らないと思うわ、青玉は秘密を知れる魔法が常にかかっているのよ。」

「翡翠言うなよ〜」

「柘榴君、私にも何か常に魔法かかってるかな?」

「うん。君にもあるよ、珍しい魔法。白い色だから浄化系だね。」

「へえー、でも私には見えないよ。あ、でも翡翠は赤で、青玉君は青だ。柘榴も赤だね。」

「自分には見えないんだよ。てか私赤なんだ。」

翡翠がなぜかテーブルから少し離れてこそこそ話している二人のところに覗き込むように来た。

「俺なら何の魔法が全て当てられるぜ。」

「じゃあ私は何?」

「ん…無効化だな。」

「え、凄い珍しい魔法じゃない。」

「じゃあ…僕のは効かないかな?」

「そうね。」

「え、何のこと?」

「いや、俺は珊瑚の魔法は無効化だと。」

「うんうん、え?じゃあ魔法効かないってこと?」

「多分だけど…うちは強く願えば何も効かない魔法って聞いたよ。」

「じゃあ私と戦ったらみんな負けるってこと?」

「まあ、相当心が乱れていたり、実力が同じぐらいの人はそうだね。流石にこの学校であなたに勝てるの先生ぐらいだよ。」

「あ、もうこんな時間。あまり作業進まなかったけどここまでだね、じゃあ帰ろう!」

「どうせなら珊瑚のワープ使おうよ、私19時までなら大丈夫。珊瑚ごとそれぞれの家に帰れれば怒られないし先生にも見つからないよ。」

「私は私自身に魔法かけたことないからなー。」

「僕も青玉も時間に余裕あるから大丈夫。でも僕は葡萄先輩に何か言われたらやだなぁ…そうだ、珊瑚が無効化をアイテム化したものがあればいいかな。怒られても大丈夫なように。」

「え、何で私のアイテム?」

「いいじゃない。どうせなら交換しようよ。」

「やったぜ!俺翡翠と交換して友達作りまくるわ。」

「もう、よくないことに使わないでよ?」

「僕のは間違っても使わないほうがいいから、

あくまでも持ってるだけね。」

「そういえば柘榴君は何の魔法に常にかかってるか私、聞いてないんだけど」

珊瑚だけ知らないので取り残されたような気持ちになる。

「え、ああ…言っちゃうけど、柘榴君は異性をメロメロにさせる魔法。うちの仲良くなる魔法と対だから効かないけど、そういえば珊瑚にも効いてなかったよね。」

「無効化だからかな?…確かに異性をメロメロにするって言うのは間違って使っちゃいけないね。でもそんな危険なものいいの?」

「いいよ、記念だよ記念。」

「俺のも変なことに使うなよ?」

「そうね、秘密を知ってしまうのだから後悔しないようにするわ。」

「使う気満々じゃん。」

こうして赤珊瑚とガーネットを交換して、

エメラルドとサファイアを交換した。

「わあ、綺麗…。」

「気に入ってもらえてよかったよ。」

「何だかこのサファイア見てると吸い込まれそうね。」

「はは、よく言われる。エメラルドだって綺麗だぜ。」

「うんうん。」

「赤珊瑚…いつかこれを見た気がするけどどこだったかな?」

「さあ。」

そうこうしているうちに時間になった。

「さあ珊瑚、自分も帰れるようにね!」

「誰か補助かけてくれない?」

「いいよ、僕が掛けてあげる。そのガーネットが君の魔法を強力にしてくれるように…ガーネットサポート!」

「おー、これが柘榴の家の呪文?」

「違うよ、亡くなったお爺ちゃんが僕にその魔法を最後に教えてくれたんだ。」

「へえ…」

「じゃあみんなこの範囲内に居て!」

みんなは少し珊瑚に近づいた。柘榴に至っては

何故かぴったりとくっついている。翡翠は珊瑚の手を握っている。

「柘榴君それは近すぎ、大丈夫だよ少し離れても。」

「もー、珊瑚は分かってないな。そんなに不安なら私の方見ててよ。」

「え?そう言う意味じゃあ…まあいいや。

行くよ、ここに居る私たちをそれぞれの家へ、帰して!みんな家に帰っちゃえ!」

「じゃあね!」「また明日ね、珊瑚。」

「またな!」「バイバイ今日はありがとう。」

それぞれ別れの挨拶をすると、皆一瞬でそれぞれの家にワープした。珊瑚もワープした。

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