第4話 魔法管理委員会
翡翠の一人称変更しました。
私→うち
今日の放課後は初めての委員会。
魔法管理委員会は1階のコレクションルームで行われる。宝石のコレクションルームは歴代の魔法管理委員たちが力を借りていた宝石と同じものが飾ってある。まず委員会に入ったら宝石を自分で作り出し、置くらしい。
「失礼しまーす!」
とみんな言う。もちろん中には葡萄先輩がいた。
「ようこそお待ちしておりました。まずは宝石を具現化して置いて頂戴。」
葡萄先輩はショーケースに宝石が入っている部屋のど真ん中にあるクリスタルでできた透明な椅子に座っていた。もちろんテーブルもクリスタルだ。初代の委員長がクリスタルを使う無属性使いだったらしい。葡萄先輩は
「私は待っている間ココアを入れてくるわ。甘いのと苦いの…どちらがいいかしら?」
と言ったので、皆口々に答えた。
「私はミルクたっぷりの甘いの。」「僕のは純ココアにして下さい。」「うちはミルクのみでよろしく!」「俺はそのままので。」
珊瑚がミルクたっぷり甘いココア、柘榴は何も入れない純ココア。翡翠は牛乳を少し入れたココア。青玉は普通のココアをそのままお湯で溶かしたココアだと言うこと。葡萄はどうやら6人までは同時に聞けるらしく、失礼するわねと言って奥へ消えた。
「珊瑚っ!」「何自分の名前呼んでるのよ」
「いや…ビームにしたらいけないなって…」
珊瑚は赤珊瑚を具現化させテーブルに置いた。
「エメラルドはここよ!」「…ん?」
「…ん?じゃないよ召喚魔法よ。」
「どこから召喚するだよ。」
なぜか翡翠はムキになって言った。バカにされたと思ったのだろうか…青玉はもう既に作ったのを手のひらに乗せて見せているのかと思ったらしい。ただの誤解だ。
「燃え上がるガーネット!」「なんかの戦隊モノみたい」「そ、そうだね…いやーははは、なんか僕そう言うセリフじゃないといけなくて」
少し恥ずかしそうに柘榴は右手にガーネットを具現化させてテーブルに置いた。
「ココアができました、皆さん上出来ですね!どれも素晴らしいわ。」
と言いながら地味に赤珊瑚だけ嫌そうに見ていた。柘榴はそれに気がついたらしく、
「僕は赤い宝石は全部好きなんだ。」
と無理矢理言った。
「あら、柘榴君なら私の宝石のプレナイトでいいと思うけど…」
「いやいや、赤なら赤珊瑚じゃないんですか?」翡翠がすぐツッコむ。珊瑚は翡翠が自分のことを何故そこまで柘榴君と関連付けたがるのかなと、理由があるのかと思った。
「そうだね、翡翠の言う通りかな…」
葡萄は精神にダメージが来たのか、
「ちょっと今日は体調が優れないわ…帰ります。説明は予め柘榴君に説明してあるから聞いて下さい。私からは以上です。」
そう言って少し辛そうな顔をして帰って行った。
その直後すぐにみんなは柘榴をじっと見た。
「あー、やめてくれないかな?そんなにジロジロ見なくても説明するから。」
一度後ろを向いて息をすーっと吸ってから向き直って話し始めた。
「この委員会はその名の通り、奥の部屋にある魔法に関する書類を守り、魔法に関する決まりが理にかなっているか、まだ決まりが足りなければ追加したり、逆に厳しすぎたら減らします。それ以外はまあ学校を守ったりするよ。特に何もすること無かったら部活にさっさと行ってもいいんだ。」
「そっか…部活のこと考えてなかった。」
珊瑚がふと思い出して呟いた。
「この学校部員がいなくても部活に入れたりするから部活の種類やたらと多いんだと俺は聞いた。」
青玉がココアを啜りながら言う。
「みんなはどこの部活入る?」
翡翠は少し身を乗り出して聞いた。ガタッとカップが鳴ったがどのカップも無事だ。
「私は漫画イラスト部かな。」
珊瑚が一番に答える。
「俺は剣術部!」
青玉が自信満々に言う。
「僕はソフトテニス部。」
柘榴が手を挙げて言う。
「うちもソフトテニス部!柘榴一緒だね!」
翡翠が嬉しそうに言う。そして珊瑚をチラ見する。
「うん。」
柘榴も嬉しそうに返す。
「そういえば…テニス部は漫画イラスト部の隣だよね?」
珊瑚は思い出したらしい。(学校の見学で見た)
「そだね。」
翡翠が何処かの地域の方言で返す。
「そだねって何?」
「柘榴君はもしかして初めて聞いた?」
珊瑚は私はよく聞いてるけど…と付け足した。
「もしかして青玉知ってるの?」
「そりゃな。」
なぜか柘榴と目を合わせずに言う。本当は青玉も初めて聞いたので頭の中が?マークだらけだ。
「そだねって言うのはそうだねの略だよ。」
「なるほどー初めて知った。あ、そうだ。委員会だからせっかくだから初仕事しない?」
最終的に珊瑚と柘榴の二人ばかり会話している風になった。翡翠はわざとだが青玉の場合は何となく会話に参加し難いと思っている。そんなこんなで4人で初仕事を行うことになる。