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宝石だけが持つ魔法  作者: ピ使い
3/17

第3話 葡萄先輩の秘密?

苗字はあまり出てこないのでとりあえずキャラクターの本名をまたしても載せときます。

海山 珊瑚、原田 翡翠、羽元 柘榴、野山 葡萄、

山口 青玉、涙目 奏

「今日の授業といっても委員と係を決めるだけだ。そんなに緊張するでない。」

星先生がそう言う。それを聞いてホッとしている人もいればまだ緊張している人もいる。


珊瑚と青玉は緊張しているが翡翠は平気そうだ。

そうして黒板に先生は[係・委員会決め]と書いた。


係や委員会はどこの世界も同じような感じらしいが魔法管理委員という特別な委員は

宝石の名前の人が強制的にいれられる。それ以外は一番魔法を安全に使っている人の中から選ばれる。

なので、珊瑚と翡翠と青玉そして違うクラスの柘榴も選ばれた。もちろん先輩の葡萄も入っている。そして珊瑚たちはその委員会に入っているので委員会に立候補する必要はない。

係をどうしようか考えていた。珊瑚は迷わずに文化委員に手を挙げた。

翡翠も一緒に手を挙げると青玉もまた手を挙げた。


これで一発で決まった。

「そういえばなんで文化委員にしたの?」と翡翠に聞かれると珊瑚は当然のように、

「中学校の時文化委員だったから。」と答えた。翡翠はがっかりしたという感じで

「なーんだ、柘榴君との思い出だからかと思った。まあ、魔法管理委員で会えるけど。」

「えー、私はなるべく会いたくない…かな。」

珊瑚は気を遣っているつもりだろうが、柘榴はきっと少し悲しそうな反応を取るだろう。


「私チクり屋だからすぐ言っちゃうよ?」翡翠がそう言う。

「やめて、それだけは勘弁よ翡翠。」珊瑚が慌てる。


初めての授業は魔法科だ。みんなは第2体育館へ移動した。所々宝石がはめ込まれている校舎は

少し派手だ。1組と2組で合同で練習するらしい。珊瑚自身は魔法が得意なので助かったと思った。

この世界の教科は、魔法科、魔法情報科、魔法語科、魔法システム科、接客科、家庭科、技術科がある。家庭科のみ地球にあるものとほぼ同じで、技術科は魔法を使って作るものもある。


体育館に着いて数分すると2組も来た。もう一人の先生は確か岸先生だったはず。

「はい、これから授業を始めます。1組の日直さんは誰でしょう?」

日直は柿崎さんと小林くんだ。二人ともはいと返事した。そうして授業が始まった。

まさか初めから何の魔法をするかノートなどに取らずに始まるとは思わなかった。

最初は小、中学の頃の復習だろうか。


とりあえず珊瑚は赤珊瑚のついた杖を左手に握りしめた。岸先生は説明する。

「今日は隣の人とペアになって、得意属性の魔法で戦ってもらいます。いきなりで緊張するかもしれませんが、落ち着いて挑みましょう。もちろん負けても大丈夫ですよ。負けた人は終わったら座って待っててください。」


珊瑚は隣の柿崎さんとだ。柿崎さんは宝石の名前ではないので珊瑚の方が有利だ。

「蒼葉ちゃんよろしく!」「珊瑚ちゃん…よろしく。」

珊瑚は水と炎属性が得意。

「手加減なしでいい?」「いいよ。」

ということで珊瑚は容赦なく攻撃することにした。


「海から出ておいで、水の精霊!」

小さな水の球が小さな竜巻を起こしながら飛んでくる。見た目よりなかなか強い。

「強い…!山の加護!」

山といってもただの壁だ。

「珊瑚ビーム!」「え?」

ポカーンとしている。


そう、珊瑚ビームは小さい頃珊瑚が遊びでそう発したら川の岩を破壊してしまったことがあった。

赤珊瑚がビーム状に出るのでその珊瑚は毎回買い取ってもらう。壁がガラガラと崩れて行く。

「そんな…うそ。…木の神龍!」


この技は属性ごとにある。ただ属性は人によってそれぞれなのでいちいち気にしてはいけない。

ただ相性はある。木属性は水属性と相性がいい。つまり水属性で勝っているのは理由が不明だ。

「神龍は強すぎて使っちゃダメなんだよなー、ならもう一回。珊瑚ビーム!!」

またまた珊瑚ビームを放つ。木の龍に命中し、龍は粉々になった。蒼葉は杖を驚いて落とした。

「杖落としてるよ。」「あ…」


杖から手を離すと負けで、怪我しても負けだ。降参の時は杖を置く。


「負けちゃったな…やっぱり強いね珊瑚ちゃん。」「あ、はは。ありがとう。」

みんな試合を終えた。次の授業は………


そうして給食の時間になるとみんな柘榴と行こうという話になり1-4に向かった。

どうやら柘榴は廊下で待っていた。

「やあみんな。僕を迎えに来てくれたの?」「んーそんなとこ。」「珊瑚照れてるんじゃないの?」「え、そんなこと言わないでよー余計意識するじゃんか!」「僕のこと意識してくれたの、嬉しいな。」「柘榴、お前そういうキャラだった?」「僕は元からこうだよ。」

「翡翠〜向こう行こうよここで話してたら邪魔だよ。」


確かに邪魔になっている。なのでそそくさと水飲み場に来た。人で溢れかえっていた。

「しょうがないから私と翡翠の魔法で手を洗おう、ここ人いないしここに来て。」

みんなで集まると珊瑚が魔法で水を出し、翡翠が乾かして床に水滴がつかないようにする。

「ウォーターサーバー。」「エアタオル!」

よく見ると他の人も似たようなことをして並ばずに手を洗っている人がいた。

中にはハンドソープを魔法で呼び出す人もいた。洗い終わったので放課後みんなで

勉強会することになった。


放課後…

「何で!?」「さあ、僕に聞かれても青玉は用事ができたとしか言われてないからね。

嘘つかれても無理やり来てもらうことはできないよ。」

「えー、翡翠も用事がって。」「まあまあ、もしかすると翡翠と青玉が付き合ってるかもしれないよ?」

「えー、嘘だ!翡翠の好きな人は奏君だもん。」「ふーん、じゃあ君はどうなの?」「え…えーと。」


本当は居ないのだけれど赤い目で見つめられると珊瑚はどぎまぎしてうまく言えない。

柘榴も翡翠みたいに常に異性に好意を抱かれやすい魔法にかかっている。

だが翡翠には全くが効き目ないらしい。珊瑚はというと実はそういう魔法を全て無効化する魔法に

常にかかっているため影響は受けない。なので翡翠とは魔法の力で友達になったわけではない。

「私は好きな人いないよ。」

「そっか。わかった。なら僕には敵なしだ!丁度いいや。約束通りカフェに行くけど勉強会はやめだ。

あまり話すことないかもしれないけど、話そうか。」「それってもしかしなくてもデー…」

「いやいや、ただ会話するだけでそうなるの?君は面白い人だね。」と柘榴は笑っている。


珊瑚にはもう理解できなかった。でも確かに近くにいても男子だから怖いとか不安だとかはなかった。

だから珊瑚は何でだろうと思った。きっと優しさに溢れているからだろうということにした。

後々二人だけで会うことが多くなることはまだ知らない二人だった。


「それで、何頼む?僕はアイスコーヒー。」「私はミルクココアのアイス。」

店員が来た。

「あら、お二人ともカップルですか?」「ええ、そうです。」

柘榴は笑顔でそういったが珊瑚は動揺する。

「いえ、とんでもない!ただの友達です!」「あら?そうでございましたか、注文をどうぞ。」

「えっと、アイスコーヒーとアイスココアください。」「おひとつずつでよろしいでしょうか。」

「はい。」


ここは二人同時に言う。というか偶然ハモっただけだが。

「甘いもの好きなの?」「私コーヒー飲めなくて、それでなの。」

「ふーん。そういえば連絡交換してなかったね、今後委員会でお世話になるから交換してくれない?」「あ、わかった。QRコードで一緒にLI〇Eしよう、その方が楽だし。」「OK。こうかい?」

そうして翡翠たちは完全にLI〇Eでいつでも話せるようになった。


そうしてからも少し会話したら18時だ。

「もうそろそろ遅いから帰ろうか。送ってくかい?」「いやいや、それは…そうだ、近所だっけ?」

「そこそこ遠いかな。」「じゃあ遠慮するよ、またね!」「じゃあね!」


帰り道に葡萄先輩が突っ立ってた。葡萄先輩は怖い顔で話しかけてきた。

「見たわよ海山さん、あなた柘榴君と何してたの?」

「何って、勉強会のはずが二人とも用事なので、カフェで話してました。」

「あり得ない…あなた柘榴君のこと狙ってるの?」「とんでもない!私は友達だと思ってます。」

「ますます怪しいわ…私は柘榴君が一度女の子に好かれたのにその女の子はそのまま浮気して柘榴君が

辛い思いをしたから今度はそうならないようにしようと追い払ってるの。だから近づかないで。」

「私がどんなに逃げようとしても友達が許しませんし、本人から来るんです。

それと、辛い思いをさせたくないというのはわかりますが、それで逆に辛い思いをしていたとしたら

葡萄先輩はどうするんですか?」

「え?」


ざあっと風が吹いた。綺麗な夕日が見える。葡萄先輩は目をぱっちりしている。

そんなこと考えもしなかったのだろう。やはり柘榴君は葡萄先輩の過保護で辛い思いを

しているのだろうか。だからこんなにも優しく感じるし、異性に感じるはずの恐怖もないのだろう。

柘榴君がそれで困っていたし。好きなわけじゃないけど助けれることは助けよう。友達なのだから。


「そ、そんなこと…ないわ、柘榴君は私が追い払ってるおかげで安心して生活できるのよ。」

「そうですか?葡萄先輩が心配して追い払ってるって柘榴君が言ってた時、困ってた顔してましたけど…」

「海山さん、あなた柘榴君に何かした?」「私は何もしてない…どうして疑うのですか。」

「何だか貴方のことをよく話すようになったの。まるで毎日貴方のことばかり考えているみたいで…」

「何だかそう言われると恥ずかしいです。私は好きじゃないのに…気にされてるなんて。」

「そうね。でもいいわ、私は柘榴君のこと好きだから貴方に取られちゃいやよ。あそこの公園で戦うわよ。」「こんな時間では怒られてしまいます。」「大丈夫、私がいるから。」

「あれ、海山さんまだ帰ってなかったの?」「あ、柘榴君!」

珊瑚は助かったとばかりに駆け寄ろうとするが葡萄が先に駆け寄る。


「柘榴君、ダメじゃない女の子と二人で出かけちゃ。それに、また辛い思い出作ろうとしてない?」

「葡萄姉さん、僕は辛い思い出なんか作らないよ。もう同じことは繰り返さないし。

それに、すぐ戦う癖、姉さんの悪い癖だよ。ごめんね珊瑚、巻き込んでしまって。」

「別に私は平気だけど…」「私は柘榴君のことを思ってそう言ってるのに何で?」

「先輩、お言葉ですが過保護だと思います。過保護になるとそれがお荷物になるんです。」

「そう…いいわ、やっぱり私は海山さんと戦うわ。柘榴君はそこで見てて。」

「葡萄先輩は夢で言ってたじゃないですか、末っ子は魔力が弱いと。そこは大丈夫ですか?」

「ええ、年齢差的にちょうどいいハンデよ。」「もう後に戻れないので行きますね。」


3人は近くの公園に来た。勝負できるように結界が張り巡らされている。

実は海山家は有名な魔導師の父を持つ。母も魔法は強いのだが、家事系が得意だった。

とはいえ葡萄の家もなかなか強いのでいい勝負だ。


「じゃあ、よーい、スタート!」

柘榴君の合図で始まる。


「海山さんからどうぞ。」「はい、水の精霊!」

水の球が飛んでくる。葡萄は属性は風。木ではないので相性はそこそこと言ったところ。

「こんなものかしら?竜巻!」

たちまちかき消される。だが珊瑚も負けてられない。

「珊瑚ビィーム!」「破邪の風!」

赤珊瑚を粉々にしようとしているが上手くいかずに命中する。


「頑張れー珊瑚!」

柘榴も応援する。いつの間にか人だかりができていた。何人か何事かと観戦している。

みんな結構観戦するのが好きな人が多いのだ。

「まさか赤珊瑚がビームのように伸びてくるとは思わなかったわ。…風神龍!」

「じゃあ私も、水神龍!」

風の龍と水の龍が物凄い勢いでぶつかり合っている。

「あちゃー、しょうがない、水属性じゃ決着がつかないなー。」「もしかしてもう一つ得意属性があるの?私には一つしかないのに。」

葡萄は少し引きつった顔をした。


「いっけー!炎の姫!」「わ、僕も二つの属性を得意な人初めて見るな…」「台風の盾!」

葡萄は慌てて風の盾を用意する。だが炎でできた姫は容赦なく盾を破壊する。

「嘘でしょ!」「あ、怪我しちゃう!ウォーターサーバー、行けっ!」

ギリギリのところで火を消した。葡萄は杖を手放していた。


「ゲームオーバー、珊瑚の勝ち!」「私が負けてしまうなんて…噂通り強い方なのね。でも、私は柘榴君のこと諦めたわけじゃないわ。」「だって柘榴君。家に帰ろう。」「え、うん。でも従兄弟同士じゃ血が繋がってるからダメだと思うけど。」「確かに。」

二人でそう話しているうちに珊瑚は本当の意味で柘榴と打ち解けた。

葡萄は冷たい顔をして、帰って行った。

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