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白い手は闇に招く

白い手は闇に招く


 美羽は蝶になって逃げていた。

 羽を懸命に動かす。

 はたはたと、ひらひらと、死に物狂いで。

 しかし逃げても逃げても、白い手が追って来る。

 すらりと大きく、白く、滑らかな手が。

 狩ろうとしているのだ。

 昆虫標本を固定するように虫ピンで美羽を捕らえて。

 その果てには暗澹たる闇が迫る。


〝帰蝶。私の愛しい蝶〟

〝私の愛しい〟

〝私の〟


 いやだいやだいやだやめてやめてやめて。


「美羽っ」

 呼びかけられて、ハッと目が覚めた。

 パニック状態に陥った美羽は、とにかく滅茶苦茶に暴れた。

 だがそのほとんどは竜軌の腕で封じられる。

「美羽、美羽!落ち着けっ。俺を見ろ!!」

 両手首を掴む、相手の顔を見る。

 真っ黒い瞳。

(竜軌)

 それだけが全てであるかのように、美羽は渾身の力で竜軌に抱きついた。

 その日から美羽は、竜軌がいなければ眠れなくなった。



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