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竜、竜、龍

竜、竜、龍


 雨煙を消した坊丸に美羽を預け、竜軌は六王の柄を握ったが。

「ほい、兄ちゃん。俺が相手だ」

 一芯の刃を受け止めたのは、臥龍を手にした門倉剣護だった。

 彼の大きな身体は速やかに竜軌らと一芯の間に割って入った。

 がきいんと賑やかな響きが鳴り渡る。衝撃の大きさに見合った華やかな火花が散る。

 黄金色で大振りな臥龍に対して一芯の刀は幅は並で刀身がかなり長い。腕に感じた痺れは互角か、自分のほうが僅かに大きいと一芯は冷静に測る。

 後ろに退いた一芯は、またへらへらと笑いを作った。

「困るなあ。雪の御方の兄上かあ。……何で、ご本人じゃないかな?」

「うん。俺、門倉剣護。真白の兄貴。よろしくね。何で真白じゃないかと言うとだ、坊や」

 剣護が緑の目を光らせにやりと笑う。

 獰猛で剣呑な、喰らう側の顔つき。

「お前の相手は俺で十分だからだよ」

「………」

「なんちゃってなんちゃって怒った?なあ怒っただろ?判るぞ、ぴき、って顔したもん!だいじょーぶだいじょーぶ、俺の真白もちゃんと来てるから、お前の後ろに」

 一芯が剣護の茶化した言葉の最後に背中をハッと振り返る。

 真白は確かに立っていた。

 白黒のボーダーワンピースに白いエプロンを着け、右手に懐剣・雪華、左手に大根を持って、顔を赤らめていた。

 その顔は丁度、壊れ行かんとする結界と似たような薄紅の色だった。



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