表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
378/663

遠い遠い遠い

遠い遠い遠い


「されどお前は、ここで散れ」

 散らしてやろう、一気呵成に。

 全て忘れて後世にゆけ。

〝何ゆえ人はとかく、散るを愛でるのであろうかの〟

 自らの言葉に触発され、竜軌は遠い春に聴いた声を思い出した。

 生きるに難そうな男の声を。

「……ただ散るは、無念ではあろうがな」

 その台詞を聴いた秀比呂が、奇妙な、竜軌を探るような顔になった。

〝花も葉も、ただただ散るは無念であろう〟

 秀比呂は遠い春に聴いた声を思い出した。

「武将には向かぬ気立てがお前に災いしたのだ。義龍」

〝武将などには向かぬ気立てだ〟

 桜の花が、散っていた。

 遠い遠い遠い春、言葉を交わした明朗な若者と竜軌は似たことを言う。

「参る」

 竜軌の声は秀比呂に終わりだと告げていた。

 龍に躍りかかる竜の姿を、美羽の目は捉えた。

 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ