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嘘吐き

嘘吐き


 商店街の小さな惣菜屋で、チーズコロッケが揚がるまで二十分かかると言われた。

 それを聞き、店を出ようとした竜軌のシャツの裾を掴んで美羽が引き止め、二人は店内に置かれた長椅子の、こぢんまりした紺色の座布団の上に座った。三枚置かれた座布団の、真ん中を開けて両端に座る男女を、店の人間が不思議そうに見ていた。それでもコンパクトな長椅子に対して竜軌の身体が大きいので、いつもより二人の距離は近い。

「狭っ苦しい。しかもこのくそ暑い日に。そんなにチーズコロッケが好きなのか」

 二十分待てるほど。

 美羽が強く頷くと、髪がふわりと波打つ。

 竜軌はもう何も言わなかった。

 揚がったチーズコロッケをはふはふと美羽が食べる横で、竜軌はそれにガブリと喰らいつく。一口で楕円形の二分の一が消えた。歯型の残る、半分残ったコロッケを、美羽に押し遣る。

 両手が塞がり筆談出来ない美羽は、顔に疑問符を浮かべた。

「晩飯に響く。残りはお前が喰え」

 美羽は目を大きくしたあと、コロッケを見て、竜軌の顔を見た。

(ハンバーガー十個くらい食べても平気な癖に)



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