表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
172/663

どれですか

どれですか


 竜軌曰く、〝グラビア雑誌を見たがっていた〟蘭は、開けた引戸の横をものすごい勢いで飛び出して行った少女に驚いた。華やかな美貌を傾ける。

「…美羽様?」

「蘭、早くあいつを追えっ!!どんな手を使っても構わん、絶対に逃がすなっ」

 頭をかなり痛そうに押さえた竜軌がベッドの上から喚く。布団には冊子が散らかっている。

「何ゆえそのような、悪役みたいな命令を出されるのですか、……ナースを口説いていたことがバレたんですか?」

「莫迦、違うっ、別件だ!」

「じゃあ、あちらですか、見舞いに来られた滝川夫人と良い感じになってしまわれた件ですか。上様は昔から熟女に弱いとは言え、あれはどうかと私はかねがね思っていて」

「違う、それでもない!お前、もうそれ以上、口を開くな!!」

「他のどれがバレてしまったのですか、上様!そこを知らないことには私としましても、美羽様を宥めようが、あ、り、」

〝どうぞ。続けてちょうだい?蘭〟

 廊下を走って行った美羽が光速で取って返し、いつの間にか蘭の横に佇んでいた。

 天使のような微笑みを湛えている。

 豪華な個室は、恐ろしいほどの静寂に包まれた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ