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竜、躍動す

竜、躍動す


 華やかな二つの美貌が、悪戯のばれた子供の気まずさを呈している。

 しかし少年らの、それぞれの手には日本刀。とても自然な立ち姿は若武者のようだ。

 警察に見つかれば、竜軌も坊丸たちも銃刀法違反で捕まってしまう、と美羽は混乱した頭で考えた。彼女にはまだ、神器と結界の特異性がよく理解出来ていない。

「ああ…、やはりバレていた」

「あとで成利兄上に怒られそう!俺は怖い!」

「お前に唆されたって言うからな、力丸」

「ずるいぞ、兄上っ」

「ぐだぐだ言ってないで働け、坊丸は美羽につけ、力丸、お前は俺と兵庫と鬼退治だ」

 槍を繰り出しながら指示を飛ばす竜軌に従うべく坊丸と力丸が動き、いつの間にか現れた兵庫も、両手に鎌を持って動いている。

(鎌!それも二丁も)

 農作業具まで武器にするのか。あれでスパ、と切られるのはとても痛そうだ。

 美羽は坊丸の後ろで身震いする。

 それは竜軌の槍、坊丸らの刀にしても同じではあるが。

 彼らの動きは速過ぎて、美羽の目では追い切れない。

 右に行ったと思えば、もう遠くにいる。遠くにいると思えば、真横にいる。

 坊丸に守られ、そこここで閃く刃の光に見入っていた。

 目がぐるぐると回りそうになりながら。

 その中でも六王を自在に動かし敵を薙ぎ倒す竜軌は、やはり美しい獣が躍動するようだった。

 多分、竜軌はそんな風にして、前生から戦って来たのだ。

 長い間、独りで。それが当然のように。



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