表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
140/663

六王

六王


 明らかに、穏やかではない。

 竜軌が美羽の身を寄せ、力みのない声で呼ぶ。

「起きろ、六王」

 竜軌の手に長い素槍が現れて、美羽は驚く。

(りくおう。…りくおう?)

 何だろう、いつかどこかで、聞いたような名前だが。

 本物の槍を見るのは初めてだ。こんなに長くて大きいのか。

 そして、とても重そうだ。

(でも、綺麗な槍)

 漆黒の柄に、青く白く、螺鈿細工の貝が浮かび上がり、光る。

 きらり、と。

 気高い竜軌によく似合う。

 しかしこれもやはり、どこかで見たことがある気がする。

 既視感がある。

 竜軌は美羽の肩を左手で抱き、右腕一本でぶうん、と二、三回、敵を威嚇するように、槍を頭上高く振り回した。男たちにざわめくような空気が走る。

 美羽に近寄れば六王の餌食にする、という意思表示だ。

 三メートルはありそうな槍を軽々と操る竜軌に、美羽も目を丸くしていた。

 たくましいとは思っていたが、改めて彼の腕力を評価し直す。

 竜軌の目は襲撃者たちの構えなどを、一瞥で観察した。

(プロを雇ったか。賢明と言うべきかな)

「坊丸、力丸!」

 竜軌が高らかに呼ぶと、少年と青年が闇から姿を現した。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ