サンプルシナリオ
◎サンプルシナリオ「風吹く丘の夕日」
◎トレーラー
“揺りかご”の中に衝突の危機に瀕した一つの世界があった。
世界の名は「テンゲル大風原」。生命の数は少ないが文明があり、安定した世界だ。
だが、その世界に「運命絶対教」の第十三司教、レイン=キリサキの魔の手が忍び寄る。
行け、イレギュラーズよ。レイン=キリサキの手から「テンゲル大風原」の住民を救い、他の世界に衝突する前に滅ぼすのだ!
DPのダイス数:(プレイヤーの人数)×8
●ハンドアウト
PC① 推奨基種:任意・特に理由がない限りは英雄が良い
立ち位置:巻き込まれた旅行者
メインミッション「『アニー=リィーイン』を最後まで助ける」
サブミッション「『テンゲル大風原』の住民を救助する」
PC② 推奨基種:任意
立ち位置:世界調和機構所属のイレギュラーズ
メインミッション「異世界『テンゲル大風原』を滅ぼす」
サブミッション「『テンゲル大風原』の住民を救助する」
PC③ 推奨基種:任意
立ち位置:世界調和機構所属のイレギュラーズ
メインミッション「異世界『テンゲル大風原』を滅ぼす」
サブミッション「『運命絶対教』の企みを妨害する」
PC④ 推奨基種:任意
立ち位置:コアハンター
メインミッション「『テンゲル大風原』のコアを手に入れる」
サブミッション「他のPCのメインミッションを手助けする」
PC⑤ 推奨基種:任意
立ち位置:「レイン=キリサキ」との因縁がある者
メインミッション「『レイン=キリサキ』を撃退する」
サブミッション「『運命絶対教』の企みを妨害する」
◎導入フェイズ
Op.1「世界調和機構」
シーンプレイヤー:PC②
説明:ある日の午前10時、PC①は世界調和機構の代表、アルバース・グローリーの執務室に呼び出される。
呼びだれたPC①は、「テンゲル大風原」がほかの世界に衝突する前に滅ぼせ、とアルバースから任務を与えられる。
セリフ:アルバース
「PC②か、よく来た。呼び出された理由は分かっているな?」
「(PC②がはいと答える)そうか。察しがいいな。では本日2200に出発だ。準備をしておけ」
「(PC②がいいえと答える、もしくは確認をする)そうか。ではPC②。君に任務を出す」
「「テンゲル大風原」という世界が、ほかの世界に衝突しつつあるという預言が来た。衝突するのは2週間後。よって君には衝突前に「テンゲル大風原」を滅ぼせ。いいな?」
「また、「テンゲル大風原」を滅ぼす前に現地の住民を「ラストエデン」へと避難させろ。あくまで平和的に解決してほしいが、無理なようなら力で訴えろ。ただし殺すな」
「異界港の方に大型異界脱出港を4つ用意させてある。うまく活用しろ」
「本日2200にて異界港から出撃だ。準備をしておけ。いいな?」
「質問があるかね?無いなら解散だ」
演出:任務を与えられたPC②は執務室から退出する。退出したらシーン終了。GMはPC②に「コネ:アルバース・グローリー 影響力:2 関係:上司」を与える。
Op.2「コアハンター協会」
シーンプレイヤー:PC④
説明:ある日の昼下がり、PC④は木造のカウンター越しに斡旋ギルドのオーナー、ファー・ニンデスから依頼の話を聞いていた。
セリフ:ファー・ニンデス
「さて、PC④。楽な依頼の話だ。ちょいと耳を貸しな」
「機構の方が世界を滅ぼすのに人を集めるって話だ。おめぇ暇だろ?ちょっと行って来い」
「なぁに、大したこたぁねえ。いつも通り世界の核を抜いて来いってこった」
「今日の夕方に裏の倉庫に置いてある世界核分離装置を持って異界港に行け。OK?」
「一応これは世界調和機構からの依頼でな。協力者がいるだろうから協力者の手伝いしておけばボーナスが出るようだ。ま、暇なら手伝いな」
「じゃ、頑張ってこいよ。いい報告を期待してるぜ」
演出:PC④がカウンターを離れ、裏へと行くところでシーンを終了。GMはPC④に「コネ:ファー・ニンデス 影響力:2 関係:友人」を与える。
Op.3「カフェ『モトチカ』」
シーンプレイヤー:PC③
説明:PC③は友人であるアレイスター・C・ベアトリーチェに呼び出され、世界調和機構内のカフェテリア『モトチカ』へと足を運ぶ。PC③がカフェに入ると、アレイスターがPC③に声をかける。
セリフ:アレイスター・C・ベアトリーチェ
「待っていたわ。PC③。こっちよ」
「これよりあなたに予言を託します」
「舞台となる世界は『テンゲル大風原』。この世界が異界衝突によって滅びます。ですので、あなたはPC②、PC④、PC⑤と協力して先に滅ぼしてほしい。いいわね?」
「(PC③が了承する)いい返事。異界渡航の手続きは済んでますから今日の午後に異界港に集合すること。いいですね?」
「(PC③が拒否する)んー。私の予言にあなたの名前が出てるから抵抗は無駄よー。素直にいかないと周りに被害が出るから諦めていきなさい」
「あと、『運命絶対教』のレイン・キリサキが変な工作をしているわね。止めないといろいろ面倒よ」
「と、いうわけで頼んだわ。大丈夫、あなたたちならなんとかできるわ」
演出:PC③がアレイスターに笑顔で送り出されたところでシーンを終了。GMはPC③に「コネ:アレイスター・C・ベアトリーチェ 影響力:2 関係:友人」を与える。
Op.4「運命絶対教丹東海エグゼクラグア神殿」
シーンプレイヤー:PC⑤
説明:PC⑤は『丹東海エグゼクラグア』という異世界の運命絶対教の神殿に単身で来ている。周囲にはおびただしい数の死体。すべてこの世界で住民で、運命絶対教の信者だ。この異世界は衝突の危機に瀕しており、PC⑤はこの世界を滅亡させるために来ていたのだが、運命絶対教の執拗な妨害により世界核の抽出および住民の脱出はほとんど出来ておらず、近くで活動していた“異端者”巽・カルマインと協力し、カルマインの異界常識で強引に滅亡させることで衝突を回避しようとしている。
セリフ:巽・カルマイン
「まったく、馬鹿な連中だ。命あっての物種だろう。こいつらが見ていた“運命”とやらは視点の一つにすぎんというのにな」
「運命というレールを引き直すのには確かに力がいる。だが、逆に言えば力があるモノに相応の出力を出してもらえば引き直せるもんだ。まあ、無知は罪とも言うしな。自業自得だろう」
「しかし、それを意図的に教えないっつーのは悪質だ。レイン・キリサキといったか。ここで活動していた司教様は早々に逃げたらしい」
「あと少しでこの世界も終わる。おめーはこれの後始末をつけてこい。ちょうど調和機構の方から情報が来てるぞ」
演出:セリフののちにカルマインはPC⑤に簡易異界脱出港を渡し、PC⑤がそれを使って脱出したところでシーンを終了する。GMはPC⑤に「コネ:巽・カルマイン 影響力:2 関係:同僚」を与える。
Op.5「テンゲル大風原・大アジーラ下町街道」
シーンプレイヤー:PC①
説明:PC①は旅行で来ていたテンゲル大風原唯一の王国『アジラテンゲル』の王都、『大アジーラ』の下町で歩いている。日も落ちており、通りを照らしているのは手持ちの明かりと酒場から漏れる明かりのみである。
そうやって歩いていると別の通りから喧騒が聞こえてくる。すると横道から一人の少女が現れ、PC①の目の前でこける。それを追って現れる白を基調とした『運命絶対教』の信徒の3人の男。少女は慌てて起き上がり、異国の服装をしたPC①を見るととっさに背後に隠れ、「助けてください!」とPC①に頼み込む。PC①が返事をする前に3人の男が襲い掛かってくるので戦闘になる。
En.運命絶対教の下級信徒(p.161)
戦闘プラン:接近して殴る。誰か一人でもやられた場合、残りの二人は引き上げる。また、1ターンの間に一度も攻撃が当たらなかった場合は全員引き上げる。
補足:《英雄》を使用した場合、下級信徒三人は「対英雄結界符」を使用し、自身の行動で即座に「逃亡」を宣言し、次のターンに撤退します。また、少女は《英雄》の対象になりません。
戦闘開始時の台詞:その娘をよこしてもらおうか。
捨て台詞:く、くそっ。覚えてやがれぇ!
男たちが逃げていくと助けた少女が駆け寄ってきて名乗り、礼を言う。
セリフ:アニー・リィーイン
「あ、あの、助けていただいてありがとうございます。異国の方…ですか?」
「(PC①がそうだと答える)そうですか! やっぱり、この国の人にしては服がちょっと独創的でしたから、もしかしたらと思ったんです」
「(PC①が違うと答える)そう、ですか…?にしては服がちょっと独創的と言いますか…まあ、いいです」
「私の名前はアニー・リィーインといいます。無茶を承知でお頼みします。私が安全な場所に行くまでの護衛をしてはいただけませんか?」
「(PC①が了承する)本当ですか!ありがとうございます、PC①さん!」
「(PC①が報酬を要求する)そうですね…この指輪は、どうですか?」
※拒否した場合はPC①のミッションを取り上げることを宣告しておくこと。
「(PC①が拒否する)そう、ですか。わかりました。ご迷惑をかけて申し訳ありません。それでは」
※GMはPC①からメイン・サブの両方のミッションを取り上げること。
※指輪に関してはPC①は「推奨能力:直感」「使用技能:異界知識or捜査鑑定」「目標値:15」で判定を行わせ、成功した場合以下の情報が得られ、さらに「サブミッション:指輪を価値がわかるキャラクターのもとに届ける」が得られる。
Item:王家の指輪
種別:防具/装飾品/世界核 装甲値:±0 移動値:±0 回避値:+1
特殊能力:世界意志の顕現
解説:アジラテンゲルの王家に伝わる指輪。異世界からの漂流物であり、世界核である。しっかりとした自我があるが、指輪自身が他者と意思疎通する手段を持たないためあまり意味はない。ただし、持ち主の取捨選択はするようで、この特殊能力はアニーが装備していなければ発動しない。また、この指輪は宝物庫のカギにもなっている。
演出:PC①が依頼を受けた場合はアニーはPC①の手を引いて街道をかけてゆき、受けなかった場合はPC①にお辞儀をした後に一人でどこかへ走ってゆくところでシーンが終了する。PC1が依頼を受けた場合、GMはPC①に「コネ:アニー・リィーイン 影響力:2 関係:依頼主」を与える。
◎活動フェイズ
Mp.1「第一多目的異界港」
シーンプレイヤー:PC②
説明:PC②、PC③、PC④、PC⑤が合流し、共に「テンゲル大風原」に向かう。必要ならば、合流までの過程をそれぞれに演出させてもよいだろう。合流した後にカウンターの誘導員サイボーグ、ZX-1129から指示を受ける。
セリフ:ZX-1129
「PC②、PC③、PC④、PC⑤、集まりましたね。それでは皆さんに現地について少しレクチャーをば。いいですか?」
「「テンゲル大風原」には大きな特徴として「空を泳ぐ」というものがあります(CL1《空を歩く》相当)。現地には様々な生命体が存在しますが、意思疎通が図れるのはヒト種位ですね。文化レベルは中世。ヒト種には手回しが必要ですが、他の生命体については誘導すればどうにかなるでしょう。ヒト種の活動規模は小ですので、気楽に行っていいと思われます」
「現地では(PC①の基礎クラス)格の協力者がいるそうです。協力者にも目的はあるので皆さんで手助けをしてあげてください」
「また、運命絶対教の信者による活動も見られますが、まだまだ本格化はしていないようです。早期決着が望ましいでしょう」
「他に何か質問はありますか?ないならば4番ポートへお向かいください。」
(ZX-1129は詳しいことは知りません。GMが教えなくてもいいと思ったら言わなくてもよい。また、今回のシナリオに関係ない質問は適当にあしらいましょう)
演出:ZX-1129から説明を受けた一同は4番ポートへと向かった所でシーンを終了する。
Mp.2-1 「神聖な場所・風誕之原」
シーンプレイヤー:PC①
説明:PC①がアニーの依頼を受けた場合のシーンである。アニーに連れられ、PC①は非常に風の強い草原にやってくる。そうげんをだいぶ歩いたところでアニーが人サイズの白い金魚が空を舞っているところを確認すると、PC①に安全であることを教えて腰を下ろします。PC①が理由を尋ねると「この白い金魚は神聖な生き物であり、邪念を持つ者に対して裁きを下すこと」「王族の人間は白い金魚に無条件で守られること」などを答えます。そこで、突如空が割れ、アニーが動揺している間に割れ目から一人の真っ赤なジャケットに黒いズボンをはいた女性が現れ、二人の目の前に落ちてくる。女性は九蓮内・真理愛を名乗り、一方的に話しかけてくる。
PC①は九蓮内・真理愛について知っていてもよい。その場合は、GMはルールブックのp.148の事柄を説明すること。
セリフ:九蓮内・真理愛
「そこにいるのはアジラテンゲル第一王女のアナスタシア・アジーラとイレギュラーズのPC①であってるかしら?私は九蓮内・真理愛。あなたたちに話が合ってきたわ」
「大事な予言を1つと、あなたたち二人にしかできない一つの使命を通告するわ」
「この世界は2週間後、余所の異世界と衝突することによって滅亡します。衝突を回避するためにもこの世界を滅ぼす必要がある。だから、あなたたち二人はこの世界が滅びる前にこの世界の住民を逃がすこと。いい?」
「あと1時間後ぐらいに協力者がこの世界を滅ぼしにやってくるわ。協力し合って事に当たるといいわ」
「さて、質問はある?私もさっさと仕事を始めないといけないけど、質問を答える時間ぐらいならあるわよ」
「(九蓮内・真理愛について)私?私は生命の守護者にして世界の破壊者を名乗らされているただの人間よ。仕事は世界を滅ぼすこと。趣味は世界を救うことね」
「(アナスタシア・アジーラ(アニー・リィーイン)について)あら、彼女名乗ってなかったのかしら?彼女はこの世界の「英雄」にしてアジラテンゲルの第一王女。彼女が運命絶対教の信者に狙われた理由は単に邪魔になったからね。あいつら暇人だし」
「(協力者について)名前はPC②、PC③、PC④、PC⑤ね。彼らは異世界の衝突を防ぐためにここにやってくるわ。この世界の滅亡は彼らの頑張り次第。ま、手が空きそうなら手伝ってあげるといいわ」
「(真理愛の仕事について)仕事?なに、ちょっとこの世界の衝突先の世界を滅ぼしてくるだけよ。向こうの方が大きいし、その分運命絶対教の奴ら蔓延ってるからね。これ以上の戦力をこっちに裂かれないためにも私が派手にやろうってことになってるの」
演出1:PC①が関係のない質問や、その後のシナリオに関わりそうな質問をしてきた場合は、アニーが正気を取り戻して真理愛に質問攻めを始める描写などを入れ、割り込ませるとよい。また、PC①の質問がなかった場合もアニーが正気を取り戻して質問攻めを始める描写を入れること。しばらくするとアニーは世界の滅亡を避けようもないものとして諦め、真理愛に言われた通り住民を逃がす決意をする。
セリフ:アニー・リィーイン
「わかりました…。私は、私のできることをやります。ですから、PC①さん。私に力を貸していただけませんか?」
「(PC①が了承する)ありがとうございます。とりあえず、真理愛さんの言う協力者が来るのを待ちましょう」
※PC①が悩んだり、拒否するそぶりを見せた場合は真理愛が協力した場合の報酬を出すと宣言すること。
セリフ:九蓮内・真理愛
「話はまとまったみたいね?じゃあ、後はよろしく頼むわ。2週間、きっちりとがんばるのよ?」
演出2:真理愛はそう言い残すと、空いたままの空の隙間まで飛び上がり、中に消えてゆく。しばらくすると、空いていた隙間も重い音とともに閉まったところでシーンが終了する。
Mp.2-2 「大アジーラ・下町酒場」
説明:PC①がアニーの依頼を受けなかった場合のシーンである。PC①が情報収集をしに来た酒場で、ついでにカウンターで食事をとっている。妙に空気が重く感じられる中、PC①同様あまりこの世界に似つかわしくない真っ赤なジャケットに黒いズボンを履いた女性がPC①の隣に座る。PC①の隣に座った時点で女性「九蓮内・真理愛」はPC①に対して次の専用異界常識《絶対停止標識》を使用する。
『専用異界常識《絶対停止標識》:CL1:1ラウンドに1回、シーンに登場している任意のキャラクターを対象として任意のタイミングで使用できる。対象のDC値を0、CLを1にし、そのシーンの間、対象はいかなる効果を受け付けず、DC値とCLは増加しなくなり、さらに自身の行動を常に放棄しなければならなくなる。この効果はいかなる効果によっても無効化されず、解除されない。』
使用した後、酒場のマスターに飲み物を頼んだ後PC①に一方的に話しかける。
セリフ:九蓮内・真理愛
「いやぁPC①。運命は抗ってなんぼだけど、だからって何から何まで抗うのは賢くはないね。とりあえず、かわいい女の子の頼みぐらい聞いてあげなさい」
「さて、この件はあなたは無関係とは言えないわ。なにせあの子、実はこの国の王女様なんだけどね、彼女を救い出せるのはあなたしかいない。つまり、あなたがここで逃げたら彼女は死ぬの。わかる?」
「なぜそんなことが言い切れるのかって?予言よ。信頼できる、人の生き死にに関してはほぼ絶対といっていいほどの的中率を誇る私の友人のね」
「予言の内容はこう。テンゲル大風原の英雄、アナスタシア・アジーラは一週間後に王城地下にて国王ともども処刑される」
「普通の人間はこの予言に対して抗えない。しかし、私やあなたのような力のある者が相応の出力を出せば、この予言はしっかりと覆せる」
「私は別件でこの件にかまっていられないの。だからPC①、あなたに要請するわ」
「どうか、彼女を、アジラテンゲルの第一王女、アナスタシア・アジーラを救いだして、守ってほしい。報酬は出すわよ?」
※ここでGMはPC①に「メインミッション:アナスタシア・アジーラを救い出し、守りきる」を渡す。
「ま、やるかどうかはあなた次第だけどね。でも、あなたの行動に一人の少女の命がかかっていることを忘れないで」
「もしやるというのなら、今日の昼の4時にここから南西に2㎞のところにある草原に協力者が現れるわ。彼らにも目的があるから、助け合うといいわ」
「さて、私は私のやるべきことをするわ。マスター、お代はこっちの人に」
演出:真理愛が酒場を出ていくとPC①は動けるようになる。PC①はしっかりと真理愛の飲み物のお代も払わされ、シーンを終了する。
Mp.3「風誕之丘、異界集結」
説明:風誕之丘に異界の門が現れ、PC②、PC③、PC④、PC⑤が現れ、PC①と合流する。ここで交流を図るといいだろう。このタイミングでサブミッションが1つ以下のPCはPC①以外のPCのサブミッションを1つ自身のサブミッションに追加することができる。全員が追加し終えたところでシーンを終了する。
●ここからPC達は自由に行動できる。PC一人につい一回、自身がシーンプレイヤーのシーンを挿入することができる。
GMはPC達が行動にまごついていた場合は以下の行動を提案して誘導するとよいだろう。
・ヒト種の退去誘導。
・ヒト種以外の生命体の退去誘導。
・運命絶対教の活動調査。
・アニー・リィーイン(アナスタシア・アジーラ)について。
※PC①がアニーの依頼を受けていないときは『・アナスタシア所在調査。』を追加する。
●ヒト種の退去誘導
住民の有力者を説得する:「推奨能力:知力」「使用技能:交渉説得」「目標値:25」
GMはPCの発言次第でこの目標値を減少させてもよい。また、アニーがいれば判定をせずに成功したものとして扱う。成功した場合、有力者は説得に応じ、移民のための準備を始める。その後、同一シーンで以下の戦闘を行うこと。
○運命絶対教の妨害
PCたちの活動を聞きつけた運命絶対教の信者がPCたちに襲い掛かってくる。
En,運命絶対教機動部隊の隊員(“運命絶対教の騎士(p.163)”×1&“テスラソナタの末端構成員(p.163)”×3)
戦闘プラン:“運命絶対教の騎士”が前に立ち壁となって近づく者を殴り、“”が後ろから適当なキャラクターに射撃攻撃を加える。騎士が倒された段階で後衛は「逃亡」を宣言すること。
戦闘開始時の台詞:運命を受け入れぬ愚か者どもめ!ここで成敗してくれる!
捨て台詞:な、なんだと!?撤退だ!
運命絶対教の信者を退けると、住民たちは無事に脱出の準備を始める。
●ヒト種以外の生命体の退去誘導
的確な誘導を行う:「推奨能力:敏捷」「使用技能:集団統率」「目標値:25」
GMはPCのロール次第でこの目標値を減少させてもよい。
成功すると、無事に退去させることができる。
●運命絶対教の活動調査
聞き込み調査:「推奨能力:幸運」「使用技能:情報収集」「目標値:25」
GMはPCのロール次第でこの目標値を減少させてもよい。
成功すると、以下の情報が得られる。
○運命絶対教の現在の活動
運命絶対教の信者は大人数で王城を制圧しており、宰相に取り入り、他の要人を地下牢に閉じ込めている。イレギュラーズの妨害をいつでもできるように上空の監視員を洗脳し、警戒させている。ただし、対英雄結界符を持っている信者は極一部しかいない。
●アニー・リィーイン(アナスタシア・アジーラ)について
聞き込み調査:「推奨能力:知力」「使用技能:異界知識」「目標値:18」
成功すると、以下の情報が得られる。
○アニー・リィーイン(アナスタシア・アジーラ)の能力
基種:英雄、戦種:統率者、職業:王族、種族:人間
ヒトを指導することに長け、その言葉には熱量を帯びるという。ただし、自身の能力として認識できていないようで扱いきれていない。
テンゲル大風原の英雄であるため、その世界の住民たちは彼女の言葉は素直に聞き従う。運命絶対教の信者たちは国王を人質にとることで彼女を従わせようとするが、国王の命令で逃亡。よって、彼女のメインミッションは「父親を救出する」である。また、九蓮内・真理愛よりこの世界が滅びから免れることができないと聞いている場合は、サブミッション「この世界の住民を避難させる」が追加される。
●アナスタシア・アジーラの所在調査
足取り調査:「推奨能力:直感」「使用技能:捜査鑑定」「目標値:20」
成功すると、アナスタシアの所在が分かる。
○アナスタシアの所在
Op.5でPC①と別れた後、アナスタシアは運命絶対教の信者の手に落ち、現在は王城の地下牢に幽閉されている。
※PCたちの行動が一巡したとき、運命絶対教に関する情報が集まっていればクライマックスへと移行する。また、確認のサブミッションの達成状況によってGMは追加でPCに行動を与えてもよい。
◎決戦フェイズ
Cp,「アジラテンゲル王城」
説明:運命絶対教の拠点を特定したPC達は直接王城へと向かう。
・どこから入っても演出に変わりはないが、そのことをPCには伝えず、どこから入るかをPCに話し合わせること。
・アニーがいる場合は「○前哨戦」で戦闘を行わず、「○本隊戦」での「●地下牢への道の捜索」の判定を行わなくてよい。
・アニーがいない(地下牢に囚われている)場合は以下の戦闘が起こる。
・また、事前に王城の地図について確認したいという場合は「推奨能力:幸運」「使用技能:物資調達」「目標値:45」の判定で成功した場合、手に入れることができ「○本隊戦」を回避できる。
○前哨戦
En,警備兵(運命絶対教の下級信徒(p.161)×2)
戦闘プラン:接近して殴る。なお、「対英雄結界符」は所持していない。
戦闘開始時の台詞:な、なんだおまえら!
戦闘に勝利し、この二人を尋問すると地下牢への道とレイン・キリサキのいる王座のままでの道、本隊の詰所どころを聞き出すことができる。聞き出した場合は「○本隊戦」を回避できる。
○本隊戦
En,運命絶対教の騎士(p.163)×150
戦闘プラン:PCとは50m離れた位置からスタートする。すべてのPCに人数が均等に割り振られるように接近する。近づいたらあとはひたすら殴る。なお、「対英雄結界符」は持っていない。
戦闘開始時の台詞:居たぞ!仕掛けろ!
補足:GMはプレイヤーに「●地下牢への道の捜索」を提案すること。
戦闘に勝利した場合、騎士を尋問することで地下牢への道とレイン・キリサキのいる王座への道を聞き出すことができる。
●地下牢への道の捜索
王城の構造、もしくは設計者の癖を推理する:「推奨能力:直感」「使用技能:推理論証」「目標値:30」
成功した場合、「○本隊戦」の戦闘において「逃亡」に成功した場合に地下牢へとたどり着くことができる。
○地下牢
地下牢にたどり着くと、囚われた国王「ゲイル・アジーラ」がいる。国王の描写は各々のGMに任せる。
セリフ:ゲイル・アジーラ
「なんだね、君たちは…」
「(アニーがいる場合)おお!アナスタシア!まさか助けに来てくれたのか?」
「君たちがアナスタシアを助けてくれたのかな?すまないね、娘が世話をかけたようだ」
「奴らの頭目は王座にいる。できれば自分の手で何とかしたいんだがな、異世界の技術の相手というのは私には荷が重いようだ。差し出がましいようだが、どうかひとつ奴らの退治を頼まれてくれないか」
「すまない、城からの脱出は一人でもなんとかなる。だから、私のことは気にせず、思いっきりやってくれ」
「(アナスタシアがいない場合)見慣れない格好のようだが、奴らとは別のようだな。アジラテンゲルの国王、ゲイル・アジーラに何か用かね」
「(アナスタシアの所在について聞く)ふむ、興味本位で聞くが、わが娘の所在を言いてどうする?」
「まあいい。娘は奴らに連れられて行ったよ。推測にすぎないが、王座の間であろう。あそこには王家の者しか知らぬ宝物庫へと繋がる隠し通路がある。あの通路を通るためにはアナスタシアの持つ指輪がいる。あの指輪はアナスタシアの意思でしか外すことができん。つい30分ほど前に出て行ったから、まだ時間はあるだろう。追うというなら急ぐといい」
「娘を頼む。ついでに牢屋のカギも壊しておいてくれると助かるんだが…」
演出:ゲイルを牢屋から出すと「○王座決戦」へと移行できる。
○王座決戦
王座の間にたどり着くと王座でふんぞり返っているレイン・キリサキとさえない容貌の宰相がいる。レインはPCたちを見ると驚き、宰相は慌てふためき始める、
セリフ:レイン・キリサキ
「んー、なんだおめぇら…っておい、イレギュラーの奴らじゃねえか。警備何してんだよおい」
「まあ、暇してたとこだしな。ちょっとストレス解消にぶっ潰してやんよ」
「(アナスタシアが囚われていた場合)あぁん?王女様ならそこで寝ていやがるぜまったく。どっかのバカが強力な鎮静剤打ち込んだせいで意識も一緒に飛んでやんの。おかげで作業がちっともすすまねぇ。くそが。いっそ殺しちまうか」
「このままじゃ多勢に無勢にされちまうからな。だからこっちも秘密兵器を使わせてもらうぜぇ」
演出1:レインが指をはじくと天井を突き破ってえらく歪な外観を持つ巨大なロボットが現れる。その際、宰相がロボにつぶされてしまう。
セリフ:レイン・キリサキ
「あひゃひゃ、つぶされてやんの。まあ、どうせ死ぬことにゃ変わりなかったからな」
「さあ行くぜ、イレギュラーズ。ラストダンスだ!」
※セリフと同時にレインは歪な巨大ロボをPCたちに向けて投げ放ったところで戦闘開始。
En.レイン・キリサキ
基種:破壊者 戦種:舞踏師 職業:異端審問官 種族:闇人
能力値: 肉体:5 筋力:12 魂:3 器用:2 運命:2 直感:6
敏捷:1 知力:4 幸運:1
最大生命点:135 戦闘速度:10 移動距離:15m CL上限:8
習得基本技能:【演技舞踏】1 【白兵攻撃】5 【危険察知】1 【異界知識】2
専門技能:《世界の敵》、《死の行進》、《殺陣》1、《乱打》2、《対英雄之証》、《攻撃力増強》3、《生命点増強》2、《復活》2
異界常識:CL1:軽い体 CL3:剣の囁き CL5:根源の魔力
装備アイテム:
歪なナイフ:種別:武器/剣 威力:5 命中値:1 防御値:2 射程:至近
T字のナイフ:種別:武器/剣 威力:5 命中値:1 防御値:2 射程:至近
異端審問官強化服:種別:防具/服 装甲値:5 移動値:±0 回避値:2
鉢巻:防具/帽子 装甲値:3 移動値:±0 回避値:±0
髪飾り:防具/装飾品 装甲値:2 移動値:±0 回避値:1
En.歪な巨大ロボ
固定能力値:10 固定DC値:10
最大生命点:300 戦闘速度:2 移動値:7m
習得基本技能:【白兵戦闘】10
専門技能:《固定能力値》10、《固定DC値》10、《一掃攻撃》1、《固定CL》1、《吹き飛ばし》2、《対英雄之証》
異界常識:暴走回路:CL1:自身の生命点が【最大生命点】の3分の1以下になった時、もしくはレイン・キリサキが「状態異常:戦闘不能」になった場合、このキャラクターの基本技能のSLを二倍にし、装備しているアイテムの威力を3倍にする。
装備:鉄拳 種別:武器/盾 威力:10 命中値:±0 防御力:5 射程:至近
鋼鉄の肉体 種別:防具/鎧 装甲値:20 移動値:±0 回避値:-5
戦闘プラン:レインのDC値とCLの初期値はDC値が8、CLは5である。また、戦闘の配置はPCの中に巨大ロボ、20m離れてレインがいる。レインは攻撃を受けるか、接近されるまで自身の行動を放棄する。至近に存在するPCの数が2以下の時は《乱打》、3以上の場合は《殺陣》と使い分ける。巨大ロボは《一掃攻撃》で攻め、防御役が邪魔だと感じたら《吹き飛ばし》を使うとよい。
二体とも戦闘不能になった時、戦闘を終了し、邪魔が入らなくなったため無事に世界核を抽出できるようになったことをPCに伝え、エンディングへと移行すること。キャラクターによってはGMが自由に演出してもいいかもしれない。
◎結末フェイズ
En.1「世界調和機構」
説明:PC②は無事にテンゲル大風原を滅亡させることが出来たことをアルバースに報告する。PC②の働きは評価され、ねぎらいの言葉とともに数日の休暇をもらう。
セリフ:アルバース・グローリー
「無事に世界を滅ぼすことが出来たようだな。ご苦労であった、PC②」
「君の働きはしっかりと評価されている。というわけで、数日ではあるが君の有給を許可をしよう。しっかりと骨を休めるといい」
「私からは以上だ。質問はあるかね?」
「テンゲル大風原の住民たちの移民作業は着々と進んでいる。あと数週間もすれば済むだろう」
「よろしい。では、解散だ」
演出:PC②が部屋から退室したところでシーンを終了する。
En.2「PC④の自室」
説明:PC④の通信端末にファー・ニンデスから通信が来る。依頼達成に対するねぎらいと報酬の受け渡しの話をする。
セリフ:ファー・ニンデス
「無事依頼を達成できたみてーだなPC④。今度安い酒をおごってやるよ」
「報酬の件だが、一度こっちに出向いてこい。手渡しだ」
「ピンハネはしてねぇから安心しろ。んじゃ、待ってるぞ」
演出:PC②が報酬を受け取るために自室から出たところでシーンを終了する。
En.3「カフェ・モトチカ」
説明:PC③は再度アレイスターに呼び出される。アレイスターはいつもと変わらぬ笑顔をPC3へと向け、いつもの台詞を吐く。
セリフ:アレイスター・C・カッサンドラ
「待っていたわ。PC③。こっちよ」
「これよりあなたに予言を託します」
「迷惑かもしれないけれど、でも予言が出ているから仕方のないことなのよ」
「まあ、私と関わっているからなのはわかりきったことではあるけどね。じゃあ、行きますよー」
演出:新しい予言をPC③に託し、PC③を笑顔で送り出したところでシーンを終了する。
En.4「異界情報センター」
説明:レイン・キリサキを撃破し、ついでに報酬を受け取って一息がついたPC⑤はレイン・キリサキがほかの世界でまた出没したという話を聞いて、世界調和機構内にある異界情報センターに飛んでくる。すると、巽・カルマインから通信端末に連絡が入る。
セリフ:巽・カルマイン
「おいPC⑤。この前、レイン・キリサキをきっちり倒したっつてたよな?本当かあれ」
「あいつ生きてるぞ。肉眼で見たから間違いねー」
「絶対あいつ妙な異世界抱えてやがるな…今から情報を送る、あいつをとっちめるのにちょっと力を貸せ」
演出:どうやらPC⑤が一息つけるのはまだまだ先のようだ。
En.5「テンゲル大風原・夕焼けの草原」
説明:時間をさかのぼってPC①は滅亡する直前の風誕之丘にアニーと一緒に来ている。アニーは草原に座り込んで、赤い夕陽を見つめる。世界の所々が欠け始めているためここにいられる時間はそんなに長くない。
セリフ:アニー
「この風景も見納めですね。子供の頃からずっと見続けていた風景ですが、もう見れないと思うとやっぱり切ないですね」
「さて、いつまでも過去に浸ってる場合じゃありませんよね。行きましょう。新しい、世界に」
「新しい世界に行っても、どうか導いてはくれませんか?」
演出:二人で異界脱出装置に入ったところでシーンを終了する。
●終了処理
GMは各PCのメインミッション・サブミッションの成否についてチェックをつけること。
また、以下のシナリオボーナスをPCに与える。
シナリオに最後まで参加した:1C
他のプレイヤーを助ける行動をした:1C
シナリオの進行を助ける行動をした:1C
「○運命絶対教の妨害」において1体も「逃亡」させずに勝利した:2C
「○本隊戦」で「逃亡」しなかった:5C
初めて手にとったTRPGのルールブックは何でしたか?
私はソードワールド(無印)文庫版でした。
では2番目は?
私はガープス・ベーシック文庫版でした。
キャラクターの作成に自由度があるゲームは大好きです。なのでそれを目指した結果なのですが、自由度が高いのとバランスが悪いのは比例関係であるということが骨身にしみました。あとキャラクターの作成に時間がかかる上にキャラクター作って満足してしまうんですよね。ガープスなんかが特にそうです。
一応サプリメント的なものも作ってますが、公開するかどうかはおいおい考えます。