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No Title  作者: ころく
42/85

No.41 The day when it rained by3







「も、モユ……? おい、モユ……返事しろって。ほら、目ぇ開けろよ」


 泥だらけで、血まみれになって汚れた服。

 細くて、軽くて、小さな身体。

 軽く揺らして声を掛けても、返事は無い。


「こんな時まで無愛想じゃなくていいんだって。ほら、起きろ」


 もう一度、膝に乗せた身体を揺らしてやる。

 だってほら、握ってる右手……まだ温かいんだぞ。

 たった今まで、喋ってたんだ……。

 今日だって普通に、人のアイスを食ってたんだぞ……!


「起きねぇとお前の、アイス……食っちまう、ぞ……なぁ、モユ?」


 名前を呼んでも、身体を揺すっても、大好きなアイスを出しても。

 何も、言わない。


「俺の分も、食っていい……から……」


 こんなに汚れて。こんなに傷付いて。こんな姿になって。

 これで、死んでるってのか……?

 こんな簡単に、人が死ぬってのか……?

 いつもとなんら変わらない表情で、モユは死んだって言うのか……!?


「モ、ユ……く、ぅぅ……!」


 その小さい身体を、強く抱き締める。

 こんなに小さい子が、まだ知らない事が一杯ある子供が……。

 アイスが大好きな、他となんら変わりの無いモユが……。

 なんで死ななきゃならないんだ!




「うわぁぁぁぁぁぁ!」




 叫ぶ。ただただ、天に向かって咆哮ぶ。

 まただ、また俺は間に合わなかった。

 また俺は、一緒にいてやるべき時にいなかった。

 何も変わっていない。

 三年前から、俺は何をしてきた。何をしていた。同じ事を繰り返して、同じ事を悔やんで、同じように大切な人を失って。

 ごめんな、モユ。

 意味の無い事だと解っていても、謝るしかない。

 モユの頬に付いた泥を拭き取って、せめて顔だけでも綺麗にしてやる。


「今夜は雨が降って静寂しずかじゃないから、安心しておやすみ」


 そっとモユを寝かせて、優しく額を撫でる。


「ん? お涙頂戴劇は終わったんか? 長くて肩が凝ってもうたわ」

「ハッ、なら無視して横槍入れりゃ良かったじゃねェか」


 コウは大剣をアクセサリーに変え、それをテイルに投げて渡す。


「何言うとる。俺はそないな野暮せんわ。特撮ヒーローの変身は終わるの待つのと同じや」

「んっだ、そりゃ?」


 意味解んねェ、と呟いて、コウは根を肩に乗せる。


「……どっちだ」

「あァん?」

「どっちがモユを殺したァァ!」


 立ち上がって、怒りを露に叫ぶ。


「あ、それ俺や、俺」


 はいはい、と言いながら、テイルは挑発するように挙手する。


「てぇめぇぇぇ!」


 怒気と敵意を剥き出しにした雰囲気を爆発させ、テイルを睨み付ける。

 直後、奴に向かって疾走。


「ほっ! なかなかええ雰囲気しよるわ、ほんま!」


 タバコを吹かせて、テイルは楽しそうに笑う。

 その態度がまた、一層気に入らない。

 人を殺して、モユを殺しておいて……他人事のようにしているこいつが、気に入らない!


「うぉぉぉっ!」


 骨が軋む程に強く握り、テイルの顔面を目掛けてパンチを放つ。

 実力差があろうが、コウも居ようが関係無い。

 今はこいつを、モユを殺した奴を許せない!


「――――けど、甘いなぁ」


 しかし、パンチは掠りもせずに外れた。


「ッ、あぁぁぁぁ!」


 だが、だからと言って攻めるのは止めない。

 モユを苦しめたこいつを、命を奪ったこいつを!

 仇を取らなきゃモユも報われねぇ!

 掌打、ボディブローと繰り出すも、それも軽々躱される。


「もうちょい鍛えてから出直してきぃ!」


 その台詞の直後。

 腹部に強烈な衝撃と、鈍痛は走った。


「ぶっ――――!」


 後ろ回し蹴り。

 しかも、ボディブローに合わせてカウンターで喰らわせてきた。

 身体ごと大きく吹っ飛ばされ、社の前で転がり落ちる。


「がっ、ふ……」


 中で内臓が暴れ回ってるんじやないかと思える程、激痛が腹に響いている。

 胃液が逆流してきそうだ。


「く、そっ……!」


 何も、出来ないのか……?

 あの時と同じで、見ているだけなのか……?

 事実を受け入れないで、現実から目を背けて、真実から逃げて。

 また、大切な人を失って――。


「まだ、だ……まだやれ、る」


 地面に伏せていた身体を起こして、左手で口元を拭う。


「俺は、まだ――――」


 その、左手。

 左手だけじゃない。右手も、そうだ。

 べっとりと、赤いモノが付いていた。

 塗りたくるように、染め上げるように。


「――――ぁ、あ」


 赤い、紅い、アカイ、赤茶い。手が、視界が赤くなっていく。

 全てが、見るもの全てが紅い。


「咲月ィィ、今日こそブッ壊す!」

「病み上がりの癖に何言うとる。今日はリハビリで出て来たんやろが。また返り討ちされて寝たきりなりたいんか?」

「関係ェ無ェ! 奴はブッ殺すって決めてんだ!」

「ええから、我慢せぇ。今日はリハビリなんやから無理は禁物や。それにどうせ、決着なら近い内に付くやろ」

「……ハッ、そういやそうか。解ったよ、二人同時に食ッた方が腹ぁ膨れるからな」

「やったら、早う散らばっとるモンを拾うで」

「あん!? あんなゴミ、捨てときゃいいだろうが」

「あかん。下手にモノを与えると、あいつに何を掴まれるか解らへんからな。俺はガキを回収するさかい、お前はあっちの二等分された二人頼むわ」

「チッ、わあったよ」

「っちゅう訳で咲月君、今日はここまでや。今度は……ん?」


 赤い。暑い。紅い。熱い。アカイ。アツイ。

 身体が、熱い。燃えるように、アツイ。


「――燃え、る……?」


 視界が燃える。真っ赤に、燃える。

 あの、夢のように……?


 ――――そうだ、燃える。


 あの夢のように、燃える。

 あの夢と同じで、燃え盛る。


「なんや……空気が、熱い? いや、ちゃう……これは、咲月君の雰囲気かっ!?」


 木を焼いて、空気を熱して、地を焦がして、空を燃やして。

 大事な人も、大事な物も、大事な思い出も……。


「……だ」


 失ってしまうのも。

 無くしてしまうのも。

 居なくなってしまうのも。


「――――俺はもう、嫌だ!」


 立って、叫ぶ。

 ひたすら、天に向けての咆哮。

 熱い、暑い、アツイ、赤い、紅い、アカイ。

 その熱を、外に。その赤を、出して。

 この暑さを、形に。この紅を、放って。



 ――――あの夢と同じく。



「あぁぁぁぁぁぁっ!」


 その全てを、力として現す。

 この全てを、形として放つ。



 ――――俺が、燃える。



「うぁぁぁぁぁぁっ!」


 赤、紅、アカ、赤茶あか

 どれとも違い、どれとも同じ。

 掌から盛るは、赤色の火。

 闇を焼き、黒を燃やし、全てを焔る。

 業々たる、その赤炎あか


「スキルに目覚めよったか……! 具象化で、しかも炎ときよった!」


 テイルは驚愕しながらも、この炎に興味を示す。


「テイルゥゥゥゥ!」


 両手に炎を纏い、テイルに向かって疾駆する。


「コウ、お前は先に行っとれ! もうすぐ厄介な奴が来てまう」

「お前はどうすンだよ?」

「適当にあしらってからガキを回収して、すぐ追い掛けさかい!」

「ハッ、わあったよ」


 コウは地面に転がっていた二人の遺体を持って、林の中へ消えていった。


「さぁて、咲月君! 新しい玩具を手に入れて、はしゃぎたい気持ちは解るけどな! 残念ながら、今日は遊んでやる時間はあらへんのや!」


 テイルは腕を後ろに引いて、大きく振りかぶる。

 ひゅん、という風切り音と共に、数本の細い光。


「そんな物ォォ!」


 腕を横に薙いで、炎の波が飛来物を全て飲み込む。

 カラカラと音を立て、炎に包まれたナイフが地面に転がり落ちた。


「……炎かと思たが……何か、違う?」


 その様子を目に、テイルが驚愕と戸惑いの混ざった表情を見せる。


「しかも、なんや……あの胸で紫に光っとるんは……?」

「おぁぁぁぁぁあっ!」


 地に転がって燃えるナイフを眺め、足を止めている隙に間を詰める。

 同時に、右手へ炎を集中。

 こいつは、許さない。モユを殺したこいつは、絶対に許さない!

 毛も、肉も骨も影すら残さない。

 全てを燃やしてやる。

 全部を焼き尽くしてやる。

 その存在を、灰も残さずに消してやる!


「っとぉ、考えとる時間はあらへんか!」


 こちらに気付き、テイルは小さく腰を落とす。

 その顔には、相変わらず余裕の笑み。

 それが更に、俺の怒りを触発させる。


「おぉぉぉぉ!」


 赤炎を纏った右手を、奴に向かって一気に轟払する。

 ゴウ、と空気を飲み込み、闇を屠る。


「おーっととと!」


 しかし、炎はテイルを捉えず、簡単に回避された。


「正直な話、近付かれたら厄介な力やで、ほんま……!」


 空振った炎は誰もいない宙を舞い、ジュッ、と降り注ぐ雨を燃やす。

 だが、回避される事は読んでいた。

 そうそう簡単に攻撃を与えられない事は、百も承知。

 回避されるのを読んでいたなら当然、次の手を仕込む。


「まだだァァァ!」


 先程の攻撃の影に隠していた、左手。

 無論、こちらも燃え盛る赤炎を纏う。

 ゆらゆらと暗闇を照らして、めらめらと静寂を消し去る。

 その炎を拳に宿して、透かさず二撃目を振り放つ。


「左、やと……!?」


 今まで余裕を見せていたテイルに、初めて焦燥。

 先程の攻撃が通常の攻撃ではなく、炎を放っていた為に気を取られ、失念していたのだろう。

 ――――が。


「それも躱しよるんが、俺の凄い所や!」


 また笑みを浮かべて上半身を捻り、紙一重での回避。

 俺が放った二発目は、奴が啣えていたタバコを掠っただけ。


「怒りで新たな力が目覚め、殺された奴の仇を取る……咲月君のスキルの通り、燃える展開ってか! やけどなぁ――――!」


 常人よりも倍はありそうなその豪腕。

 丸太を想像させるその腕を、テイルは握り拳を作って振り上げる。


「そっから大逆転ってのは、少年漫画の中だけや!」


 次の瞬間、頭に大槌が思い浮かぶ程の強い衝撃が腹部を襲った。

 ドム、という重く鈍い音。

 ショートアッパー。

 鋭角に鳩尾を捉えたそれは、容赦無く肉を抉る。


「ぶ、っふ――――」


 激しい鈍痛が、波紋のように内臓へ広がる。

 そのあまりの痛みに腹を手で押さえ、身体は『く』の字に曲がってしまう。


「が、ぁ……あ」


 膝を地に着き、焼け付くような痛みに必死に耐える。

 衝撃は肺にまで至って呼吸が上手く出来なく、開いた口から垂れ落ちる唾液。

 辛うじて意識は保っている。

 いや、意識がある分、腹を駆け回る痛みに耐えなくてはならない。

 気を失ってしまえば、この悶絶してしまう激痛からは解放されるだろう。


「ぎ、ぃ……ぎ」


 だが、それは出来ない。

 この程度で、こんなもんで気絶して、倒れてはいけない。

 あいつはもっとボロボロになって、もっと傷付いて、もっと痛い目に会っていたのに……。

 俺がこの程度で倒れる事は、俺が許さない。


「がぁ、ぁぁぁあっ!」


 まだ痛覚が腹の痛みを訴えてきても、膝が笑っていようと。

 曲がっていた身体を無理矢理に起こし、あの野郎を――――。


「うっさいわ、ボケ」


 見上げて睨むと、見えたのは奴の顔ではなく、黒い物体。


「がっ……ふ」


 その正体は黒い靴の底。

 押し潰すような形で顔面を強く蹴られ、口から空気が漏れ出す。


「戯れ合うとる暇はあらへんねん。大人しゅう……」


 蹴りで視界が歪み体勢を立て直す暇も無く、人よりも大きなその手で額を鷲掴みされる。

 指隙間から見えるは、口を釣り上げた金髪の顔。


「寝とれ!」


 そして、奴の体重を乗せて後頭部を地面へ叩き付けられる。

 ごっ、という鈍い音。


「かっ……!」


 痛みを感じるよりも先に、視界が二重にぐるぐると回る。

 脳が揺らぎ、吐き気に襲われ、気を失いそうになってしまう。

 だが、殴られた腹の痛みがそれを許さない。

 痛覚神経が脳に信号を送り、朦朧ながらも意識を止める。


「さて、面倒やけど回収せな五月蝿く言われるさかい」


 ぱしゃぱしゃと水の音をさせて、声が少しずつ遠ざかっていく。

 空から降り落ちる、雨の音が異様に五月蝿く感じる。

 テレビの砂嵐のように、五月蝿い。


「よっこらせ……ったく、汚くて敵わんわ。っと、片腕ぇブッた切ったんやった」


 まだ、ぱしゃぱしゃと水を弾く音。

 五月蝿い雨音の中で、虫酸が走る雑音が声。

 それが収まらぬ憤怒を煽り、白濁していた意識が覚醒する。


「テ、メェ……」


 仰向けだった身体を俯けに変える。

 意識はあっても、身体のダメージは無くならない。

 未だに回復を見せず、満足に動かす事すら出来ない状態。


「モユ、を……返、せ」


 それでも身体に鞭を打ち、身体を無理矢理に起こす。


「それは出来ひんわ。一度手放したとは言え、一応実験体や。死人に口無し言うても、喋らんだけで情報は持っとるさかい」


 テイルはブレザーの襟元を掴み、モユを乱雑に運ぶ。

 そして、地で雨に打たれていたモユの右腕を拾い上げる。


「それに、死んだら死んだで、ちょいと使い道があるんや」


 プッ、とテイルは啣えていたタバコを吐き捨てる。


「……っと、もう来てもうたか! 思いの外、時間を食ってしもたわ」


 何かに気付いた様子で、テイルの表情が強張る。


「これ以上の厄介事は勘弁や。さっさと帰らな」


 そう呟き、一足飛びで社の屋根へと移動する。


「逃がす、かよ……!」


 ぎしぎしと身体中が軋み、悲鳴を上げている。

 腹の痛みは依然引かず、目眩もして、膝も震える。

 だが、そんな事は知らない。関係無い。


「テメェだけは絶対、に……?」


 がくん、と。

 笑いながらも立っていた膝が、電池が切れた玩具のように力が抜けて落ちる。

 いくら我慢しようと、いくら耐えようと、いくら感情は激昂していようと。

 限界は疾うに、越えていた。

 身体中は地を踏み締める支えを失い、バランスを崩して前のめりになる。


 ――駄目だ。ここで倒れたら、駄目だ。

 倒れてしまったら、多分もう起き上がれない。

 だから、駄目だ。だって俺は、まだ何もしていない……。

 しかし、身体には重力に逆らう力は残っておらず、視界も雨で濡れた地面しか見えていない。

 もう倒れてしまう。

 そう、思った時だった。


「――咲月君!」


 名前を呼ばれ、地面に向かっていた身体は途中で静止した。

 肩を掴まれ、誰かに支えられて。


「大丈夫かい、咲月君!?」


 聞き覚えのある声。


「白羽、さん……?」


 僅かに首を動かして、その方を見る。

 全身を黒に纏った男性が、そこにいた。


「思うたよりお早い到着やないか、白羽」

「テイル、貴様……!」

「いや、結果から見れば遅過ぎか」


 テイルは社の屋根から見下ろし、小馬鹿にするように小さく笑いを吐く。


「アンタの探しもんは、これやろ」


 テイルは襟首を掴み、その小さな亡骸を見せつける。

 まるで、猫や犬を持ち上げるように。


「モユ君!」


 声を荒くして、白羽さんは名前を呼ぶ。

 が、返事は当然、無い。


「言っとくけどな、死んどるで。こいつ」


 左右に腕を振り、モユの身体は抵抗無く揺らされる。


「雰囲気……せぇへんやろ?」


 にんまりと、こちらの反応を楽しむかのように、テイルの口元が歪む。


「モユ、君……!」


 白羽さんの双眸はテイルを睨み付け、歯を軋ませる。


「それとな、禁器……返してもろたで。どうしよか悩んでたんやけどな、楽に取り戻せてラッキーやったわ」

「……」


 けらけらと笑いを見せるテイルに対し、白羽さんは静かに黙って睨み返すだけ。


「そのお礼……てな訳ちゃうけどな、ええ事を教えたるわ」

「折角の申し出だがね。今の私は、お前の話を聞く気はさらさら無い……!」


 あの常に冷静沈着の白羽さんが、怒りを隠しもせずに眉間に皺を作る。

 そして、放たれるは怒気を孕んだ敵意。


「俺かて、そない敵意剥き出しにされても戦り合うつもりはあらへんわ」


 しかし、テイルはそんなのは気にもせずに受け流す。


「ええから聞き。アンタ等に……いや、咲月君にとってかなりの朗報や。聞いて損はせぇへん」

「なんだと……?」


 ぴくん、と微かに眉を顰め、白羽さんは反応を見せる。


「SDCな……次で最後や」

「何……ッ!?」


 金髪は闇夜を背中に、含み笑いを浮かばせる。

 延々と降り注ぐ、雨の中で。


「ま、日時は決まっておらへんが、そう遠くはあらへん。詳しくはいつもみたく手紙を送るさかい」

「待、て……」

「さて、ちょいと長居し過ぎてもうた。俺はこの辺で帰らせてもらうわ。ほな……」

「モユを、返せ……!」


 顔を上げて、テイルに目を向ける。

 満身創痍だろうが構わず、右手の握り拳に炎を纏わせ。

 ろくに動ける状態でないのに、身体の悲鳴も無視して。


「ばいばい、ってか」


 切断されたモユの右腕を持ち、テイルはそれを小さく振って見せる。

 そして、それを最後に。


「テイルゥゥゥゥゥ!」


 赤茶い髪をした少女の亡骸と共に、黒の中へと消えて行った。

 絶叫は虚しく闇夜に木霊し、向け場の無くなった怒りは、悲哀として胸を染めていく。

 喪失感と罪悪感に襲われて、ただただ無情に――――。

 大嫌いな雨が、降っていた。






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