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3、バナ子と街でお買い物をする
街へ着くと朝の10時になっていた。
天候は急激に変化し、雪がふわりと舞い落ち始めていた。
私とバナ子は街の入り口近くの建物の2階にある小さな喫茶店に入って休憩することにした。
窓際の席に案内され私とバナ子はバナナ椅子に腰掛ける。
注文したバナナジュースを飲みながら、雪化粧していく街をバナ子と眺める。
喫茶店を後にし、私とバナ子はバナナベッドやバナナドレス、バナナ結婚指輪などを買い、バナナ宅急便で王国へと送った。
雪で転んだりすると危険なので、帰りはバナナタクシーを拾って帰ることにした。
私はバナナをポケットから出し、空に掲げた。これはタクシーを拾う時の合図だ。
私がそれに気をとられ、一瞬目を離した時だった。
「キャー」という甲高い声が辺りに木霊した。
私が振り向くと、バナ子が何者かによって車に押し込まれている所だった。
「バナ子」
私は降りしきる雪の中、無我夢中で駆け出す。
しかし無情にもドアは閉じられ、車は猛スピードで走り去っていった。
「バナ子、バナ子ーー!!」
私はその場にガクッと膝を落とした。
空からは何事もなかったようにバナナの形をした雪の結晶が延々と降り注いでいた。




