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第三話 ポンフィ村での夜ーー創造神ゼルディオン

三話を投稿しました。よろしくお願いします。

第三話 ポンフィ村――創造神ゼルディオンと四機神


旅立ちの前夜


焚き火が小さく弾ける。


夜の村は静かだった。


旅人用の小屋の前で、レイたちは座っている。


老人が酒を飲みながら言った。


「神都に行くんだろ」


灯陽が肩をすくめる。


「まあな」


老人は少し笑う。


「若いな」


少し間。


炎が揺れる。


「なあ、おしえてくれよ。」

灯陽が口を開く。


「ん。?」


老人は首を振る。


「アリアが言ってた、その、なんとか神ってやつ」

俺はその神に興味があった。


おそらくだが――

俺はそいつを知らない。


アリアが顔を上げる。


「こら、罰当たりよ。なんとか神じゃなくて、改律神アウレリウス様でしょ。」


老人は焚き火を棒で突く。


火の粉が舞う。


「昔話だ」


「この世界には四つの機神がいる」


灯陽が眉をひそめる。


「機神?」


「神でも悪魔でもない」


老人の目が火を映す。


「世界の“仕組み”そのものだ」


沈黙。


レイは空を見ている。


「一つは、秩序を守る神」


「一つは、世界を壊す神」


「一つは、時間を喰う神」


「そして最後の一つは――」


老人は言葉を止める。


アリアが聞く。


「最後は?」


老人は笑う。


「忘れられた」


「誰も名前を覚えてない」


灯陽は困った顔で、


「そりゃ、適当だな」


「昔話だからな」


老人は酒を飲む。


「でもな」


静かな声。


「神がいる世界は」


「だいたいロクなことにならない」


火が弾ける。


「面白い。」


レイは空を見ていた。


まるで――


何かを探すみたいに。


そうか、四機神。おそらく俺が書いていないであろう四神。

ノーヒントでボスに挑むようなものだ。



老人は酒を飲む。


そしてふと空を見る。


老人は酒を飲む。


そしてふと空を見る。


「だがな」


低い声。


「その四機神を作った奴がいる」


「作った奴……。?」


老人は少しだけ黙る。


そして言った。


「創造神」


炎が揺れる。


「ゼルディオン」


その名前が夜に落ちた。


アリアの目がわずかに揺れる。


「……聞いたことがあります」


老人は続ける。


「世界を作った神じゃない」


「世界を“組み立てた”神だ」


灯陽ははっとする。

中学時代の記憶がフラッシュバックする。


──中学二年の教室。


午後の理科の時間。


黒板の前で教師が言っていた。


「宇宙っていうのはな、ただの偶然で出来たわけじゃないって説もある」


チョークが黒板を走る。


円、線、式。


「まるで誰かが“設計”したみたいだって考える学者もいる」


クラスメイトが笑う。


「神様ってこと?」


教師は肩をすくめる。


「うん。まあ、科学に携わるものとしてはあまり信じたくないが、宗教的にそういう考え方もある。」


チョークが止まる。


「ただ――」


黒板に一つの言葉が書かれる。


創造者


「もし世界が作られたものだとしたら」


「作った奴は、壊すこともできる」


窓の外では部活の掛け声が聞こえていた。


灯陽のノートの端の落書きには、


“創造神 ゼルディオン”


かっこいい。宇宙一強い。世界を支配する。


―――――――――


「ねえ、どうしたの。ぼーっとして。」


「あ、ああ。いやなんでも。」


老人は気にしない。


「四機神を作り」


「世界を動かす仕組みにした」


レイが初めて口を開いた。


「そいつは今どこにいる」


老人は答えない。


焚き火を見つめたまま言う。


「さあな」


少し間。


「だが神官はこう言っていた」


静かな声。


「もし四機神が狂えば」


風が吹く。


火が揺れる。


「創造神が目を覚ます」


灯陽が笑う。


「そしたら?」


老人はゆっくり言う。


「作り直すだろう」


「世界を」


沈黙。


レイは空を見上げた。


星が瞬いている。


こりゃまたとんでもないことになった。


そうだ、世界だ。


「なあ、世界の裏側って知ってるか?」


「ふむ、」

と少し考えた後、


「昔、神殿の奥に残された記録がある」


アリアが反応する。


「禁書庫……?」


村長は頷く。


「そこにはこう書かれていたそうだ」


炎が小さく弾ける。


「世界には“裏側”がある」


灯陽が眉を上げる。


「裏側?」


村長は空を見上げる。


「我々が見ている世界は表だ」


「空も、大地も、海も」


「全部、表面」


風が吹く。


焚き火が揺れる。


村長は静かに言う。


「だがその裏には」


少し間。


「世界を動かす“構造”がある」


灯陽は鼻で笑う。


「機械みたいだな」


村長は否定しない。


「似たようなものかもしれん」


アリアが呟く。


「そんな……」


村長は続ける。


「だが普通の人間は触れられない」


「見えもしない」


「触れた瞬間、世界の法則から外れる」


灯陽が聞く。


「外れたら?」


村長はゆっくり言った。


「人じゃなくなる」


焚き火が弾ける。


沈黙。


灯陽は少しだけ笑う。


「つまり」


「神様ってのは」


肩をすくめる。


「世界の裏側に触った奴ってことか」


村長はしばらく黙っていた。


そして静かに答えた。


「そうかもしれん」


少し間。


「あるいは」


火を見つめながら言う。


「裏側から来た奴か」


風が止む。


「まあ、眉唾物だけどの。ガッハッハッハ!!」


「ちょっとおじいちゃん飲み過ぎ!」

アリアが毛布を掛けて寝かす。


俺は驚愕した。

今の話が本当だと、俺は、


創造神にいずれ挑まなければいけない。


俺は、超えられるだろうか。


かつて書いた幻想に。


「何をショゲておるのだ!!灯陽!!」


「何かを創造するやつはここにもいるではないか!!」


「レイ……。」


「この破壊の剣がおぬしの味方よ。心配するな。」


「……ああ。」


夜は更けていく。


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