第二十一話 エピローグ その後
二十一話を投稿します!!この話は完結です!!ありがとうございました!!
幻想は瓦解し、『裏の世界』は崩壊する。
創造神は去って行き、元の世界に戻る。
俺は神が居たはずの”何もない場所”に佇んでいた。
「灯陽」
目の前にはアリア。
まっすぐに、俺を見ている。
「帰ろう!私達の街へ!」
――その一言に、全部が詰まっていた。
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ヴェルオリオンの街。郊外
アリア・セルヴァは城壁の前に立ち、手にした杖を軽く振った。
誰も気にしていないような場所だが、一部派手に破壊痕がある場所がある。
今日はアリアがそれを見つけ、修理をしに来たのだった。
杖が軽く光り、壊れた壁がみるみるうちに修復していく。
「よし……。うーん。なんでこんな所壊れてるんだろう……。」
私は不思議な杖を持っている。灯陽が言うには私はそれに選ばれたのだとか。
この杖を使うことで、森の怪物たちから国を守ったり、水のない場所から水源を確保出来たり、今のように壊れた壁が治ったりする。本当に不思議な杖だ。
「おーい!!アリア!!ドラゴン出してくれ!!」
「はいよー!!」
私は杖に念じる。壁から粘土細工のように石造りの怪物が出てくる。
不思議なことにこれらは全て私達の味方なのだ。
この国を私はこの杖の力を使って幾度となく皆を守ってきた。
皆もそれは知っている。
ん?私は何からこの街を守ったのだろうか。
凄く嫌なものだったような気がする。悪霊?超大型の怪物?
皆もそれはなんとなく知っている。他の国からの侵攻でもなかったような気がする。
「アリア、どうかした?」
「ううん。次行こうか。」
そもそも、この杖は誰から貰ったのだろうか。
だけど、名前だけは知っている。
“余白杖アウレリウス”。
アウレリウスとは一体なんの名前だったのだろう。
何かの名前だ。思い出せないが。
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未原灯陽は目を覚ました。
ワンルームのベッドの上で目の前には朝日が差し込む。
「なんだったんだ……あの夢……。」
なんだか壮大な夢を見ていたような。
歯を磨き、朝支度をする。
いつも通りの朝。いつも通りの日常。
そしてボロボロになって帰宅する毎日。
しかし、いつもと違うのは……、
「未原、灯陽くん……?え!!久しぶり!!」
偶然の出会い……。
中学時代片思いだった“紙“代亞里亞に再会した事だった。
「今何してんの?」
「俺、サラリーマン。毎日大変だよ。上司は怖いし。はは……、」
「そうなんだ。頑張ってるんだね。」
「最近、小説書いてるんだ。小説家になりたくてさ。」
「どんな本?」
「異世界で昔に描いた憧れのキャラと共闘して旅をする話でさ――」
亞里亞は話を楽しそうに聞いてくれた。彼女は昔そういうアニメとかすきだった気がする。
彼女は偶然にも近所に住んでいるらしい。こんど映画でも見に行こうかと言う話をして帰って行った。
漆黒の英雄、黒歴史も案外悪くない。
灯陽はそう思い、今日もパソコンを開いた。
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戦いの後一行は
人都ヴェルオリオンに帰国した。
「うおおおおお!!!!」
「負けるかああああ!!!」
職人、兵士、老婆、子供までヴェルオリオンはお祭り状態。至る所に灯陽の銅像が!!
「えっ……。」
「どこに行ってらしたのですか!?」
「灯陽様!!国を空けている間に大騒ぎになってしまい……。」
「え、なんの騒ぎ……?」
領主達が一日二日帰ってこないことで、国は大変な騒ぎになっていた。
そういえば、と灯陽は気づく。“灯陽は神かどうか論争”。
セラフィム神が見せた夢に創造神と並ぶ灯陽が出てきて崇め始めたことから始まった論争だ。
信じる派と偶然派が現れ国を二分。あわや国の存続の危機になった事件である。
ついに狂信者が現れ始め俺の像を……?。と灯陽は唖然とする。
「皆、夢で見たはずだ!!」
「「「おう!!!!」」」
「灯陽様は、」
「――なんだっけ?」
「……どうしても思い出せん!!なんか凄いものだった気がする。」
「領主?いや、それはそうだけど、そうじゃなくて、王様?もちょっと違うし、怪物?は失礼だし、ああ、もうなんでもいいか!!」
そう。
灯陽は創造神と交わした約束の通り、全ての人間を文字通り神にした。
それと同時に、
神に関する一切の記憶を全ての世界線、全ての世界の人から消去した。
つまり無自覚なる神。
しかし、一人一創造神、なんていうのは、世界の崩壊を招きそうなので、
あくまでささやかに、無意識に訴えかける感じで。ささやかな権能を持つ神だ。
そういった無意識のうちに、世界は選択されている。
誰かが晴れを願えば、雲がわずかに退き、
誰かが夢を語れば、ほんの少しそれに近づく。
かつて夢も希望もない限界会社員の灯陽が、黒き英雄を望んだ様に。
奇跡と呼ぶには小さすぎる。
だが、それは確かに積み重なっていく。
いずれ彼の記憶も消えてしまうだろう。彼は神になどならないのだから。
彼の創造神としての最後の使命は、このシステムが上手くいくかどうかを全ての世界を渡って見守ること。
そして、灯陽だけは分身体を使って現実と異世界、すべての世界で同時に存在している。
これで現実世界で行方不明になる心配も無い。
「まあ、このぐらいはいいだろ。」
灯陽は呟く。
“この世界の裏側に一つだけ願いを叶える秘宝あり”なのだ。
灯陽は空を見上げる。
案外上手くいくものだ。
空は青いと皆が思っているように。
朝は明るく、夜は暗いと思うように。
「あっ……。」
夜と朝が、まだ混ざってしまった。
まあこういうときもたまにはある。
「……まあ良いか。こういうのも。」
彼は一歩、前に進む。
それだけで、何かがほんの少し変わる。
灯陽は振り返らずに言った。
「お前は、何を選択する?」
終わり
ここまで読んでいただきありがとうございます!!!
いや~やっと完結しました!!
僕がなろうで作った記念すべき第一作目がようやく、ようやく終わりました。
これからも色々作っていくので、応援よろしくお願いします!!
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