人間
ちょっと前に書いた恋愛小説を最初の方だけしか書いていませんが公開します。
人間というのは何か。
これは、人類が一人一回は考えたであろうお題目だ。
非常に難しいこの問題を、「人間」は今、ノートを取りながら考えている。
いつもならば、もう少し真面目に聞いていただろう。だが、本日はつまらない事に常識を教える授業だ。
片手間に何かを考えるには、丁度良いこのノートの記入を、これまた、片手間で丁度良いこの考えで気を紛らわせながら行う。
何故丁度良いか、だって。それはこの問いに答えはないからだ。そしてこれから先も定義はされないだろう。
哲学書には生き方は載っていてもこの問いの解答は無理だろう。
さて、この問いに対する「人間」なりの回答をしてみよう。
と言っても回答は無いに等しい。
人間は訳がわからない、これが回答だ。
最初に戻っただけではあるが、これは、考える前と後で意味が違う。
人間は自分の利益を優先する。
だが、人間は、人を虐めたり蹴落としたりする。
これらは時間のことを考えたりすると無価値であり、もっと言えば損する行為である。
善人でも、動画サイトで面白いとも感じない動画を見て時間を潰す時もある。
金が全てではもちろん無い。
だが、こうして考えてみると、この様な行動に説明がつかない。
虐めをするより仲間と談笑する方が、楽しめる時間も長くより幸福度も上がるだろう。
動画サイトもそうだ。
無駄だなあと感じてぼーっと見ているより、面白いことをやる、そっちの方が良いだろう。
だが、その様な行動をする。
不思議だ。「人間」でもやってしまう。
だが、それをしていると急に物悲しくなる。
虐めはしないが、無駄な時間を過ごす。
それが人間の終着点なのか、それとも「人間」が未熟者なのかは分からない。
だが、世間に聞くと未熟者と言う回答が多そうだ。
他人の目は気にするに値しないが一つの考え方としては覚えておくべきだ。
ふと視線を感じた。
隣の席の女子が先生に当てられて、その問いが分からない様だ。
授業が終わらないと休み時間が侵食されるため。仕方なく協力する。
教科書の答えの部分を彼女に見えるように指し示す。
答えは合っていたようだ。
「人間」が答えるならまだしも協力するなら間違えたら迷惑がかかる為。
良かったと思う。
彼女は座り、「人間」に
「ありがとう」と言ってきた。
「人間」は軽く頷いて返した。
授業が終わり「人間」は欠伸をした。
窓の外には、どんよりとした雲が広がっていた。
この小説を読んで下さり、ありがとうございました。
いつもは、
現実が見えぬチーターにこの世は救いを差し伸べぬ
と言う小説を連載しております。
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