騎士団長アレクシス
書きたくて書き始めましたが、なかかなか時間がとれない為かなりの不定期更新になる予定です。
夏は涼しいが冬は凍てつく寒さが厳しいレムール王国は獣の耳と尾が特徴である獣人の王国だ。人と共存はしているが、獣人は皆整った顔立ちをしており、体力面や五感の鋭さも人よりも優れている為騎士団には特に獣人が多かった。騎士団長であるアレクシス・カートンも例外なく獣人だ。彼は狼の獣人で優れた戦術眼と勇敢な心を持ち、騎士団のリーダーとして数々の戦場で勇名を馳せていた。いわゆる英雄だ。
そんなアレクシスだったが、リムグル国との戦争には反対の姿勢をとっていた。リムグル国はレムール王国の隣に位置する国でレムール王国が軍事国家なのに対してリムグル国は魔術国家である。身一つで戦い、魔法を苦手とするものが多い騎士団にとっては遠隔で戦うリムグル国は相手が悪かった。
「くっ・・・姿が見えないってのがやっかいだな・・・」
「全くだ」
レムール王国騎士団長のアレクシスと副団長のカークは物陰から対象を探す。ここを突破すれば今回の敵の補給部隊を叩けるのもあって、なんとしてでも突破しなければならないポイントだ。いかに敵の姿が見えなくとも五感をフル活用し、できるだけ多くを見て多くを感じ多くを聞く。いつもであれば鼻ももっときくのだが、いざ戦場となると血の匂いが邪魔してうまく相手を嗅ぎ分けられない。
「カーク、あそこだ。あの屋敷の影に5人程いる」
「よく見えたな。なるほどそれならば俺とお前で挟み撃ちだ」
「それがいい。何人か俺の後に続け」
「アレクシス、お前と一緒に行くそいつは無茶しがちだ。しっかり見とけよ」
「誰にものを言っている。まかせておけ」
アレクシス率いる騎士団は血の気の多い団員ばかりだが、カークは面倒見の良さもある男だ。騎士団にいる一人ひとりをきちんと見た上で上司であるアレクシスにも気を使えるタイプで、アレクシスはこれまでに何度もカークに助けられた事もあり、カークの言葉はよく聞くようにしている。今回もつれていく部下の無鉄砲さを心配して声をかけてきてくれたようだ。
「カーク、また後で。行くぞ!」
そう言い残しアレクシスは物陰に隠れながら対象のいる屋敷を目指す。途中ファイヤーボール、アイスランス等立て続けに攻撃があったがなんとか全員対象を捕らえられる位置までたどりついた。
「ここで待機だ」
そう伝えた時だった。待機していた部下の一人。そうカークに無茶しがちだと言われていた団員が「今行けます!」と言いながら飛び出してしまった。彼はまだ若く、戦場も初めてだった為興奮して判断を誤ってしまった。
「待て!!」
団員の横から迫りくる火の玉に気づきアレクシスは団員を庇った。左肩から「ジュッ」と音が聞こえまさしく身を焼く熱がアレクシスを襲う。だが倒れているわけにもいかない。ここは戦場だ。ちょうどその時アレクシスの耳にカークの合図が聞こえた。
「全員突撃!」
アレクシスは左肩の負傷を押して突撃を指示し、自身も対象を捕らえるべく走る。魔術攻撃をかわし、攻撃を仕掛け、接近戦に持ち込む。こちら側がやや有利だ。さきほど飛び出した団員も今度こそ統率がとれた動きでカークと他の団員と共に戦っている。
そしてやっと対象を捕縛し、その先に居た補給部隊を潰した。補給部隊を潰されたことによりリムグル国は撤退を余儀なくされた。
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