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壊れた僕と親友で相棒なラジオ(ホラー)

同居人【前日談1】

作者: 柴犬

 僕が昔住んでた村は田舎だ。

 しかも過疎化の進んだ。



 過疎化の進む田舎の村。


 村には小中学校が一つしかない田舎。

 コンビニも映画館も無い。

 ファースト店なんか洒落た物はない。

 電話は未だに黒電話。

 だが此処は現金収入の乏しい田舎の村だ。

 電気水道ガス全て止められた。

 当然テレビも無い。

 テレビがないなら新聞は必要ない。

 唯一の楽しみは各家庭に有る古いラジオだけだ。

 しかも電気の要らない鉱石ラジオ。

 そんな田舎だから若者はドンドン都会に出ていった。

 三年前卒業した中学生の兄ちゃんが都会に行けば僕一人に成る。

 年の近い子が居ない過疎化した田舎。

 其れが此の村だ。

 最早過疎化が止められない田舎だ。

 朝早くに畑仕事と家畜の世話。

 遅くに生まれた僕は年老いた両親の代わりに家事をする。

 兄弟は全員都会に行ってしまった。

 両親は老いのせいかマトモに家事ができない。

 其の儘学校に行き自習ばかりの授業。

 終われば再び畑仕事に家畜の世話。

 其れに家事。

 五右衛門風呂を沸かし風呂に入る。

 空き瓶で作ったランプの明かりで勉強をして就寝。


 其れを毎日。


 ハッキリ言えばウンザリしていた。

 



 

 だから僕は上京した。

 田舎から上京した時アパートの保証人は上の兄に連絡して成ってもらった。

 当分の生活費とアパート代をくれた。

 僕一人を残した事に罪悪感が有ったのか直ぐに成ってくれた。



 バイトをして生活する日々。


 問題は同年代との会話が出来ないこと。

 所謂コミュ症だ。

 ハッキリ言えば孤立してる。

 だが……生活は出来るから良い。

 だが知り合いが居ないのが寂しい。

 しかし寂しいからと言って兄弟たちに迷惑を掛けるのは……。


 そんな時だった。

 両親が遊びに来てくれた。

 理由は村のラジオが壊れて聞こえなくなったらしい。

 明らかな言い訳だ。

 でもまあ~~誤魔化されるか~~。

 其の次は村に住んでいた時に近所にいたオジサンが来てくれた。

 毎日次々と他の村人が来てくれた。

 皆んな何故かラジオを聞いていた。

 テレビも見もせず。

 まあ~~良いけど。

 


 寂しさはいつの間にか消えていた。


 まあ~~寂しくなくなったけど……。

 何時帰るの?

 いや嬉しいけど。

 あ~~静かにラジオを聞かせろ?

 すみません。

 ラジオを聞きに来たって唯の言い訳と思ってたけど……。

 本当ぽい。

 静かにしろ?

 すみません。



 そんな毎日を送っていた或日。

 一本の電話が掛かってきた。

 兄からだ。


 酷く取り乱していた。

 錯乱していた。

 そして何故か僕は責められていた。


 村の住人全員が死んでることに。

 しかも死後数年経ってることに。

 何故か責められた。



 何言ってるんだ?

 両親も村の皆も此処でラジオを聞いてるだろう?






 












 数日後僕は病院に強制的に入院させられた。

 兄の手で。

 

 


 理解できない。

 いや本当に。



 村の皆んなが死んでた?

 え?







 部屋の隅で皆んなラジオを聞いてるだろう?

 ねえ?








































 そういえば……ラジオ誰が買ったんだ?

 僕は買って無いけど……。












補足。

感想返しを元にしてます。


他の村人は此処に兄達や他の住人が住んでいる時徐々に死んでいます。



但し生きている住人は気がついてません。



此れはラジオが原因です。



とはいえ理由を言うと何か話が陳腐に成るので・・・。(理由を書いてたらつまらくなったのでボツ)



重要なのは此の村はラジオが支配していた。


ラジオが死者を生きている様に偽装していたということ。


此の2つ。





此のため殆どの村の住人は発狂状態。


運良く村の外に出た住人は出た途端殆ど病院送りで記憶がない。



バットエンド。(だいたい此れ)



例外が主人公の兄みたいに比較的軽症者。

但し記憶の一部が消えてる。


村への恐怖は残っているが何故か分からない。

家族や村の住人を純粋に心配。

だけど何故心配なのか分からない。(欠けた記憶)

連絡手段が手紙しか無い。

だから何か村で異常が起これば知らせてくれと手紙を出していた。

{弟は其の記憶が欠落)


村の外に出てきた弟に一安心。

念の為にと人を雇い村を見てもらう。

村の住人がミイラとして発見される。

此れで警察が動きだす。

弟に文句を言い攻める。

だけど弟の異常性に気が付き病院に打ち込む。


(ノーマルエンド)


という感じが流れですね。








主人公は自分から上京後兄達とコンタクトを取っていません。



此れは当然です。



長年ラジオに支配された村に居たので色々記憶を失ってますし発狂状態。

人格を形成される幼少からこうなってます。


幽霊が居るのが日常。

兄の記憶が知識として知っている。


だからどうした?


等と言う感じ。

この後生涯病院生活です。

自分の事を健常者と思い。


(一番最悪なバットエンド)











































因みに兄がどうやって村の現状を知ったかと言うと人を雇い村を撮影していたから。


『撮影』は雇った人間の視点です。






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― 新着の感想 ―
[良い点] どこまでも淡々と話す主人公が怖すぎました。 次々に来る村の人たちって、主人公はずっと幽霊と暮らしていたってこと…ですよね(><)
[良い点] 再読しても不思議な話なんですよねぇ。 ストレートに読んでも良いし、兄は負い目があったから弟を上京で援助したとありますが、すでにこの時点で両親や村人たちを・・・とも受け取れるんです。 [気に…
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