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頬に傷もつ私の一生 5

騙されてた。死ぬ、メンタルが死にました恋心が途絶えました人の興味なんて塵になりました。有能なお父様は許してなんていなかった。見逃してなんてくれなかった。私は子どもの頃の――弟の着せ替え未遂事件のせいで、めちゃめちゃ幼児に加害する犯罪者を疑われていたのだ。野放しにはできないでしょうねそりゃあ。そしてそれを男の子は知ってたんですよ。どうりでその子の妹や弟の服作ろうとしたら断られた訳だよ。運はどこにいったんだか。

私に向けられた親切、そんな理由、そんな理由ばっかり。

裏切られたことが私を深く深く悲しみの奈落に引きずり落として、だからといって地元で昔から親しまれている男の子に何を仕返ししても、私の方に悪い噂がたつのは予想できる話で、それでもやっぱり子どもの頃からの癇癪持ちの私は耐えられなかった。成長を重ねて歪んでちゃっかり屋さんも加わった私は、それを脅しの文句に使い、こっそり都心の服屋の店員に転職した。したかった仕事がどどんとメインだ。平民の少しお金を持っている層や下級貴族へ向けたセミオーダーの服屋さんで、とても居心地がよかった。給料もよかった。月一のケーキは週一のケーキになった! ドライフルーツがたくさんで、一つ買ったら一ヶ月は保つから、毎週毎週少しずつ食べるの! 紅茶は買えなかったけど、庶民にはレモンの匂いのするお茶があるんだよーだ。

甘いもの以外はどうでもいいと思っていた食の細い私が生きることができたのは、修道院で販売のために作るお菓子の切れ端だったり、男の子が差し入れてくれたお菓子があったからだった。修道院から出ても、男の子が人生からいなくなったって、私は自分でお菓子を買って、自分にあげることができるのだ。そう、今の給料ならね!

職場に来た子どもたちの相手をすると、その子達は次に来るときも私を探した。そのたびに楽しんで、怒って、笑った。こういう性格は子どもに好かれるらしい。こういうって、裏表のない? 私は裏表あるけど気まぐれで起伏がすぐに出ちゃうだけ。


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