プロローグ 蓮の目的
もし、自分に降りかかる不幸があって、それを乗り越えるための実力がなく、誰の助けお得れれない場合あなたなどうしますか?
無理だと諦めて過ぎ去るのを待ちますか?
そのことから辛くなり逃げますか?
理想を信じ、挑み続けようとしますか?
ほかにも様々な選択肢があることでしょう。これは正解がない問です。だからこそどんな正解を導き出そうと、それを僕が否定することはないでしょう。
そんな僕は、何かを犠牲にして強くなり乗り越える選択肢を選びました。
なぜそうしたか、理由は簡単でした。僕にはそれ以外の道がなかったからです。そのことについて後悔はありませんでした。むしろ今でもその選択は間違っていなかったと自信を持って答えられるほどに・・・・・・
そうして僕は、不幸を乗り越えるために成長に特化していきました。成長の妨げになる感情を極力なくし、極限までに効率化をして、自分だけの武器を作り上げることに成功しました。
その結果、中学三年の冬には僕は乗り越えることができ、少々の不便があるが普通と呼ばれる生活を送れるようになりました。
その後は先輩の勧められた高校に入学し、そこで笑顔あふれる高校生活を......と思っていましたが人生そんなに上手く行くはずがないと痛感させられました。
そもそも成長特化で暮らしてきたのだから、ほかの人とズレているところかなりあるのは当然なことで、普通に話す分には支障はなかったのですが、しかし、癖とはすぐに直せないもので話すときによりどのように話したら上手くいくのか、この能力を何かしらに応用できないのかなど自身の向上を意識してしまい、楽しんでいるという感覚はほとんどありませんでした。
他のことでも同じことでした。何をしても楽しむというよりかは学ぶという観点で物事を見てしまい、心の底から楽しいと思ってことは一度もありませんでした。
結局一年間様々なことを試しましたが、楽しいと感じることはなく、人間関係においても便利だと思う人だけ残してそれ以外との付き合いをすることはありませんでした。
そうして、訪れた高校二年目の生活、前年度の結果から無理して関わろうとしても僕が得たい楽しいという感情や笑い方などは知ることができないと思ってので、自身が面白いと思ったことや友人との付き合いを増やす方向性に変えてみたらどうだと考えと、行動方針を変えてみたのですが......
それから一か月たち、大きく変わったことはありませんでした。ですが、逆に何事もない平穏な学生生活を謳歌していというある意味で最高の生活をしていたかもしれません。
そんな平穏の学生生活も友人の頼み事で崩れ去るのでした。
「蓮!頼みごとがあるんだが……美琴の友人である、朝倉さんが今ピンチなんだ!だから助けてくれないか?」
困ったように言う友人はこちらを見つめる。その様子は真剣であり、こちらを頼りにしていることがわかる。そして考える、この提案を受けるべきかどうかを、払う労働力に見合う報酬があるのか少し考えて上で断ろうとした、いちいち自分の分野ではないことをする必要もなく、受けたとしても大して得ることもないからだ。
「ごめんだけど......」
断ろうと友人の顔を見上げた時、その先に一人の人物を見る。今回の相談の原因となっている人物朝倉理沙をその明るい表情は一見物事が上手く行っていると思わせるものだった。その時自身の直感が訴えてきた。
「いいや、その頼み受けるよ」
その時滝本蓮は確かに願った。この出来事が自身にとって何か大きな影響を与えモノになってほしいと.......