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ここはどこ1

思ったより長くなった

で、ここどこよ。


眠ってたのか。

ベッド硬いし。掛け布団は薄いし。日が上がってるのに寒い。いま夏だぞ?


「あ、起きたか」


部屋の扉が開いて、そんなことを言う。


「え、あーはい」


誰だろうか。

体を起こす。


「あー、敬語なんかいらないよ」

「えぇ、それはそれでこっちが困るんですが」

「おー、結構言えるじゃん。じゃあそのままでいいや。」


いいのか。

部屋に入ってきた女性はそんなフランクな印象を与えて、持ってきた椅子にベッドのすぐ横に座った。


「診てくれてたみたいで。ありがとうございます。」

「いやいや、責任はこっちにあるからね。」

「と、言うと?」

空穴(ホール)。通ってきたでしょ?」

「ホール?穴ですか」

「そうそう、あの渦巻いてた穴」

「あー」


飲まれたのか、あれに。


「てか通ってきたって何ですか。ここどこです?」


よくわからん。


「ここね、まず大きな話をすると、君のいた原道(げんどう)と違う原道(げんどう)なの」


うん……は?


「げんどうってなんですか」


知らない単語だ。


「えっとね、まず宇宙ってあるでしょ」

「はい。ありますね」


急に宇宙の話か。


「あれってさ、風船なんだよね」

「はい?」

「いやだから風船」

「いや風船はわかりますけど」

「じゃあわかるでしょ、宇宙と風船はだいたい一緒なの」

「どこが?」


何の話してるんだ?


「ふくらんでるところとか?」

「えーっと…」


とかって…


「あ、私はフェン」

「あー、立花朔斗(タチバナサクト)です」


そうじゃない、言いよどんだのはそういうことじゃないんだフェンさん。


「じゃあフェンさん、今話してくれてるのってもしかして宇宙の形状の話ですか?」

「そうそう。でね、宇宙の外にはまたいろんな宇宙があるんだよね」

「はあ。風船の外にまた風船がいろいろ浮かんでると」

「そうそう!サクトくん理解速いねぇ!」

「あ、どうも」

「うんうん。でね、その風船いっぱいの部屋のことを原道(げんどう)って言うんだ」

「はあ」



部屋、ですか。もう一文挟んで言ってくれぇ。


「で、はじめに私、その原道についてなんて言ったっけ?」

「えー、別の原道からとか」

「そう!」


急に前のめりで来た。いや結構話し方も前のめりか。


「別の原道から来たの。」


えーっと…


「つまり、あれですか、その原道の外もあって、そこからチューブで吸い上げるみたいにして呼んだと」

「え、そこまでわかる?」


いや当たりかい。


「いや、適当です。むしろ当たってびっくりしました」

「そう?適当でそこまで当てられる人初めて見たけどほんとに?適当なの?」

「あー、なんかあの穴みたいなのすごい空気吸ってたみたいだったので」

「なるほど、そこからかあ」




「すごいね、サク君。」



ぬっと顔を寄せて。




「君、いいね」




え?

寒気がした。

舌なめずりをされたような。



「よし!さて、ここがどこかわかったかな?」

「あ、ああ、はい。」

「じゃあさ、どう思う?そっちにはよくあるんでしょ?異世界転移ってやつ」

「お話だけなら……っていうかそっか。そうなるのか。」


知らない場所に呼び出され、大きな力を授かったり仲間に恵まれたり。

あんなに具体的に「ひっぱってきた」って言われると恩恵も何もなさそうで笑えないが。


「そうよー、嬉しいでしょ?選ばれし者!みたいな感じで」

「いや、特には」


苦しそうなイメージしかない。手に汗握る命がけの物語はそれこそ物語だけで結構だ。


「そっかあ、あの子苦労しそう」

「あの子?」

「ああ、気にしないで。どうせすぐ会うよ。今日中かな?」

「そうですか」


誰だろうか。にしても…


「帰れたり、安全の保証とかっていうのは」

「送り返す方法は研究中。座標の指定が難しくてね。あと、安全は協力してくれる限りは保証する。一応議会の承認があってはじめて召喚に取り組める形になっててね。」


ほう、議会があるのか。てか話とんだな。


「そこには、わざわざ異世界の人を呼んで協力をお願いして、そのうえでこの世界のことを知ってもらうためのお金とか時間とか人員とか、そんなものを割く必要のあるほど困難な問題かっていう話し合いをして、召喚が可決されて初めてサク君みたいな異世界人を呼べるって形になってて…」


うーん、とフェンさんが唸り、


「どこで話を切ったらったらいいかわかんなくなった!いいや、とりあえずそんな感じだから安全は保証されてると思っていいと思う」

「なるほど、なんかめんどくさいんですね」

「それはそうだね、確かに」


あはは、と笑う。


「あ~あ、時間なくなっちゃった。またくるね。」

「そうですか。ってちょっとまって、まだここのことわかってないんですけど」

「それは安心して。次にくる子がちゃんと説明する係になってるから。それに私、もともとあなた関係に仕事振られてないの。こんなに面白い子なのに残念」


じゃあね、と出ていき。


すぐ戻ってきた。


「そうだ!とりあえずさ、協力してもらえるか確認もらえる?ここでの返事はまたひっくり返しもできるし」

「いや、そんなこと言われてもなんで呼ばれたか聞いてませんよ」

「あ、そっか」


おーい。これがあったから仕事振られなかったんじゃないか。めっちゃ言いたい。

まあそれはともかく、まったく安心できるわけでもないし、何もわからないから、


「とりあえず何してほしいのか、次来てくれる人にはそれから聞くことにします。」

「よし、お姉さんいい返事まってるぞ!じゃ!」


今度こそ行ったか。

ふう。まあ、わるい人じゃなさそうで安心した。

ただ、あの寒気は。


変な印象持ってしまったな。

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