異世界転移しました
まじもんの初投稿なので初投稿です
更新は不定期です
水面に石がはねた。
やった。
近くに筒が落ちていた。
なんだろうね、これ。
覗き込む。
向こう側と目が合った。
笑っていた。きれいな目で。
そうなりたいと思った。
※※
「おーい!さくー!」
「ん?」
振り返る。制服を着た男がかけ寄ってきていた。
「おー、しゅんじゃん。おはよ」
「おっす!さく、数学の宿題終わったか?」
「あー、まあ一応は。今日のむずかったからなんとなくでやったし空欄もあるけどな」
「そっか!俺はな!全部やったぞ!完璧に!」
「は?おまえが?脳筋なのに?」
「おいおい、脳筋なめるなよ!脳筋は人脈もムキムキだぞ!」
「あーおけ、聞いたのか。誰に?」
「それはもう、クラスの佐田さんによ。数学といえばあの人だろ」
「そっか。」
てか課題、聞いてやったのかよ。
「カンニングはしてねえぞ!やった後にわからんところだけ聞いたら全問式込みの写真送られてきたんだよ!」
あー、あいつはやりそう。自分の時間が大事そうだもんなあ。
「なるほどな。で、全部チェックしたと」
「そういうことよ!」
「で、それ人脈ムキムキじゃなくてもそうなるだろ」
「おう!」
「威張んなよ…」
はあ、まいいや。やってたっぽいし、やってなかったところで俺はしゅんの監督でも先生でもないし。
「……サクっていうんだ」
「は?」
どこからだ?とりあえず振り返る。誰もいない。
だが、そこにまるで蛍のような光が。
ない。幻覚か。
「はあ。…は?」
「は?ってなんだよ、さく」
「あー、なんか変なもん見た気がしてな。自分にあほくささと疑問を同時にぶつけてた」
「ほう。わかりそうでもないしわからんな」
「なんもわからんじゃんそれ」
「そうともいう!」
「はっ」
「その笑いは許されんぞ」
「けっ」
「誰がケチだ誰が!」
ひとしきりからかってため息を一つ。
学校かあ。また始まるんだな。
※※
「まただってさ、メル。この子、『いま』に喜んでないかもよ?チャンスかも!」
「フェン、うそでしょ?あなたにはそんな風に見えるの?」
「え、違う?」
「違うよ、これは違う。楽しそうだよ」
「そうかなあ…。まあでも、この子なんでしょ?前見たっていうのは」
「うん、きっとだけど。あーでもなあ!こんなに満足してそうな子呼んだって嫌がられちゃうよ!」
「まあそうだけどね。でもさ、逆に考えてみてよ。まずいま前に進めていない子を呼んだってただの足かせになっちゃうよ?」
「それもそうなんだけど…」
「しかもさ。言っちゃったんだよね?みんなには『あの子を呼んでくる~!』って」
「そう!そうなの!いい子に心当たりがあるとか言っちゃったからみんな期待の目線でみちゃってさ!いわなきゃよかった!」
「じゃあもう呼ぶしかないじゃん?」
「~~~~!!もう!知らないからね!」
「いや、責任はメル持ちだよ?」
「わかってるよ!もう!"我は星を目指す者!傲慢を侵し踏破する。空ろなる権で縫い留めたるは!"」
息を吸う。これを言ってしまうともう戻れない。サクという名の彼にはどう言い訳をしようか。いや、謝ったほうがいいだろう。罪を罪とわかりながら犯さなければならない今に涙が出そうになり、こんなに涙もろくなかったはずなんだけどなあと少し考えて心を決める。
「"我が無智の左証!彼の魂を此処に"っ!」
※※
「なあ、気圧下がってない?」
「なんでそんな微妙な表現するんだ!」
「いや、とても正確だと思うけど」
こう、耳抜きがしたくなってくるような。
「そうだな!そうだわ!けどさ、もっと直感的に……おい、あれなんだ」
そりゃ言いよどむ。目の前に変な空気の渦があるんだ。しかもなんか向こう側が歪んで見えるなと思ったら急に形になって。やばいだろ。
「てかあれか、気圧が下がった原因」
「だろうな、風が異様に強い」
追い風になってるしヒューヒュー音鳴ってる……吸ってるのかこれ。どんな強さで空気吸ってんだよ。横向きの竜巻かなんかか?いやそれだと吸ったりしないだろうな。なんだこれ。
「逃げるか」
「そりゃそうだ」
とりあえず一目散に建物へ。学校の近くには幸いなことに鉄筋のビルとか結構ある。走れば1分かからんだろ。
と考えたときには意識は飛んでいたようで。




