98. 職人の保護
(―――これは、どうしたことだ)
かろうじて言葉にこそ出さなかったが。『王都アーカナム』が侯爵、モルク・スコーネの驚きようは、彼の人物を知る者が見れば明瞭なものだった。
中央都市に設けられる各生産職のギルド施設は、当該生産職の天恵を有する者のために開かれた『工房』であると同時に、そのギルドの生産品を商う場所としての面を持っている。
『鍛冶職人ギルド』を例に挙げると、掃討者や国の兵士が必要とする武器や防具を購入できるのはもちろん、鋸や円匙などの工具、包丁や鍋などの調理器具まで、日用品の類もギルドへ足を運べば購うことができる。
これは他の生産職のギルドも同様で、例えばここ王都の『縫製職人ギルド』では衣類や鞄はもちろん、絨毯やカーテンといった室内装飾品、布団や枕などの寝具、果ては『ぬいぐるみ』なんて物まで取揃えられている。
要は、生産職の技能を活かして作れるものであれば、何でも分け隔てなくギルドでは商品として取り扱うのだ。
だから、いまモルクが居る『魔具職人ギルド』の窓口でこれらの商品が売られているのも、何らおかしいことではない。少なくとも理屈の上では。
だが、他国の『中央都市』であればともかく―――ここ『王都アーカナム』では久しく扱われていなかった商品なのだ。
それを知っているだけに、驚くと同時にモルクはどこか感慨深いものがあった。
―――その商品とは『巻物』と『魔符』だ。
魔術師だけが行使できる、奇蹟の力『スペル』。それを魔力ごと封じ込めたアイテムであり、詠唱の必要ないスペルならば『魔符』に、詠唱が必要なスペルならば『巻物』にそれぞれ封じることができる。
この二種類のアイテムはどちらも、紙面を破り捨てることで発動する。そうすることで中に封じられたスペルが解き放たれ、天恵が無くとも誰でもスペルを行使することができるのだ。
魔術師が居なくても、いつでも治療や補助のスペルを利用できるのだから、その便利さは言うに及ばない。
但し、便利さの代償として『巻物』や『魔符』はかなり高価なものでもあった。
しかも用紙を『破る』という使用法の都合上、原則として1回しか使用できない消耗品でもある。
高価な理由としては、それだけ価値の高い素材を生産材料に用いているから、というのが半分以上を占めるだろうか。『巻物』でも『魔符』でも、素地はどちらも一般的な『紙』を用いるため、それ自体はさほど高価なものでもないのだが……。
問題となるのは紙に『スペル』を術すために用いる『インク』のほうだ。
粉末状になるまで砕いた魔石を溶いて作成した、特別な染料を必要とするため、これが非常に高くつく。何しろ『魔石』の価値は、宝石に何ら劣らないほど高価なものであるからだ。
特に『巻物』は、例え貴族の身にあっても手を出すのを躊躇うほどに高い。
詠唱を必要ないスペルを封じる『魔符』であれば、紙に記すべき文字は魔術師がスペルを行使する際に口にする『魔力語』だけで済む。例えば【軽傷治療】のスペルであれば【ファナ・ハロウズ】と書き綴ればいい。
しかし『巻物』の場合には、この『魔力語』に加えて『詠唱句』も連ねなければならない。文字数が増えればそれだけインクを消費するため、素材に必要な魔石量も多くなってしまうのだ。
(さすがに『巻物』の扱いは少ないようだが……)
『魔具職人ギルド』窓口に設置されたショーケースを眺めながら、よくこれだけの魔符を商品として揃えたものだとモルクは感心する。
少なくとも数ヶ月前にこの『魔具職人ギルド』を訪れたとき、窓口に『魔符』の販売品などというものはひとつも無かったのだ。
それが―――全部で二十枚程だろうか。今やショーケースの横一列を『魔符』が埋め尽くしている。おまけに『巻物』も二つばかりが置かれていた。
ざっと眺める限り、並んでいる魔符で最も多いのは【浄化】のスペルだろうか。
次点で【軽傷治療】や【小治癒】といった治療魔法が多く、魔法の照明を灯すことができる【発光】や、MPの自然回復を10分間だけ引き上げる【星光】のようなスペルの魔符もショーケース内で何枚ずつかが販売されていた。
(……この『魔符』を作った者は、掃討者というものをよく判っているな)
自身では術師職の天恵を有していないものの、各術師職で扱えるスペルに関してそれなりに詳しいモルクは、ショーケース内に『魔符』化されているスペルの陳列を眺めながら、率直にそう感心する。
なかなか掃討者として、地に足の付いたチョイスだと思うからだ。
掃討者として長年身を立てており、相応に高いランクを有している者は、自分が必要と思うアイテムに対して金を出し惜しまない。
魔符は決して安いものではないが……掃討者をやっていると、高い金を出してでも『スペル』に縋りたい状況というのは少なからず存在するものだ。
例えば夜間に魔物から襲われた時には、前衛職の掃討者は普通、松明やランプのような照明器具はその辺の地面に置くことになる。持ったまま戦っては、左右どちらかの手が塞がってしまい不便だからだ。
しかし魔物の中には低くない知能を有する個体も多く、そうした魔物は掃討者を直接攻撃するより、まず照明を消そうと狙ってくる場合がある。
夜間に襲ってくる魔物は大抵、夜目が利くものだ。光源を失うことは魔物が一方的に有利な状況になることに等しい。そして松明にしろランプにしろ、いちど火が消えた照明器具を再点火するのも戦闘中には無理がある。
その点―――〈インベントリ〉内に【発光】の『魔符』を1枚忍ばせておけば、こうしたリスクは全て回避することができる。
取り出した魔符を破るだけなら暗い中でも容易だし、すぐに【発光】のスペルが発動して不利な状況を解消することができる。それにスペルによる魔法の照明は、そう簡単に消される心配が無い点でも優れている。
治療魔法も同様だ。HPを急いで回復させたいならポーションを飲めば良いが、戦闘中に『飲む』という行為は案外難しい。
それに、飲まなければ効果を得られないポーションは、あくまでも自分自身を回復させる手段であり、戦闘中に仲間を治療するような使い方には無理がある。
一応、ポーションの中には『聖水』と呼ばれる、身体に振り掛けることで回復効果が得られる品もあるので、そちらであれば仲間の治療も不可能では無いが……。
魔物と戦い、動き回っている仲間を回復させたいならば、やはり治療魔法を使うほうが確実なのは間違いない。〈インベントリ〉に数枚でも治療魔法の『魔符』を忍ばせておけば、それだけで窮地の味方を救える希望が生まれる。
賢明な掃討者であれば金を惜しむような部分ではない。
「―――おや、モルクじゃないか。来ているなら声ぐらい掛けてくれよ」
すっかりショーケースに見入っていたモルクの意識を、突然背後から掛けられた声が引き戻す。
昔はよく、共に狩りにも行った仲だ。振り返るまでもなく、言葉の主が誰なのかモルクにもすぐに判った。
「久しいな、サヴァカーム。半年ぶりぐらいか? 最近は門前雀羅を張るあまり、趣味の手芸にどっぷりハマってしまったと聞いていたのだがね?」
振り返り、友にそう声を掛けると。モルクの言葉を受けてサヴァカームは嬉しそうにはにかみ「馬鹿を言うなよ」と笑ってみせた。
サヴァカームは〝太陽に最も近い地〟と言われる『砂都シュレジア』の生まれであり、その肌はうっすらと黒い。また、頭部に帽子の代わりにだろうか、常に布を巻き付けた格好をしているため、外見が与える異国感の強い友人だった。
腰に先端が強く反り返った曲刀を差している(タルワールという名らしい)が、サヴァカームはこれを扱う為の『天恵』は持っていない。彼の本分は〈星術師〉であり、探知や幻術、味方を補助するスペルなどを得意としていた。
「刺繍も悪くないけれど、やっぱり僕の本懐は職人の育成にあるからね。少し前に将来有望な新人が来てくれてからは、なかなか充実した日々を送っているとも」
「ふむ、どうやらそうらしい。この魔符の揃えを見れば、よく判る」
ショーケースを指さしてモルクがそう告げると、サヴァカームも頷いて応えた。
魔符は『魔具』の一種であるから、製作する職人は〈魔具職人〉の天恵を有している必要がある。それは当然のことだが―――こと『魔符』に限って言うならば、仮に〈魔具職人〉であっても多くの者はこれを作ることができない。
魔符を作るためには〈魔具職人〉であると同時に、何れかの『術師職』の天恵も有している必要があるからだ。
紙片にスペルを『封じ込める』ことで作る都合上、魔符は生産者本人がスペルを封じ込める魔術師役を兼ねなければならないのだ。故に、両方の天恵を同時に有していないことには、製作に挑戦することさえ出来はしない。
『王都アーカナム』では、全ての生産職の中で圧倒的に〈魔具職人〉が不足しているのが現状だ。そもそも術師職の天恵所持者自体も相応に希少であるのだから、両者の天恵を兼ね備えた者などそう都合良く存在する筈も無かった。
事実、今まで『王都アーカナム』で魔符を作れる者と言えば、ギルド長の立場にあるサヴァカームひとりのみだった。
というより―――王都内から魔符を作れる職人が消滅するのを恐れたモルクが、友人関係にあるサヴァカームに頼み込み、ギルド長の地位に収まって貰ったというのが真実だったりもする。
作成技術を持つ人間が都市から失われることは、それを教えられる人間が不在になることに等しい。友人を利用するのは少なからず気が引けたが、王都から魔符に関する技術を失伝させない為にも、必要な措置だったと思う。
「それで―――今日、私を『魔具職人ギルド』まで呼びつけた頼みとは何だ?」
視線はショーケースの中に向けたまま、モルクはそう友に問いかける。
サヴァカームから『直接会って頼みたいことがある』と、念話でそう求められたからこそ、今日こうしてモルクは『魔具職人ギルド』まで足を運んできたのだ。
念話で済まさず、直接会って頼みたいというのだから、何か相応に大事な話なのだろうということはモルクにも見当が付く。
それが『魔具職人ギルド』に関係のある話なのか、それとも全く関係ない話なのかまでは判らないが。負い目のある友人からの頼みなのだ。どのようなことを頼まれようとも、モルクは快諾するつもりでいた。
「いまモルクが眺めているものが、半分答えのようなものかな」
「……ふむ? 魔符に関する話、ということか?」
「モルクは魔術師じゃないけれど、スペルには詳しいほうだよね。……ここに並んでいる魔符に封じられているスペルで、知っているものはどれぐらい?」
問われて、改めてモルクはショーケースの中を端から端まで一通り眺める。
ここに売られている魔符は、いずれも掃討者にとって有用なものばかりだ。
スペルに多少詳しいとは言っても、門外漢であるモルクが知っているスペルなど所詮は有名どころばかりなのだが。そんなモルクでも、ここに並んでいるスペルであれば、ほぼ総てのものについて知り及んでいた。
「知らぬのは【反鏡】というスペルぐらいか。おそらく、他は総て判るな」
「うん、さすがモルク。じゃあもうひとつ質問するけれど……ここに置かれている魔符に封じられたスペルを、行使するために必要な本来の天恵は何かな?」
サヴァカームからの問いを受けて、モルクはもう一度「ふむ」と呟く。
スペル自体を把握しているのだから、別にモルクにとって難しい質問ではない。
「まず【浄化】は〈聖職者〉のスペルだな。掃討者にとっては身近なスペルだし、このスペルを掛けて貰う為に大聖堂まで足を運ぶ者も多かろう。
あとは【軽傷治療】も同じく〈聖職者〉のスペルになるな」
「うん、他は?」
「同じ治療スペルでも【小治癒】なら〈巫覡術師〉のスペルになる。端に1枚だけ陳列されている【負傷処置】の方は〈伝承術師〉だ。隣に置かれている【発光】も同じ〈伝承術師〉だな。
残りは【星光】が〈星術師〉のスペルで、【鋭い刃】は〈付与術師〉の……」
―――そこまで喋ってから、ようやくモルクははたと気付く。
ここまで挙げたスペルだけでも、術師職の天恵は『5種』にも及ぶのだ。
「ま、待て。さっき話に出た『将来有望な新人』というのは、何人いるんだ!?」
「ははっ。おかしなことを訊くなあ、モルクは」
くつくつと、愉快そうにサヴァカームは笑いを漏らす。
「ここ『魔具職人ギルド』みたいな寂れた所に、何人もの新人が一度に来てくれるわけがないだろう? ―――もちろん、新人はひとりだけだよ」
「ば、馬鹿なっ……!」
魔符を作るためには生産職が〈魔具職人〉であると同時に、魔符に籠めるスペルを扱える『術師職』の戦闘職天恵を有していなければならない。
だというのに―――この場に販売されている魔符のスペルは、異常なほど多岐に渡りすぎていた。この場にある魔符をたった一人が作ったというのなら、その者は5種総ての天恵を個人で有していることになる。
「その新人とやら、一体どんな天恵をしているのだ……!?」
驚きのあまりに声を荒げたモルクを、どうして責められるだろうか。
「モルクは術師職の天恵というものが、全部で幾つあるか知っているかい?」
「む、無論だとも。九つだろう?」
「新人君は、その九つ総ての天恵を有している―――と言ったら?」
「馬鹿も休み休み言え、と言いたいが……」
「そうだね、有り得ないと僕も思う。でも、事実だよ」
サヴァカームはショーケースの鍵を開けると、その中から一枚の魔符を取り出しモルクへと手渡す。
魔力語で【反鏡】と記されたそれは、モルクが唯一名前を知らないスペルが封じられた魔符だった。
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□魔符【反鏡】/品質[51]
使用可能回数:1回 / 内包MP量:360
作成者の[知恵]:306
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【反鏡】 ⊿Lv.1銀術師スペル
消費MP:[対象数]×120mp / 冷却時間:60秒 / 詠唱:なし
任意数の敵全ての身体の向きを、即座に真逆方向へ反転させる。
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| 破り捨てることで、一度だけスペルを発動できる魔符。
| スペル効果の強さは作成者の[知恵]または[魅力]が影響する。
| 品質値100を基準に、それより高ければ効果は強まり、低ければ弱まる。
| 王都アーカナムの〈魔具職人〉シグレによって作成された。
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「名を知らぬスペルの魔符と思えば、なるほど〈銀術師〉のものか……。このような品を見せられれば、信じぬわけにもいかぬのだろうな……」
「珍しいだろう?」
「うむ、私も目にするのは初めてだ」
稀覯品に目が無いモルクをして初めて見るというのだから、その珍しさが相当なものであるのは疑いようも無いことだった。
「僕がモルクに頼みたいことも、大体判って貰えたんじゃないかな?」
「……職人の囲い込みをせよ、と?」
「率直に言えば、そうなるね」
囲い込み。つまりは人材を国に取り入れ、この土地に縛るということだ。
―――総ての術師職天恵を有した〈魔具職人〉の新人。
取りも直さず、それはこの世に数え切れない程あるスペルの遍くを、『魔符』化できる可能性を持った職人だと言い換えることができる。
もちろん、あらゆるスペルを『魔符』化できるとは言っても、実際に作れるのは各術師職の初級スペルに限られることだろう。
総ての術師職天恵を有しているならば、戦闘職の天恵を少なくとも『9つ』は有していることになる。
才能の種を多く抱えすぎることは、大いに成長の枷となる。戦闘職のレベルが成長することは殆ど期待できず、初級より格上のスペルにはおそらく手が出ないだろう。
それでも―――あらゆる初級スペルが作れる人材というだけでも、大問題だ。
是が非でも自国に留め置かねばならぬ職人であるのは言うまでも無く、絶対に他国に奪られるようなことがあってはならない。
「職人を都市に縛るとなると……やはり、店を持たせるのが常道だろうな」
中央都市に店を構えるというのは、職人にとって大変に名誉なことだ。一等地であれば尚更で、自らの腕前もまた一等であることを示す証左ともなる。
生産職のギルド施設はどの中央都市にも必ず存在しており、工房も備わっている都合上、その気になれば職人は幾らでも都市を渡り歩くことができる。
故に、職人を土地に縛ろうと思うならば―――やはり『店』を持たせるのが最も効果的だろう。自分の店を持つ者はあまり遠くの都市に行こうとしないものだし、仮に他の都市へ出向くことがあっても、また必ず戻ってくるのだから。
城郭に囲まれた中央都市内の土地は、大聖堂などの例外を除きほぼ総てが貴族の所有地であり、中でも『侯爵』であるモルクは都市内でもかなり価値の高い土地を多く有している。
店舗としてそのまま運用可能な、適当な建物付きの良い土地を安価で貸し出すと提案すれば、断るような職人などいよう筈もない。
もちろん土地は貴族にとっての重要な切札でもあるので、安易に切って良いものでは無いのだが。サヴァカームの頼みとあらば惜しむつもりもない。
「あい判った、良さそうな土地を見繕っておくとしよう。ちょっと今は……先に片付けねばならぬ案件が溜まっておる故、すぐには動けんが。夏が終わる頃までには私のほうから手を回しておくとしよう」
「有難い。これで僕も遠慮なく、新人に自分の技術を教え込むことができる」
「礼には及ばん。職人の保護は貴族の義務のひとつでもあるからな」
実際、モルクは多くの腕の立つ職人に自らの土地や建物を貸し出し、その身柄を自国に保護している。
とりわけ掃討者にとって関わりの深い〈鍛冶職人〉に関しては力を注いでおり、自分の土地に『豪鉄』や『鉄華』といった有名な武具店を幾つも抱えていた。
(私の店子に『魔具店』ならぬ『魔符店』が加わるというのも、面白い)
優れた職人を自分の土地に保護していることは、貴族にとって一種の評価ともなり得る。
多様なスペルの『魔符』が陳列される魔具店―――〈イヴェリナ〉でもまず見かけない、そのような希少な店を自分の影響下に持つことは、モルクにとっても多分に旨味のある話だった。
「ああ―――その魔符は手土産代わりに持って行って構わないよ」
「ふむ。買うつもりでいたのだが、そう言うなら有難く頂戴しよう」
「おっと、余計なひとことだったかな」
世にも珍しい〈銀術師〉スペルの魔符を片手に、モルクは『魔具職人ギルド』を後にする。
(珍しいものには目が無いほうだが……)
それまで滅多に入手不可能だったものが、当たり前のように手に入る時代が来るというのも、それはそれでまた面白いものだろう。
(しかし……この『魔符』を作成した職人の名。以前にどこかで、見たことがある気もするのだが……)
アイテムの詳細を眺めながら、その末尾に記された『シグレ』の名を思う。
それが、以前手に入れた『御守り』の制作者に刻まれている名と同じであることにモルクが気付いたのは。自宅に帰り、その日〈フェロン〉から届いたばかりの葡萄酒を開け、妻と共に晩酌を楽しんでいる時のことだった。




