ジェットコースターにはご注意下さい
ジェットコースターの名前は「ハッピーコースター」ハッピーアイランドの目玉アトラクションだ。
俺たちは少し並んでハッピーコースターに乗り込んだ。
「どのくらい怖いんだろうねーw」
田中が俺をからかうように言ってくる。俺がジェットコースター苦手だと思っているのだろうか。実際は、得意分野なんだけどな。
「凛林君私めっちゃ怖い〜」
後ろの席に座っている田口の声が震えていた。振り返るのは面倒なので、「大丈夫大丈夫ー」と励ましの言葉だけかけてやった。
「それではハッピーコースター出発5秒前!4!3!2!1!ゴートゥーへブーン!」
ジェットコースターが動きだした。ゴトゴトという小さな音を鳴らしながら、俺たちの体を空に向かせる。
ゴトゴトゴトゴト
しかし、さっきの掛け声は何なんだ。ゴートゥーヘブンってなんか縁起悪いな。
「ねえやばい!ほんとにヘブンしちゃう!やばいやばい!」
上り坂のてっぺんに近づくにつれて、田中が焦りだしている。ただただうるさい。
背後に耳を澄ませてみると、話声が聞こえた。どうやら内海さんが田口を励ましているようだ。
人の声とハッピーコースターの機械音が混じる中、ハッピーコースターがいっきに向き下げた。
「キャアアアアアアアアアアアアア」
俺はこの瞬間がたまらなく好きだ。自分の周りやコースターは雄叫びをあげ、俺は静かに落ちる。なんだかみんなと違う空間で生きているような感覚だった。
あっという間にハッピーコースターは終わってしまった。
それからは様々な乗り物に乗った。ミニコースターだったり、迷路だったり。あっ、でもコーヒーカップは乗らなかった。俺酔いやすいからw
昼食の時間になった。みんなそれぞれ好きなものを頼み、食した。
「ねえ、もっと仲を深めるために2人組になって別行動しましょうよ!」
内海が突然言い出した。どうしたんだろう。彼女はこういうことを言わないタイプだと思ってたのに。
「い、いいねそれ!凛林君一緒に行動しない?」
なんだこれ。茶番を見ているかのように二人の会話が演技っぽかったので、俺は少し怪しんだ。しかし、田中とずっと話すのも飽きたのでOKすることにした。でも、どちらかというと内海さんとがよかったかな。
「やったー!じゃあ行こっ!」
田口に服を引っ張られる。突然ハイテンションになる田口に対して、少し戸惑いながらも歩を進めるのであった。