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001  22世紀の日本

 第三次世界大戦によって人類のパワーバランスは崩れた。インドが独自に開発したギムノサリアガス核弾頭と呼ばれる兵器が日本と米国の襲った。その結果、日本は東京を中心とした東日本全域が消滅し、米国も同じように半分の面積が核弾頭によって削り取られてしまった。言うまでもないが、この戦争マーケットはインドのが勝利者となった。それから100年以上が立って22世紀となった今でもインドが世界のリーダーとして君臨している。アメリカと日本は辛うじて経済の破綻は免れたが依然の様な力は持っていない。植民地にならなかっただけマシだと前向きに考えるべきだろうか。本来ならばインドの属国に成り下がってもおかしくは無い状況にあった。そこはインドの対応が以外にも紳士だったと捉えるべきだろうか。まあそれはさておき、今は22世紀の時代に突入していた。某青い狸が主人公の漫画ではタイムマシンが創造されていたり、地球破壊爆弾というとんでもない兵器が製造されているが、この世界ではタイムマシンも地球破壊爆弾も開発されていない。100年前の21世紀では考えられない方向に時代は進んでいた。インドの暴走を止めたのは紛れもなく神の存在だった。そう今までの宗教が全否定された瞬間である。第三次世界大戦でインドが超強力兵器を持ち、独走状態になっていた。それを見かねた神様が地球に降臨し、強制的に和平交渉を促進した。一方のインドは面喰って神様の言いなりとなって戦争中止を宣言したのだ。それ以降、神様が地球に訪れた事は無かったが、その変わりに今まで幻想だと思われていた生物が発見されるようになった。カバに羽根が生えていたり、四足歩行だが顔はオオカミだったりと妙な化け物が出現してしまう。その生物共は日本のみならず世界中に蔓延して人間に襲いかかった。人類は一応の勝利を収めたのが、依然として謎の生物共は世界中に潜伏している。勿論数は減った。昔はそこら中にモンスターだらけだったが、今ではモンスターを発見して警察を通報する余裕がある。ようするに事件勃発程度の頻度でしか現れないのだ。日本ではこのモンスター共を恢飢かいきと呼んでいて、恢飢から身を守るために重火器の使用が法律的に許可されている。無論、人間に向けて使うのは禁止されているので安心されたし。ようは恢飢の出現が問題になって自分の身は自分で守ってくださいと政府が重火器の使用を許可したのだ。と言っても、恢飢には普通の兵器は通用しない。何等かの魔法効果付きの武器でないと効き目が全くないのだ。神様が降臨して我々に魔法の存在を知らしめたのが不幸中の幸いだろうか。故に青狸が理想とした22世紀では無かったと前述に触れたのだ。今の時代、科学の進歩だけでは説明がつかない。魔法が発見されてからは科学と魔法の均衡が保たれた時代になった。ある意味では文明が画期的に進歩したかもしれない。そんなこんなで、今の日本は科学と魔法が発展している。東京都は例のギムノサリアガス核弾頭で崩壊したので、今は東京都の代わりに新しい首都が出来ている。以前は奈良県と呼ばれた場所に今の首都は存在している。名前は第六世代の東京都。東京都は核弾頭の影響だけに及ばず恢飢の進行によって計5回の襲撃を受けた。その度に首都崩壊してしまい今では都道府県が以前の半分以下となってしまった。それが影響して政府達は国民を増やそうと移民達を歓迎する姿勢を貫いている。今ではアメリカのような多国籍国家に成り下がっている。人口は以前と同じく1億人を超えたぐらいの位置に就いているが、今と昔では日本の面積が全く違う。東日本はギムノサリアガス核弾頭によって放射能汚染されゴーストタウンと化した。とても人が住める環境じゃないので東日本は半永久的に隔離状態だ。西日本にまで放射能が漏れないように分厚い壁で遮っているのだ。まるでかつてのベルリンのように。


 そして、22世紀の今では恢飢と呼ばれる魔物達が活発的な動きを見せている。以前は警察だけでも対処可能な頻度だったが、今では民間企業に頼ってしまう現状だ。その原因となっているのは国王の存在だ。昔は天皇と呼ばれていた彼等が名前を変えて日本を魔の手から救っている。天皇もとい国王には昔から魔力が備わっていた。それも日本人の平均魔力値を遥かに凌ぐ力だ。そんな力を持っていると日本に恢飢避けの結界を張るのも造作は無かった。故に今までは恢飢の活動が最小限に抑えられていたという訳だ。ところが、国王も年齢による衰えには勝てなかった。年々魔力値が減少傾向を辿っている。世代交代しようにも衰えた国王に勝る魔力を持っている人間がいない現状だ。日本全土を覆い尽くす結界を張るのは並大抵の魔力では不可能。いかに王の末裔であっても長期の修行が必要だった。未だに後継者達は修行を終えていないので、警察や民家企業が奮起している訳だ。しかしそれでも恢飢による襲撃は増すばかり。このままでは治安維持が出来なくなってしまう。そんな危機を救ってくれたのが王覇師団と呼ばれる組織だ。彼等はこの世界とは全く別の世界から来訪して、地球を恢飢達の手から救うと言い出した。最初こそは半信半疑だったが、彼等は異次元級の力を発揮して恢飢共をボコボコにし始めたのだ。彼等の世界では恢飢を倒して利益を生んでいる者を祓魔師エクソシストと呼んでいた。此方側の世界もそれにあやかって、恢飢退治のエキスパートを祓魔師と呼ぶようになった。それ以来、祓魔師を目指して魔法学校や専門学校に入学する者が相次いで増加した。祓魔師の主な武器は魔法効果付きの武器だ。前にも言った通り恢飢には一切の通常兵器は役に立たない。だからこそ恢飢を倒すためには魔法を学ぶ必要がある。世界がこういう現状のためか魔法は学校の最重要教科に指定され、必須科目に成り上がった。今では魔法専門の学校が猛威を振るう時代に突入してしまった。


 そして舞台は変わって第六世代の東京都。ここでは碩大区せきひろくと呼ばれる場所が日本の中心部として認知されている。碩大区には世界最大級の魔法学校があり、毎年世界中から入学志願が後を絶たない。倍率も他の学校とは桁違いだ。その学校は足若丸魔法学校と呼ばれている。面積は核戦争前に北海道と呼ばれていた場所とほぼ同じ。いわば超特大のマンモス学校だ。それ故に全校生徒も1万人を軽く超えていて一種の学園都市になっていた。逆に言えばこうでもしないと恢飢対策が間に合わない現状なのだ。世界中から生徒を呼び込んで片っ端から魔法教育を行う。米国で例えるならばメジャーリーグと一緒だ。あそこも数を打てば当たるの戦法を取っているので毎年のようにスター選手がメジャー昇格する。その手法を真似たのかどうかは知らないが、とにかく足若丸魔法学校からもスターと呼ばれる魔法使いや祓魔師は輩出されているのだ。皆が皆、スターを目指すために入学する訳では無いが、それでもスターを目指す学生は少なからず存在している。その内の一人を紹介しよう。彼の名前は寺田誠てらだまこと。名前だけ聞けばゴクゴク平凡に思えるがそれは誤りである。彼は足若丸魔法学校でも有名なクレイジー生徒だ。彼の行動と言動はとても変わっていて、先生方も手に焼いている。ところが恢飢に関しては特別な力を発揮し、他の生徒の何倍も恢飢退治を行っていた。それが影響してか、自分で恢飢退治専門の会社を作ってしまった。勿論、寺田誠は社長の座に君臨している。社長と言えば華やかだが実際は零細企業のトップに過ぎない。寺田は会社に利益を生み出すためにも自らが率先して恢飢退治をしている。その手には武器を担いで、頼まれた仕事は何でも引き受ける。そうでもしないと従業員二人しかいないので穴は埋められない。社長を含めて二人だからか、圧倒的に人手は足りないのだ。社長が突撃して利益を生み出さない限りは給料さえも発生しない。そrでも寺田社長は自分なりにビジョンを描いて会社発展を目指しているのだった。



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