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俯棺風景  作者: ししゃもふれでりっく
第一話 少女の見た世界
4/116

03



 おまけとばかりにもう片方の目も撃ち抜けば、ようやく少女が膝から崩れ落ちた。どす、という鈍い音と共に顔面から地面へと。ひび割れたアスファルトに彼女の瞳から流れ出る赤い血が拡がっていく。


「見事に裂けているね」


 腕に刺さったままのナイフを抜いて治療を始めようとして止めた。


 骨を避けるように骨と骨の間に突き刺さったそれは一の腕を縦に引き裂いていた。抵抗しなかった所為で今度こそ直線だった。もう少し手首側まで切られていれば裂かれた手の平と相まって、腕が三本に増えていた事だろう。こんな傷を付けられるというのはステータスどうこうではなく先天的な才能だと思った。そして、そんな相手に付けられた傷を簡単に治してしまうのは勿体ないと感じた。


 先程手に入れたインプラント何某の肉でも食べればHPが回復し、それに伴って傷も治るだろう。けれど、今暫くは自然治癒―――自動回復に任せるのも良い。どうせまだ2割ぐらいはHPも残っている。大人しくしていれば継続ダメージを自然回復量が上回る。


 そして、それは彼女もまた。


「殺すのは勿体ない」


 目を撃ち抜いたら当然弾丸は脳へと到達して普通は死ぬだろう。普通は。相手のHP状況が分からないため何とも言えない所だが、未だ彼女の息はある。ならばこんな状態であっても放っておけば自然に回復する。継続ダメージの所為で時間はかかるだろうが、撃ち抜いた目も元に戻るだろう。その事だけは何とも奇妙に感じるが、それがこの世界のルールなのだから仕方がない。治るものは治るのだ。


 勿論、分かっていてそれをやった。


 DEXがいくら高かろうと弾丸生成能力で生成された弾丸はかなり程度の悪いものだ。初期装備の方がまだましといえるものだ。故に、目を潰した所で死ぬことはないだろうと思っていた。まぁ、死んだら死んだである。残念とは思っても、そんな程度だ。僕が殺すのだから別段憂いはない。他人に殺されるのは勿体なさ過ぎて助けてしまうかもしれないが……


「聞こえているかどうかは知らないけれど、僕は君がどうやって人を殺すのか見てみたい」


 そんな風に声を掛けていても、一向に彼女が目を―――勿論、目はないのだけれど―――覚ます事はなかった。


 御蔭で、手持無沙汰になってしまった。


 精々SPやHPを回復するために座っているぐらいのものだ。


「あぁ、継続ダメージの量は程度によって違うのかな」


 ふいにそんな事を思った。その辺りの細かいゲーム仕様は未だ良く分からない。ゲーム攻略サイトでもあればまた話は別だが、手探りで知って行くしかない。そんな自分への言い訳をしながら仮想ストレージから包帯を取り出し、彼女の眼を覆う様に巻く。


 取り出した包帯アイテムの説明文を見れば、その効果は継続ダメージの低下であった。低下と言う事はやはり状況によって違うのだろう。そんな当たり前の事に今更気付いた自分の馬鹿さ加減に少し辟易する。折角殺さずにおいたのに、手当てが遅れて死んだとかは流石に情けない事この上無い。


 そんな風に治療行為らしき事をしていれば、いつのまにか僕の視界の端に映っているHPバーが半分まで回復していた。それに伴って傷が少し減っており、痛みもまた和らいでいた。


 それから小一時間程待っても彼女の目は覚めなかった。勿論、僕の方はとっくに完全回復状態である。SPの方も回復し、いつでも動ける状態だった。


 かなり暇だった。


 結果、立ち去ろうと思った。


 血に染まった包帯を眼帯のようにつけた少女を延々と見ている趣味は僕にはない。そんな少女を見ているぐらいなら人型の悪魔を殺していた方が時間の無駄にもならない。


 彼女の見る世界に興味はあったけれど、それは次に会った時でも良いだろう。


「是非、それまで死なないように」


 荒廃した道路に眼帯少女を置いて立ち去る下手人。それが今の僕だった。


 悪くない気分である。


 そんな悪くない気分のまま耳を澄ませながら、しんと静まり返った廃墟の中を歩く。


 この界隈に出て来る悪魔はどんなものだろうか。今更ながらにそんな事を思い浮かべる。流石にインプラントデビルだけではないだろう。


 最初の土地を離れて狩りをしながら一ヶ月。辿りついたのは現実世界の自分が住んでいた地方都市だった。このゲーム、親切心なのか山間や海方面に行くと敵が強いみたいだが、都市部や人工物があるような所は比較的弱い悪魔が多いようだった。もっとも建物内や有名な土地や神社仏閣となると正直な事を言えば分からない。昔あったゲームのように由来のある場所にはその由来の悪魔やら神様が出て来るのかもしれない。が、そちらもまだ行ってないのでこれもまた何とも言えない。ともあれ、その御蔭で曲がりくねった線路の上を延々と歩くという面白い事が出来たのは普通に楽しく感じられた。時折、朽ちた電車があったのもまた、少し楽しさを感じた。廃墟マニアならそれこそこの世界に住みたいと思った事だろう。


 逆を言えば、日本全国を行脚して参加者6800名その全てを殺さなければならないというのは億劫でもあった。交通手段というのは今のところ僕の知る限りでは徒歩しかない。車やバイクなどといった代物は壊れたものがそこらに落ちているものの、直せるような技量はもっていないし、所詮背景オブジェクトである。道具として得られるような事もなし。


 それを思えば、態々歩いてこの地に訪れた少女もまた、生家がこの辺りにあるのだろうと、そう思う。住み慣れた町の方が行動はしやすい。どこに何があるかが分かるのだから逃げる必要がある時に隠れ場所を考えなくても良いというのは便利な事である。


 ともあれ、ゲームとしては移動面でいささかバランスが悪い。間違いなく移動手段は何かある事だろう。そうでもなければ、世界が次第に消えて行くとかそんなイベントでもあるに違いない。


「あぁ、イベント……一応ゲームを謳っている以上、何かあるのかな?」


 今のところ、ネットゲームのイベントやクエストの始まりを担うNPCとは話していない。用が無かったからというそんな理由である。


 ちなみに、NPCと人間の区別は非常に分かり易くなっている。頭の上に名前が出ているのだ。見た目だけでいえばどちらも大差はない。そして、そのNPCが殺害できるのもまた、確かな事だった。初日のあの女の爆発にはNPCも巻き込まれていた事を思えば分かるというものだ。もっとも、そんな魂の欠片もない存在を殺した所で何の意味もないので興味もない。寧ろ、商人系のNPCを殺したら、もう商品が手に入らなくなる恐れもあるわけで、利便性を求めるならばNPCを殺すのは損でしかない。


 もっともそれは僕の意見であり、他の人間は違う事を考えるだろう。NPCを殺する者も当然いるだろう。


 そんな事を考えていれば、耳に瓦礫の崩れる音が響く。


 悪魔の登場だった。


 地を這いずり周る犬の様な生きモノだった。いや、これを生きモノと言って良いだろうか。爛れた皮膚の隙間からは赤茶色に濁った骨が見える。内臓は流れ落ちるように垂れ落ち、所々が裂けた腸によって胴体と繋がっていた。その姿を思えば生けるゾンビと言えば適切だった。四肢を使って地面を這いずりまわる人型の悪魔をそういうのならば。


 一見して、汚いと思った。汚いと思った瞬間、拳銃を取り出し、カシャンとスライドを引き、弾丸を弾倉から薬室へと移動させる。次いで、そのゾンビの中心を狙って引き金を引く。一発、二発。マガジンに内装された9mmパラベラム弾が次々と射出されて行き、ゾンビの体に埋め込まれた。ぎゃん、という可愛らしくない悲鳴と共にそのゾンビが僕へと向かってくる。鈍い。先程の少女に比べて何と鈍い事か。SPは全快であり、都合4回連続でリロードを行える。弾倉に15発、計60発の内何発通せばあれは死ぬだろうか。既に半ば死んでいるであろう存在に死ぬという何とも詩的な表現をしながら次々と引き金を引く。都合20発。それでゾンビが沈んだ。インプラントデビルよりも3発程度少なく倒せるという事を理解した。と言う事は、この辺りの悪魔は大体そんなものなのだろう。


 近づき、ナイフで肉を切り裂けば『アンダードッグの肉を手に入れた』というテロップが視界に映り、苦笑した。あまりにもあんまりな名前だった。


 ともあれ、1対1ならば大丈夫そうなことに少し安心する。2匹に囲まれたら今の戦闘継続能力では心もとない。これが1匹につき2,3発ぐらいになるまではここでレベルを上げるべきだと、そう感じた。そうやって今後の予定を立てていれば、空からスカベンジャーが降って来た。見た目カラスとそっくりなスカベンジャー達がアンダードッグの肉に喰い付く。つんつん、ぱくぱくと美味そうに腐肉を、恐ろしい速度で食べて行く。そんな彼らに向かって引き金を引き絞る。バスン、と音を立ててスカベンジャーが1匹死んだ。その死体を他のスカベンジャーが嬉々として食べる。次いで2発、3発とアンダードッグに群がるスカベンジャーを殺していれば、更に空からスカベンジャー達が降って来た。


 ちなみに、スカベンジャー達はその名の通り掃除屋であり、死体を掃除するのが役目のノンアクティブ悪魔である。隣で仲間が死のうが何も気にしない、そんなノンアクティブさが僕は結構好きだった。もっとも、掃除役というある意味でシステム側の彼らを殺した所で経験値が得られるわけもなく、ナイフで切った所で何かが得られるわけでもない。無害で意味のない奴らだ。


「ほら」


 殺した詫びでもないが、仮想ストレージからインプラント何某の肉を取り出し、地面に落とせば1匹のスカベンジャーが近づいて来て、良いの?とばかりに僕を見上げる。どうぞ、と手で即せば嬉しそうに羽をパタパタさせながら肉を啄ばむ。その姿が少し可愛らしいと思った。こういうあどけない感じの鳥類は妹が好きだった。


 それを暫く眺めていればスカベンジャー達が飛び去り、世界に綺麗さが戻った。そして、僕はその場を立ち去る。そうして、幾度かアンダードッグやインプラントデビルを射殺してはスカベンジャーと戯れながら、デジタルな太陽が南中を示す頃、崩れ落ちた実家に辿りついた。


 何の感慨も浮かばなかった。


 精々思った事といえば、この壊れている家を見たら両親や妹が悲しむだろうということ。中でも感情豊かな妹が一番悲しむ事だろう。妹の愛猫である所の黒猫のアイン・ソフ・オウルを抱えてわんわん泣く事だろう。僕を見つけてアインを投げ捨ててお兄ちゃーんと叫ぶように声をあげながら抱きついてくる恐れもある。まぁ、そうは言っても別段、妹が嫌いなわけではない。世間様からは仲の良い兄妹だと思われているぐらいなのだから。スカベンジャーの一匹ぐらいは土産に持って帰れないだろうか。そんな風に思うぐらいには妹の事は好きだった。アインとの鳥獣決戦が始まりそうで少し心配ではあるが……。


 そんな感傷とも思えぬ感傷を浮かべながら別の場所へと向かう。宛てはないが、目的ははっきりしていた。休める場所を探す事だ。身を隠す事ができ、雨をしのげる場所であればどこでも良いといえば良い。実家が使えれば便利ではあったが、真面目な事を言えばヤクザ屋ならまだしも、個人邸宅内をゲーム内に実装するのは無理だったのだろう。素直に諦めてランドマークになっていた場所へと移動する。最悪、駅舎で良いが、あそこは僕と同じく線路を通って来たものが最初に訪れる場所であり、身を隠すという目的には宜しくない。


 そうやって再びスカベンジャー達と戯れながら何か所かを巡り、宛てをつけていれば、話し声が聞こえてきた。一ヶ月間誰にも会ってなかったというのに今日は良く人に会う日だった。


 咄嗟に瓦礫に身を隠して様子を伺っていれば、遠くに三人の男の子が見えた。まだ中学生ぐらいの年若い少年に見えた。彼らは仲良さそうに話しながら、周囲を警戒する事もなく歩いていた。


「地方都市の割に参加者が多い」


 人口比率で考えれば精々2,3人ぐらいだと思っていたけれども中々どうして。


 遠目から彼らの装備を見る。


 先頭を歩く体育会系のがっちりした背の高い少年は、遠目でも分かるぐらいに大きな鎌を持っていた。死神が持つような鎌といえば分かりが良いだろうか。その彼が彼らの中のリーダーなのだろう。それに付き従うように2人が歩く。そしてその2人は片手にサブマシンガンを持ち、それを肩に乗せていた。そちらは遠目には良く分からなかったが恐らくはH&KのMP5。海上自衛隊の特別警備隊にも配備されているフルオート時のコントロールがしやすい命中精度の高いサブマシンガン。ゲーム的な性能は分かり兼ねるが、ぱっと見では到底正面から立ち向かおうとは思えなかった。3人とも防弾チョッキを身に纏っているのが尚更それに拍車をかける。


 恐らく、彼らは自衛隊基地にでも行って来たのだろう。そんな事を自然と想像させる装備だった。しかし、そうか。ヤクザ屋に行くよりもそっちの方が良い武器が手に入る確率は高いな、と納得した。そして、


「そういう場所には人が多そうだ」


 彼らは一体、どれだけそこで殺したのだろうか。良い武器を求めて集まった者達。我先にと武器を手に、他者を出し抜く。その際にどれだけ人を殺したというのだろうか。ぞくり、と背筋を走るのは冷や汗などではなく興奮のそれ。彼らの行った行為を想像しながら、彼らの行く先を見つめる。


 これからまた殺しに行くのだろうか。そんな事を思う。


 いつか自分達で殺し合う事を想像しながら、和気藹々、笑い合って行く道程。そんな最後の時を彼らが想像していないという事もないだろう。


 その時生き残るのは3人の内誰だろうか。使い辛そうな鎌を持っていたリーダー格の少年だろうか。体躯だけを見れば彼が一番強そうに見えた。それともやはり重火器が優勢だろうか。興味は尽きなかった。


 後を追いかけて彼らの殺し方を見ようと、そう思った。


 だが、残念ながらそんな事を思った所で邪魔が入った。


 相変わらず犬の様な格好をした負けアンダードッグが2匹。腐臭を放ちながらずり、ずりと僕に近寄って来る。


 気配を読むなんて高等な技術が僕にあるはずもないが、それにしても急に現れたように感じられた。あるいは、この付近で沸いたのだろうか。考えながら、身を隠していた瓦礫から出て少年達とは逆方向に走る。四足で這って移動するので大して移動速度が早くないのが幸いだった。この場で銃声を放てば少年達にも聞こえる事だろう。悪魔に加えて彼らまで来て貰っては流石に僕も困る。そう思って、その場を離れる。


 振り切ってしまおうと思っていた僕の努力の甲斐なく、2匹の悪魔は僕の後をしっかりついてきた。まさに犬だった。


 そうして彼らの姿が見えなくなるぐらいまで離れた所で漸くCz75のスライドを引き、次いで照準をアンダードッグに向け、引き金を引く。1匹を集中して攻撃して殺し、さらに移動しながらSPを回復し、次の1匹を仕留める。


 そして、そいつらを殺した所でファンファーレが鳴った。


 レベルがあがった。


「あぁ……確認してなかったけど」


 Cz75を腰のホルダーに差しながら、視界に映る経験値バーを確認すれば0%に戻っていた。


 これで13。


 世間様からすると不吉と呼ばれる数字である。


 その事に僅かな苦笑を浮かべながら淡々とステータスを上昇させる。当然、DEXだけ。VITをあげてHPを増やすのはこの世界で生きて行く上で重要だろう。だが、こんな低レベルで大してあがりもしないVITを上げた所で意味があるだろうか。それならば攻撃力を上げてレベルを上げた方が良いだろう。そんな考えだった。先程の少女との戦いでHPの低さに嘆いていた事なんて忘れた。きっとこれからも忘れ続ける事だろう。


 ともあれ、真面目に冷静に考えれば、同レベル帯の彼女がSTR-AGIの2つのパラメータに振り分けていても、あれだけ力強く、あれだけ素早く動けるのだからもしかすると多少のVITの上昇でも目に見える効果はあるのかもしれない。ヘルプでは用語説明以上の情報が得られないので、そういった所は手探りでやっていくしかない。もっとも、生憎と僕には後戻りが効かないステータスを手探りで検討する勇気はなかった。だから分かり易くDEX極振りなのだ、などと自分に言い訳する。


 とはいえ、いつまでも自分に言い訳をしていても仕方がない。スカベンジャー達が来る前に解体しよう、とサバイバルナイフを手にアンダードッグを解体していく。もはやお馴染みのテロップが視界の端に映るのを確認し、続いて次のアンダードッグへと手を掛けようとして、再び思考の海に沈む。


職業ジョブとかはあるんだろうか……」


 ステータスの事を考えていた所為だろう。ネットワークゲームには付き物の職業ジョブが頭に思い浮かぶ。が、当然、分からない。ヘルプを見てもそれらしい事は書いてない。だから無いのか?というと微妙な所だ。職業ジョブの無いゲームというのも無い事はないが……


 そうやって、そんな基本的な事に思い悩むのは、レベルを上げる事に専念し過ぎた結果である。多少の危険は侵したとしても、いい加減、どうにかして情報を集めなければと感じた。


 拠点を決めたらそういう方面についても努力するとしよう。そう自分に言い聞かせる。


「他のプレイヤーは自分と同じか、それ以上と考えた方が良いな……」


 弾丸生成能力があるために残弾を気にせずいつでも銃が使えるのはアドヴァンテージである。けれど、先程見た少年達のような、集団で殺す……レべリングを行っている者達がいるのならば、そんな面白い人達が数多くいるのならば、そんな能力は大したアドヴァンテージにはならない。


「能力を有効活用できそうな場はないかな……」


 攻撃範囲外から攻撃し続ける事ができるようなそんな場所とか。多少レベル差があろうとそういう場所があれば弾丸生成能力が役に立つだろう。真っ当なVRMMOなら卑怯だ!などと言われて晒されそうな行為ではあるが、そんな事を気にする理由もこの世界にはなかった。寧ろ、そんな場所で狩りをしているのが誰かにばれたら、殺されて代わりにその殺したプレイヤーがそこに居座るだけだ。


「とりあえず、休める所とNPCを探して情報収集あとは……狩り場探し、と」


 そして、13という数字を終わらせてしまおう。


 だが、生憎と今はオンタイムで13レベルである。


 その不幸な数字が不幸を呼んだのか。それは分からない。どちらかといえば、馬鹿みたいに路上でアンダードッグを解体しながら考えごとをしていた所為だろう。少女の時に引き続き、一瞬、反応が遅れた。


 しゃりん、という鈴が鳴るような音に反応して、瞬間銃を腰から引き抜き、振り向いた瞬間には遅かった。


「殺す気はない。ちょっと話がしたいんだ。拳銃から手を離しておくれよ」


 振り向いた先、そこに刃があった。可愛らしい感じの顔をした少女だった。再三人に会う日だ。


 なんだかさっきも同じような状況だったように思う。いや、そうでもないか。さっきの少女とは違い、今度は目の前に刃があるのだから。


 全く……気配察知の技能が欲しいと心から思った。


「この状況で言われてもね」


「同感」


 刹那、相手の額へと銃口を向け、トリガーを引き絞る。


 轟音と共にその少女の頭が少し傾いた。


 だが、それだけであった。


「だから、殺す気はないって。でも、良い確かめ方だ。次からは私も使うとするよ。そのまま殺してしまいそうだけど」


「御蔭で納得したよ」


 苦笑と共にCz75を下ろし腰元のホルダーへと戻す。もっとも下げる必要もなかった。効かない武器をちらつかせた所で自分の視界の邪魔になるぐらいのものだ。弾丸生成能力もこんな相手であれば意味がない。どれだけ撃とうと傷一つ付かないのならば何の意味もない。


「君は、どれだけ殺したんだ?」


「さぁ?後でランキングでも見てきたら?ここからだと……えっと。地名で分かるかな?城址公園。そこに掲示板があったよ」


 軽々と言ってのけるこの少女は、この一ヵ月の間にどれだけの人間を殺して経験値としたのだろうか。


 ランキング、その言葉の意味は流石に僕も知っていた。


「可愛い顔して良くやる。尊敬するよ。心から。皮肉でなしにね」


「それはどうもありがとう。ま、でもさ。可愛いって言葉に関してはノーコメントね?所詮、創り物だし」


 言い様、きらりと刀が煌めき、しゃらんという鈴が鳴る様な音と共に刃が鞘の中へと仕舞いこまれた。なるほど、先程の音は刀を抜いた音だったか……そんな事を納得していれば、鍔の下と鞘の先端を結んだ紐の間に腕を通し、肩に掛ける。まるでショルダーバッグを肩に掛け、今からショッピングに出かけるとでもいうような、そんな気軽さだった。そして、18にも満たないであろうその少女は笑みを浮かべた。


「あぁ、こんな格好しているけど、コレも中身も男の子だから勘違いしないように」


 修正、少年は笑みを浮かべた。


「説得力が無い」


「同感」


 柔らかい声、幼ささえ感じる愛らしい顔、セミロングの黒い髪、薄紅色の唇、淡く青みがかった瞳。左目の下には泣き黒子。髪の色に合わせたように黒一色で構成されたフード付きのロングパーカー。それに隠されたように僅かに見えるのはデニムのショートパンツだろうか。そして性別を惑わせた極め付けは、黒いオーバーニーソックスだった。あざとさすら感じるぐらいに『女』を前面に出している少年だった。


「油断させるには良いんだよ。ただそれだけの理由さ」


「だったらなぜ僕を殺さない?殺さない理由はないだろう?」


「聞きたい事があった、というのは事実だよ。けれど、本当は君が私に似ているからかな?見ていたよ、何の感慨もなく何の恐れも無く死体の山から弾丸を拾っていたのを」


 『初日』の事だ。


 銀髪の爆弾魔が殺した人から弾丸を拾った、ただそれだけの事だ。本来、弾丸は有限である。そんな弾丸を無駄に消費できるようになる理由といえば、そんなものだ。ただ大量に手に入れたから以外の理由などない。そうやって初日に手に入れた弾丸を使って延々と射撃訓練をしたり、悪魔を殺したりしていれば、いつしか弾丸生成能力なる在り難い能力を得ていたのだった。


「限りある資源を有効に」


 苦笑交じりに肩を竦める。


「戯言だねぇ。ちなみに、ビュレットというまんまな名前の妖精かな?それを殺せば質の良い弾丸はいくらでも手に入るよ。問題は小さいから拳銃だと攻撃が当たらないって事かな?」


 顎に人差し指を当てるというそんなあざとい仕草をしながら少年がケラケラと笑う。良く笑う奴だと、そう思った。先程の少年達も和気藹々笑い合っていたが、それよりも自然に笑っていると表現すれば良いのだろうか。酷く印象的な笑みだった。


 殺伐としたこの世界でにこやかに、晴れやかに笑えるというのも一種の才能なのだろうか、そんな戯言が浮かぶ。もっとも、こんな風に笑う少年がランキングに載っているというのだから空恐ろしい話でもあった。


 『彼』の趣味なのだろう。


 開始から一週間経った日、突如としてキルカウントトップ5なる情報が書かれた電子掲示板がそこかしこに設置された。先程少年がいったのもソレの事だった。先日、どこぞの廃駅内でそれを見た限りでは断トツの1位は間違いなく例の女―――そこに記された名はWIZARD―――だった。そして、その真下にあった名は……


「NEROだったかな」


「正解。ま、運営が勝手に付けた名前だけどねぇ。二つ名?ダサいよね。こんなに可愛い私の事を暴君だとでも言いたいのかな?しかし、それにしてもあれだよね。DEMON LORDだっけ?その人が5位で、5人でしょ?皆、何しているのかなぁ。還りたくないのかな?あぁ、もしかしてもっと殺していた人を私が殺しちゃったとかかな?だったら良いや」


 そう言って、再び笑った。嬉しそうに、少し誇らしげに。


 そんな少年の姿に眩しさを感じた。こんな風に笑う彼が何を思いながら人を殺したのか、そのことが酷く気になった。さっきの少年達などもはやどうでも良いと思えるぐらいだった。大量殺人犯である彼のその思考がとても僕の興味をそそった。


「私に似ている君がトップ5に躍り出る事を私は心の底から祈っているよ?ううん。いずれそうなるよ。間違いなく。君は私と同じく、殺す側の人間だよ」


「人を人殺しみたいに言うんじゃないよ。この殺人鬼」


「そんな昆虫みたいな感情の無い目をした人でなしに言われてもねぇ?」


「同感だ」


 そんな僕の返答に、少年が再び笑う。


「それで、何を聞きたい?僕が知っている事なんて何もないと思うけど?」


「知っていると思って聞くわけではないよ」


 そんな不思議な物言いをしながら、少年が再び口を開く。


「少年……達かな?中学生ぐらいの子供達。見なかった?」


「中学生……ね。ちなみにその中学生達が何をしたんだ?」


「遊び半分にNPCを殺して周っているらしくてね……レベル上げしたいなら大人しく悪魔や人間を殺していれば良いものを」


 憎悪。


 突如として少年から怒りが沸いた。


「殺せるのは分かっていたが、そうか。NPCを殺しても経験値が得られるのか……」


「悪魔よりましって所だったかな。でもね、お兄さん。それはいけないよ?」


 肩に釣った彼の刀がかちゃり、と音を立てた。


「魂のない人形には興味が無い」


「そ、良かった。ま、その意見には反対せざるをえないけど、まぁ、そうだよね。お兄さんは人殺しだもんね。当然といえば当然か」


「酷い言われ様だ」


 行動次第では、返答次第では次の瞬間には僕は死んでいたのだろう。ぞくり、とする。一瞬前までの純情そうな姿などもはや見る影もない。それぐらい突然切り変わるこの少年が何を考えているのか、更に気になった。


 しかし、何とも面白い世界だと思う。あの少女しかり、このNEROと名付けられた少年しかり。


「怖い子供達だ。……もっとも、僕自身、君にお兄さんと言われる歳でもないけどな」


「あぁ、そうなんだ。でもね、お兄さん。子供の方が残酷なのは昔からだよ。蟲を殺すように人に似た何かを殺せるんだよ。遊び半分にNPCを犯し、殺せるぐらいに、ね」


 再び沸いた憎悪を感じ取りながら、なるほどと納得する。


 彼の言う通りだとそう思った。反面、理性が勝ち過ぎる大人達はこの世界では生き辛い。こんな容姿だ。こんな創られた容姿の人間とNPCと悪魔しかいない世界だ。こんな世界で生きている人間なんて、創られた存在で、だからこそ、この世界は現実ではないと置き換えてしまえば楽なのに。人間を殺そうとしてくるものは現実には存在しない化物だって。だから、殺しても良いんだって。そう置き換えてしまえば随分と生きやすいと思う。まぁ、簡単にそれが出来ないからこその大人りせいだが。もっとも、僕もこの世界でなければ対外的には割と理性的な人間だと自負している。勿論、自負だけだが。


「世間一般では人を殺す方が罪深いんじゃないのか?」


「心にもない事をどの口が言うんだか。この世界にそんな罪なんてないよ。死にたくなければ殺すしかない。そんなルールの下では殺す事の方がルールに則った正義だよ。それでも罪を感じているとするならば、それは自己嫌悪だ。ただの自慰行為でしかない」


「同感だ」


 人を殺していけない理由はなんですか?そんな問いを掛ける子供に法で禁じられているから、そんな風に答える大人もいる。ならば法が違えば殺して良いのか?というと、良いと言わなければ論理矛盾だ。だが、得てしてそうは言わない。そもそもにして現実の法は、生きるために仕方のない殺人を許容しているのだから殺人を法で語るのはナンセンス。


 殺しても構わない。けれど、それでも私は殺さない、そういう想いにこそ動物ではない人間としての尊さがあるのだ。その想いは尊敬に値するし、その想いを僕は否定しない。けれど、だからこそ、僕は人でなしなのだ。そんな尊い人間が無残に死んでいる姿が見たい。僕は豚だとか魂の無い人形だとかの死が見たいわけではないのだ。そして同時に、それを成す人間の想いが知りたい。尊いはずの人間をどうして殺したのですか?とそう問いたい。『本当に死ぬかどうか試したかった』なんてそんな風に言われた日には絶頂してしまいそうだ。


「それでお兄さん。少年達は見なかったかい?」


「さて、ね。気の狂った少女は道端に捨ててきたけど」


 だから、嘘を吐いた。


 NEROの言葉を信じればNPCなどという非人間を殺してきた少年達が仮にあの少女を見つけた時にどうするか?殺すのか?それともあの少女に無残で綺麗に切り殺されるのか。それが、気になって嘘を吐いた。


「ふぅん?嘘は下手みたいだね。でもまぁ、そういう事にしておいてあげる。だから始末はお兄さんがつけてね?彼らが次にNPCに手を掛けたら、その責任はお兄さんにとってもらうよ?お兄さんがランキングを駆け上がる前に私がやっちゃうよ?」


「ばればれか」


「見え透いているね。でも、お兄さんがどういう行動を取るかが気になるのは事実だしね。そこは素直に知らなかったと受け止めておくよ。ちなみに折角だから教えておいてあげる。少年達はお兄さんと同じぐらいのレベルだよ。だから、安心して殺しに行くと良いよ?」


「分かるものかね」


「だってランキング5位で5人だし、そこに少年達の名前はないよ。ランキングに乗らない程度に殺して、加えてNPCを殺したとしても精々15ぐらいだよ。それぐらいが限界値だ」


 それは、何とも少年達からの興味が失せる話しだった。それなら、あの少女を彼らと会わせた時にどう彼らを殺すのかが見て見たいと思った。そんな事を考えているなどおくびにも出さず、NEROの言葉に頷いた。


「なるほど。だったら僕の攻撃でも通るか。それは良い情報を聞いた。ちなみに君は?」


「今は32だね。最近は低レベルプレイヤーを殺しても全く意味ないし困ったもんだよ。このゲームの経験値テーブルは異常だよ。1レベル上がるごとに必要経験値が跳ね上がるし。ま、長く続けるにはちょうど良いのかもだけれども……WIZARDでも多分40は超えてないんじゃないかな。流石に3倍差を埋めるにはまだ掛るけど、それだけ殺しても40だっていうならちょっとやる気が起きないなぁ……別の方法考えるかな?」


 言ってしまえばたかだか19の差ではあるが、ダメージ一つ通らないぐらいに違うものか。


「やはり狩り場を探すのは大事か……最優先事項としようかね」


「お兄さんぐらいのレベルだと人探しして殺した方が早いよ?」


「素敵なご意見どうも。この人でなし」


 言い様、腰からCz75を抜き、NEROの奥に狙いを定めて引き金を絞る。


 轟音と共に弾丸が射出され、NEROの顔のすぐ横を通過していく。


「Cz75。しかもショートレイルか。渋いね、お兄さん」


 そう言って、パーカーの内側から奇怪な形状のサブマシンガン―――FN P90を取り出し、私の後方へと弾を撒き散らす。


「それはどうも。一番好きな拳銃でね。運良く手に入ったよ」


 まぁ、トーラス・レイジングブルのモデル454以上があれば浮気しそうだが……


「あぁ、そうなんだ。だったら……Czシズ兄ちゃんとでも呼ぼうかな」


 FN P90のパラパラという乾いた音が僕達を囲んでいた悪魔を撃ち抜いて行く。


 気付けば、アンダードッグやリビングデッド達に囲まれていた。その数は軽く20を超えていた。見ている間にもその数が増えていく。さながら、ここが悪魔の生産工場だとでも言うかのように、所謂モンスターハウスに出会ったかのように。一瞬、この場から逃れようと思ったが、生憎と周囲を囲まれては逃げ道などない。稼ぎ場所を探していたのは事実であるが、こうも一方的な場所を探していたわけではない。


 だが、現状を嘆いた所で意味はない。まして神に祈った所で意味などあるはずもない。


 僕一人であれば、ここで喰われて終わりだった。『彼』が言う様に無為に無意味に食い殺されてゲームオーバーだ。それぐらいの想像力はある。間違いなくNEROがいなければ僕は終わっていた。だから、この状況は幸いだったと思おう。プライドの欠片もない、と言われれば甘んじて受けいれるぐらいに今の僕は御荷物だった。


 NEROのFN P90から射出される5.7mm小口径高速弾が1匹、2匹、次々と悪魔を肉塊に変えて行く。彼の攻撃力は、あるいは武器や弾丸が違うからなのだろうか。2、3発当てるだけでアンダードッグ達が沈んで行く。パラパラと軽い音を立てながら敵を撃ち抜いて行く。悪魔達の体から勢いよく血が噴き出し、次第、その匂いが鼻にこびり付いていく。それが僅か心地よい。自動小銃による殺害は蜂の巣を作っているようで好ましいとは思っていなかったが、こうやって作り出される血飛沫を間近にしていると、喝采したくもなる。


「見事」


「ありがと!」


 一方、僕の方といえば相変わらず20発程度当てなければ悪魔を倒せない。まさにお荷物だ。


「リロード」


 マガジン内の弾丸を撃ち尽くし、リロードをかける。


「何その機関銃的なハンドガン」


弾丸生成能力スキルだよ」


「なんとも羨ましいね!」


 マガジンを手動で外し、仮想ストレージから新たにFN P90の特徴的な形をした弾丸満載な―――50発装填―――マガジンを取り出し、本体に付けながら、NEROが目を輝かせていた。


「シズ兄ちゃんを殺したらその能力貰えないかな?」


「僕を殺すならそっちの刀にしてくれ。君にならP90に蜂の巣にされて死ぬのも悪くないがね」


「面白い注文だ。賜っておくよ。しかし、共闘って言うのも良いね、シズ兄ちゃん。おっとそうだ。折角だからパーティ申請~」


 可愛らしく或いはあざとくNEROが口にした次の瞬間、視界にポップアップが表示された。『 なめなし君 からのパーティ申請がありました』と。なんだこの気の抜けるキャラ名は……。そんな場違いな感想を浮かべながら、承諾ボタンを押す。今この場においてNEROに逆らう理由はプライド以外にないだろう。そして、そんなプライドは僕にはない。間近で見栄えの良い殺しが見られるのならば寧ろご褒美である。


「とりあえず、その呼び方は妹みたいだから止めてくれ」


「じゃ、シズで。しっかし、登録名もCzだったんだねぇ。Czファンの鏡だね」


「それはどうも」


 戯言を言い合いながら人型の悪魔を殺して行く。NEROが5を倒す間に僕は1。案の定、御荷物感漂う戦果だった。経験値の分配比率が等分な所が尚更それに拍車をかける。


「私、こんなの倒しても経験値にならないし……さっさと終わらせたいんだけど、シズ、これ使う?」


「結構、と言いたいところだけれど……ここで我を通してもね。だが、君はどうするんだい?なめなし君」


「NEROでいいよ。でね。実はもう1つ持っていたりするんだよね、これが」


 言い様、NEROが持っていたP 90をぽいっと投げて寄越し、次いでパーカーの中からもう一つP90を取り出した。


「武器庫かね」


「似たようなものだよ」


 受け取り、リロードと口にすれば残弾が最大となる。なるほど、9mmパラベラム弾以外でも大丈夫なのかと少し安心する。そして、少し安心した僕の表情を見たNEROが羨ましそうに僕の首を見ていた。怖い子供だった。


 引き金を引き絞れば、蠢くゾンビ達に向かってパラパラと弾丸が飛び出して行く。NEROと同じく2、3発当たればゾンビ達がその場に倒れていく。生成された攻撃力の低い弾丸だが、それでも銃の性能が良いのだろう。戦力としては同等になっていた。


 そして、同時にNEROがDEXをそれ程上げていないのが分かった。きっとメイン武器はハンドバッグのように担いだ刀なのだろうと、そう思う。まったく、銃がはびこる世界で刀とは狂気の沙汰である。


「DEX極振りとは狂気の沙汰だねぇ……私でも最初はVITあげたよ。まったく。そんな君がどんな風になるか、ほんと……楽しみ」


 そんなNEROの言葉から逃れるように背を向け、2人で背を向けあって人型の悪魔を殺し続けた。






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