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プロローグ
冬の結晶があるならば、夏の結晶もある。
村の守護者と言われながら、村との交流を絶ってきた一匹の竜がいました。
しかし、彼の生き方が変わります。
ある一匹の竜によって。
誰も知らない物語。
夏の結晶を護る炎竜。
冬の結晶を護る氷竜。
二匹はやがて知るのです。
自分たちは相入れない、と。
二匹は共に誓います。
再び会うことを。
笑い合うことを。
悲しみ合うことを。
しかし、それが果たされることはありませんでした。
これは、氷竜に出会った炎竜の過去と未来のお話。
友に会えなかった、悲しい炎竜のお話。