ゴールデン・メッセージ
世界に何があろうとも、私たちは愛を語りあう。
けれど、気持ちは届きにくい。
「生きる理由ができた」という言葉を人伝に聞いた。
愛しているという意味、
今は亡き人からの最愛を伝える最後のメッセージ。
秋は釣瓶落としで冬へと向かう。今日の午後は、原稿の打ち合わせに出かける。暖かい小春日和。マフラーや手袋をするほどは寒くない、気やすいお相手だから、少しだけカジュアルに。黄色のボタンダウンシャツにライトグレーのニット、グリーンのタータンチェックのゆったりとしたパンツを履いて、ネイビーのピーコートを羽織った。
銀杏並木の道沿いにある小さなオフィス。ライターとデザイナーの男女お二人のデザイン会社だ。最初は、ご夫婦だと思っていたが、仕事のパートナーだと言う。よく一緒に旅行やキャンプに行かれたりしているから、恋人同士なのだと思って聞くと、お二人とも、やはり、ただの仕事のパートナーだと言って笑う。
それが、最初の頃、私が聞いた二人の関係である。三年前の話だ。コロナ禍の間、メールだけのやり取りが多かったが、今日は久しぶりに、顔を合わせての打ち合わせということになった。
オフィスに入ると、以前と違って、男性だけが後ろ向きで答えた。見知らない若い人の後ろに立って、パソコンを見ながら何か指示をしている。デザイナーの女性はいなかった。打ち合わせが終わると、男性が語り始めた。本人の希望で仕事関係者には言っていなかったのだが、ずっと癌の療養をしていて、今年の初めに亡くなったのだと言う。
--- ああ、それでね、亡くなるまでの一年は入籍していたんだよ。
悲しげな目をして、静かに笑った。
--- 周りの人に「生きたい理由ができた」って、彼女が言ってたらしいんだよね。
愛しているとか好きだと素直に言う以上に、愛が伝わる言葉は少ないと思う。この街で仕事がしたいという私の思いにつきあって、東京から関西へ移動した夫。私たちの夫婦愛は深いと思うけれども、この二人の愛の輝きはなんだろう。
帰り道、夕に向かう銀杏並木の木漏れ日が黄金色にキラキラと美しく光っていた。
ハーブティ「ゴールデンメッセージ」
ハニーブッシュの蜂蜜風味とピンクローズの甘い香り
ハーブティは、木もれ陽や黄金色を感じる甘いハニーブッシュベースのブレンド。蜂蜜のような風味の甘いハニーブッシュと甘い香りのピンクローズをベースに、フルーティで気持ちが明るくなるオレンジピール、鉄分やミネラルが豊富なラズベリーリーフなど。甘い香りに心癒され、彩りの豊かさに華やかな心地を演出してくれる。白いエルダーフラワーが開き舞うカモミールやジャスミンの花の香り