表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

18/18

フラグ18 カッコつけも命がけ

「まったくもう、訳わかんない事言ってごまかすんだから」

「悪いなクロエ。でも俺は……」


 そこまで言った時、俺は思わずサッと後ろを振り返った。


 いや、俺だけじゃない。

 店にいた全員が、ザッと入り口の方に顔を振り向けたんだ。

 だって、外から聞こえてきたのさ。


「助けてーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」


 って、いう大きな声が。


 しかも、それは一人だけじゃない。

 大勢の人達が同じような叫びを上げてたから、マジでビックリ。

 只事じゃない。


 まさか、俺の心の叫びが伝播したのか?


 なんて下らない事を呟いてる場合じゃねぇわ。


「クロエ、なんか外がヤバそうだ。ここにいてくれ」

「分かったわリュート。けど、何が起こったのか分からないしムチャは禁物だよ」

「わーかってら。でも行かなきゃよ」


 俺はカウンターに、金をバンと置いて出て行こうとした。

 兎にも角にも行かなきゃよ。

 けど、そんな俺をクロエがジッと見つめてきた。


 ヤバッ。

 なんかクロエの奴、さっきまでと違って凛とした感じだわ。

 まったく、ドキッとしちまうじゃねぇか。


「リュート覚えてる? 転生の女神様の話」

「ん? ああ。覚えてるよ」


 俺は、イグニス達に追放された日にクロエから聞いた話を思い出した。


「あれだろ? なんか転生時にチートくれるとかって物語」

「そう。でも、リュートはチート以上の物持ってるわよね」

「ん? ああ、もちろん。クロエの笑顔とコスモティー飲んでっからな」


 そう答えると、クロエは俺にニコッと微笑んだ。


「合格よ♪ またすぐ飲みに来なきゃだよ」

「へっ、たりめーだろ」


 俺はそう言って微苦笑浮かべて外に出た。


 すると、マジでシャレにならん光景が目に飛び込んできたんよ。

 ちょっと離れた場所に、メッチャ凶悪そうなデカいモンスターがドシンと構えてやがんの。


「グガアアアアアアアアアアアアアア!!!」


 目の前にいるモンスターちゃんは全長10メートルぐらいあって、肌は青色。

 さらにお目目は一つしかないし、筋肉ムキムキ。

 片手には何らやデッカイ棍棒を持ってる。


 俺はそのモンスターちゃんを見上げながら、一緒に出てきたレイに思わず尋ねちまう。


「レイ……あれさ、食べ過ぎでデカくなって、病気になった親戚の人とかじゃないよな」

「いい加減にしてよ。あんな親戚いる訳ないでしょ」

「ハハッ、だよな。てか、なんか怒ってる?」

「別にぃ……」



 私はそれ以上答えなかったわ。

 だってなんかモヤモヤするんだもん。 


 お店出る前、リュートがクロエとなんかいい感じだったのもあるわ。

 でも、それとは別に考えちゃうの。


───リュート、もしかしてアナタ(かける)なの……!


 まったく、そんな事ある訳ないわよね。

 私は元々喪女。

 だから、ラノベとかは読んでたわ。

 なろうの異世界恋愛とか読んでときめいてたの。


 悪い? 現実世界が辛いんだから、物語の中だけでも愛されたかったの!

 転生した先でお姫様や聖女になったりして、素敵な王子様から愛される話よ。


 なので異世界恋愛読むのと同時に知ってたわ。

 ハイファンタジーの異世界転生物も。


 でも、異世界恋愛でもハイファンタジーでも聞いた事ないわ。

 二人が同時に転生する話なんて。

 まあ、クラス転移とかを除けばね。


 仮にどこかにあったとしても、そんな事が自分に都合よく起こるなんて思えない。


 だって私、前世でも転生前でもずっと分かってもらえない運命だもん……って、違うわね。


 翔とリュートだけは分かってくれた。

 しかも、二人とも同じように私を大事にしてくれてる。

 口は悪いけどさ。


 だから一瞬そうかと思っちゃったし、リュートがクロエといい感じだったのもイヤ。

 もちろんクロエはいい人だけだけど、それとは別なの!


 でもまあ、取りあえず今はこの青い顔の親戚を何とかしなきゃいけないわ。

 私の親戚は大阪の……って、とにかくやるしかない!


 私がそんな事を考えていると、隣でディオがニカッと笑った。


「レイ、リュート。こんなのオイラがドラゴン化すれば、一撃で吹き飛ばせるよ」


 けど、リュートはそれを止める。


「ダメだよディオ、やめとくんだ」

「えっ? なんでだよリュート」


 ディオはリュートを軽く謎めいた顔で見つめた。


「いや、気持ちはありがたいんだけど街中であんな凄ぇ力でゴーーーーってやったら、そこら中が破壊されちまうだろ」

「う~ん、まっそっかぁ」

「それにさ……」


 俺はマジで頭が痛くなってきた。

 なんで急に街中にモンスターが現れたのか、原因が分かっちまったからだ。


「ったくアイツら、マジで何やってんだよ……」


 レイもそれは同じで、呆れて軽くため息を吐いている。


「彼らを仲間にしたのは失敗だったかしら……」

「いや、お前さんは何も間違っちゃいねぇ。さっきマジで凄かったし、あんなんレイしか出来ねぇよ」

「リュート……!」

「だから、悪いのは勝手に仕掛けてミスったアイツらだ」


 俺とレイは、ちょっとイラっとしながらアイツらを見つめた。

 それはもちろん、イグニス達の事さ。

 アイツらモンスターちゃんから汗だくになりながら逃げて、こっちにドタバタと駆けて来てやがる。


「ヤベェ! マジで勝てねぇ!」

「もうイヤーーーー!」

「イヤーにイヤーがワシもイヤー」


 三人目、相変わらずふざけやがって。

 しかも微妙に滑ってるし。

 てか、んな事言ってる場合か。

 けど、アイツらにキツく言うのも三人目にツッコミかますのも後だ。


 今はこのモンスターちゃんをどうにかしないと、街がメチャメチャになっちまう。

 かといって、ディオに任せる訳にもいかねぇし。

 街もそうだし、イグニス達も吹っ飛んじまうかもしんないからさ。


「エレミア、取りあえずイグニス達を回復させてやってくれ」

「りょーかい! 他にもケガ人いたら治しとくね」

「ありがとう助かる!」


 俺はエレミアに礼を言うと、レイの方をチラッと見つめた。


「レイ、悪いけどホーリィ・アークの力で周り建物に結界張ってくれ……って」


 そこまで言った時、俺は思わずハッとした。

 レイは既に両手を斜め上に広げて、全身から神々しいオーラを溢れさてるからさ。

 で、俺を見ながら微笑んだ。


「フフッ♪ もうしてるわよ。この力の使い方、この三か月間でマスターしたし」

「さっすがレイだな。最高だよ!」

「当り前でしょ。私は……いつも一緒にいるんだから」

「へっ、そう言われちゃ俺もやるしかねぇな!」


 俺はレイを見つめたまま思い出していた。

 この三か月間の事を。


 ディオと出会ってから、俺達はエレミアに連れられ『エルフの里』に行って色々学んだ。

 ここからどうやっていくかの作戦を練りながらさ。


 その中で、俺は俺でこの無限の魔力の使い方を徹底的に研究したんだ。

 けど、レイもマジで凄かった。

 レイの中に突如湧き出てきた聖なる力の特性。

 それをエレミアに尋きながら、レイ自身でも相当修行してたんだ。


 令嬢なんだから、本当はそんな事をする必要なんて無いのにさ。


───だから俺もやるぜ! 二箇所同時だ。


 俺は腕と脚に思いっきり強化魔法をかけた。

 体への負担は半端ないけど、二箇所同時に強化出来るようになったのさ。


「うおおおおおっ! いくぜ青鬼ちゃん!」


 俺は一気に跳び向かった。

 制限時間内に決めなきゃヤバいから。


 けど、やっぱそう簡単にはいかねぇわ。

 青鬼ちゃん、俺に向かって思いっきり棍棒振り下ろしてきたんだもん。

 マジで怖ぇーーーーーー!


 何とか避けたけど、メッチャ大きい粉塵が立ち上ってる。

 それに、衝撃波の波及がヤバい。

 ブワッとビリビリくるわ。


「にゃろ! 青鬼ちゃん、こーゆーのは戦場でやろうぜ」


 けどまあ、んな事を聞く訳ないよな。

 青鬼ちゃん、俺目がけて棍棒メッチャたくさん振り下ろしてくる。


 ドガン!! ドガン!! ドガン!! ドガン!!


 マジ勘弁してほしい。

 こんなん、レイのホーリィ・アークが無きゃ街がメチャクチャになってるとこだ。


 てか、そう。

 いつまでも、レイをこっち側の戦いに加えてる場合じゃねぇんだ。


───レイは今から自分自身の力で、破滅の運命ひっくり返さなきゃいけないんだからよ!


 俺は両手と両足に力を込めた。

 こんなとこで、もたついてる訳にゃいかねぇんだ。

 

「ウオオオオオッ! いくぜっ!!」


 俺は超絶ダッシュで同時に青鬼ちゃんの懐に入り、拳を突き上げた。

 ボディーブローだ。

 無限の魔力で強化された拳が、青鬼ちゃんにドグッとめり込む。


「ウガアアアッ!!」


 悪ぃな青鬼ちゃん。

 お前さんに恨みはねぇけど、これ以上暴れさせる訳にはいかねぇからさ。


 俺は体がギリッギリまで耐えれるぐらいまで魔力を滾らせた。


「ハアアアアアッ!!」


 体から白い輝きが溢れてやがる。


 ん? カッコいい魔法?


 んなもんねーって。

 俺は補助回復士なんだから。


 無限の魔力の反動とか、知るかんなもん。


 俺に出来る事は……


「体張って、レイの進む道をブチ開くしかねぇのさ! ハアアアアアッ!! 『メテオロン・ラーーーーッシュ』!!!」


 白い輝きを纏った無数の拳が、青鬼ちゃんにドガドガドガッ!!! と、連続で炸裂した。


 けど、青鬼ちゃんは立ったままだ。


───マジかよ。これで効かなきゃヤベぇんだけど……


 俺はマジで祈るような気持ちで、青鬼ちゃんをジッと見上げてる。

 てかもう、そうするしかない。


 何度も言って申し訳ないけど、俺は補助回復士なんよ。

 さっきの必殺技だって、マジで苦労して編み出したんだから。


 ん? 何を参考に?


 えっ、そりゃまあ……アレよ、宇宙燃やすやつよ。


 まあまあ、それは置いといて……って、ヤバっ!

 青鬼ちゃん、棍棒振り上げたんだけど!

 マジかこれ?!




 とりあえずどーなるかは、また次回っ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ