黒騎士と姫と綜技硏2
「おぎゃあああああーー!!」
「おっと! もうミルクの時間か」
「ああっ、そうですね! ごめんね、ベベちゃん!」
「ビイお姉ちゃん、私もお腹すいたぁーー」
「シイ、君はもう大人なんだからもう少し我慢してみようか」
俺が急いで授乳用のポットを出していると、ABC兄妹が研究室の椅子に座りながら言った。
同じ研究室を一緒に使っているのを見た時から思ったが、やはり仲の良い兄妹のようだ。ABC兄妹は。
そんなことを考えていると、エイさんが俺に言った。
「ナイトさん、ベベちゃんがミルクを飲んでいる間、私たちもおやつにしませんか? シイもお腹が空いたと言ってますし、ナイトさんもたくさん話をしましたからお腹が空いてるでしょ」
「あ、いい考えね! エイお兄ちゃん! 私が取ってくるよ!」
「あっ、いいよ、ビイ。俺が言ったんだから。俺が持ってくるよ」
エイさんとビイさんがそんなことを言いながら研究室を出て行った。すると、一人取り残されたシイがそっと俺のほうに近づいてきた。
「ねえ、ナイトくん。私の一つ見てもらっていいーー?」
「ああ、シイの発明品ならいいよ」
「うん。前の爆発で吹き飛ばされたやつ、作り直したんだぁーー。めっちゃかっこいいんだよぉーー」
「そうかぁ」
めちゃかっこいいのかぁ。
その言葉に寒気がするのは俺がおかしいのだろうか。
いや、油断するな。ナイト。
今までやられたことを思い出せ。
まだシイには何もされていないが、それでも彼女はこの綜技硏の研究員なのだ。
何を出すかわからない。
「なあ、参考までに聞きたいんだけど、どんな機能の魔道具なんだ」
「風が吹く魔道具だよぉーー」
シイが持ってきたのは、何だか複雑な魔法陣が描かれている、手のひらサイズの黒い円盤だった。
手のひらサイズ。
サイズも小さいし、見た目はそれほど危険なものには見えなかった。
しかし、それは魔法陣をよく知らない人の感想だった。
魔法陣の威力というのは、必ずしも大きさに比例するものではない。もちろん大きければそれだけ複雑な術式が使えるから、より大きな魔法が使える可能性は高いが。
だが、小さくても驚異的な威力を発揮するものはいくらでもある。
だから、小さいからといって警戒を解く理由にはならない。
ましてや、円盤の中に描かれた魔法陣が、見る目がかなりある方の俺にも理解できないものだなんて。
どんな結果が出るか俺にもわからなかった。
「これだけどー、今使うから見てねーー」
「あ、ハイ」
俺はシイの言葉に答えながら、ベベと俺を中心にこっそりシールドを張った。
警戒しすぎかなとは思うが、これくらいしておかないと安心できない。
何事もなければいいけど、何かあった時はタダじゃ済まない。それを俺がすでに身をもって知っているからだ。
ゴクリ。
唾を飲み込みながらシイを見ていると、魔道具がシイの手元で白く輝いた。
そして。
ブオオオオオオオーーーーッ!!!!!
と、ものすごい音と共に魔道具から竜巻が起こった。
強力な竜巻に塗ったばかりの壁や床が傷つき、買ったばかりの家具がぶっ飛んだ。
「うぎゃあああああーー!!!!」
そして、突然現れた竜巻に耐え切れなかったシイも一緒に空を飛んだ。
飛んで行ったシイがすごい音と共に研究室の壁にぶつかった。
「えええええええええーーッ!?」
使用者保護魔法もつけておかなかったの!?!!
威力の強い魔法には、使用者保護魔法がデフォルトで付けられている。魔道具を使うとき、使用者が魔道具にやられると、使用者本人も周りの人も危険だからだ。
だから、威力がある程度以上になる魔道具には、必ず使用者保護魔法がついているのだが。
「何でつけてないんだ?!?!!」
何を考えてるんだよ、シイちゃん!!
そんなことを考えていると、研究室のドアがガチャッと開いた。
開いたドアの向こうに見えたのは、エイさんとビィーさんだった。
「ぎゃあぁ!! シイ!!」
「はあ、これはまたやっちゃったんだな」
ビイさんが驚いて悲鳴をあげ、エイさんが悟ったように笑いながら呟いた。
またやっちゃったってことは、前にも何回か似たようなことがあったんだな!? シィーちゃん!!!! 一体何者だよ!!
いや、こんなことを考えている場合じゃない。
とにかく今は早くあの魔道具を止めないと!
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