その日の文化祭のコントは収拾がつかなかった
今日は高校の文化祭。
うちのクラスの出し物は変わったものがいいという事で「お笑いライブ」になった。
実はどんな事をするのかは発表者以外知らない。
一体どんな事をするのだろうか。
最初に始まったのはコントだった。
クラスの女子二人が机を挟んで対面に座っている。
「お前がバーベキューでAを殺したんだろ!」
「違う、私はやっていない!」
成程、取り調べか。
「じゃあ、バーベキューで何をしてたか言ってみろ!」
「私は海老を焼いていただけだ!」
待て、最初からいろいろ可笑しくないか?
まあ、お笑いの事はよく分からないけどそういう設定もあるのか?
「ほぉ……それは何海老だ?」
それ絶対取り調べ関係無いだろ。
「もしや、伊勢海老か?」
「違う……車海老だ」
車海老のどこに言葉を溜める様子があるんだよ!
「車海老、だと!?」
車海老のどこにそんなに衝撃受ける要素があるんだよ。
「お前は車海老の殻派手で剥く派か?それとも包丁派か?」
「包丁派だ」
「だよな」
どんな質問だよ。
てか、真面目に答えんなし。
「ただ、それが悪かったようだ」
「それはどういう意味だ?」
やっと話が進むのか?
「Aくんは包丁が大好きだったんだっ!」
「なんだって!?」
さっきから驚くポイントおかしいだろ。
「だから、Aくんは海老の殻を剥くのに包丁を使った私が許せなかったようだ。そして、Aくんは私を───」
Aくんは私を?
「カッターナイフで刺したんだ!」
「殺傷能力弱」
突然正気に戻るなよ。
「そう、だから私は今生きているんだ。でも、Aくんは私の事が好きなBくんに鋸で刺されて……」
いや、鋸で刺すってどういう状況だよ。
「それで、Aは死んだ。お前はそう思っているのだろう?」
「そうだ!」
「だがな、Aは生きている」
「なんだと!?」
「今から俺はAを呼んでくる。お前はそこで待っていろ」
あ、一人はけた。
どんなオチなんだ?
ふと、残った一人でこちらを向いて立ち上がった。
「おしまい」
オチねぇのかよ!
───
皆さんはコントを聞いてどう思っただろうか。
実は、このコントには一つ大きな欠点があるのだが、皆さんはそれに気づけただろうか。
そう、このコントにはツッコミが存在していないのである。