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第15話 2階への潜入を開始する!

「クンクン。階段におママ上の匂いが残っているでヤンス!」


「てことは2階か? 2階におるんか?」



 タニシによると、1階に残っている匂いよりも階段付近の匂いの方がまだ新しいらしい。もうここまで出来たら、ウチら名探偵になれるんとちゃうか!



「よし、行くで!」



 ゆっくりと階段を上る。踏む度に軋む音と、タニシの足の爪が引っかかる音だけが聞こえる。つまり、相手からしたらバレバレだと思われる。逆に迫り来る恐怖という物を思い知らせてやろう。



「さあ、どの部屋にいる?」



 さすがにタニシは階段を上るのに手こずっているようなので、先乗りして目星を付け始める。ウチやお兄ぃの部屋の可能性もあるが、オカンのことなので、オカンとオトン自身の寝室にいる可能性が高い。あの部屋は割と広めだし、ウォークインクロゼットもあるため、潜伏するには色々都合がいいはずや!



「ひい、はあ、階段は犬のあっしにはキツいでヤンス。」



 階段を上りきったタニシは舌を出して、少しぐったりしている。



「ごくろう、ごくろう。ちょっと休んどき。だいたい目星は付いたさかい。」



 とりあえず、自分のカンを信じて突入を試みる!一気にドアを開けて中に入った。



「ごめんやして、おくれやして、ごめんやしぃ~!!!」


(ズデッ!!)



 とたんにコレである!思わずウチはずっこけた。しょうもないけど、それは礼儀やから避けて通れんのや。



「それは出迎える側のセリフちゃうやろ!」



 ツッコミつつ、部屋の電気を付ける。明るくなって、ウチは更に恐ろしい事実に気付かされることになった。



「美熟女仮面ミヤちゃん、参上どす!」


「ほぎゃああああ!!??」



 やばい。見てはいけない物を見てしまった。どこぞのホラゲーのゾンビみたいになったお兄ぃはまだマシやった。90年代後半の人気アニメのキャラのコスプレをしやがるとは思わんかった。ちなみにオカンの名前は「ミヤ」である。漢字で書くと「宮」。ウチの名前と一字違いである。なんで娘に似た名前を付けるかな?オトンも相当、アレな人である。その辺が息子に遺伝してしまったのだろう。



「どや? 自分のお母はんのかっこええ姿見て、見直したやろ? 仰天して声も出えへんのとちゃうか?」



 オトンから昔、オカンがコスプレをしていた話は聞いたことがあった。でも、さすがに冗談としてしか認識してへんかった。でも、ホンマやったんや。これは「参上」じゃなくて「惨状」や。もうこんなん地獄や。身内の恥ずかしいところは見るに堪えない。最悪や。



「もうええわ。先に操ってる張本人を倒したろ! こんなイタいオカンの相手なんかしてられへんわ! 出てこい、クソ魔王!」


「フフフフ! うろたえておるようだな、女よ!」



 不敵な笑いと共にウォークインクローゼットからヤツは出てきた。その手には……まさか、あれは!

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