ケモナーは森の中
※キチガイです。
「キャンッキャキャン」
「グヘヘ、待てぇ……」
男は牝猫を追いかけていた……その目はまるで、獲物を追い詰める豹の様であった。
「キャッキャキャンキャキューン」
「待てぇ、俺の嫁になってくれぇ」
嫌だと言わんばかりに牝猫は塀を登り、どこか、遠くへ逃げて行ってしまった。
「ちっ、良いケツしてやがったのに……残念だなぁ」
と、言って男は来た道を逆に帰っていった。
男の名前は▲▼、極一般的なケモナー高校生である。
「さっきの嫁候補……体は良いけど顔がヤダって言ってやがった……猫にモテるように、整形した方が良いのかなぁ……」
なんと、▲▼は、獣を追いかける余り、獣の語を聞き取れるようになってしまったのである。
「仕方がない……次の嫁候補を探すとしますか」
▲▼は落ち込みながら、歩いていった。
あくる日の朝、その日も▲▼は、嫁探しの為に道を歩いていた。
一人で、首をキョロキョロしていると、不審に思った警察官に呼び止められ職質を受けた。嫁を探している事を伝えると、「そっそうか……」と言われて、簡単に開放して貰えた。
「どこだぁ、俺の嫁」
等と言いながら騒いでいると、通りすがった親子から、
「ママ、あの人何やってるの?」
「見ちゃいけません、あんな飢えた獣」
という会話に対して、▲▼は
「人間は帰れぇ、獣だ、獣の嫁を探しているんだ」
と言うと、母は子の手を『ぎゅぅ』と強く握り、早歩きでその場から立ち去って行った。
「獣、獣……」
と、嫁を探していると、いつの間にか、鬱蒼とした森の中にいた。
周囲からは、鳥のお喋りや喧嘩、歌が聞こえていた。
「おっ、いっぱい居るなぁ」
▲▼がそんな事を言いながら、歩いていると茂みから、
「コーン(うわーん)」
という、泣き声が聞こえた。
「フッ、ヤツは俺を呼んでいるな」
▲▼はそう言うと、声の方へ走って行った。
「コン、コン、ココーン(痛い、痛い、助けて)」
行ってみると、狐が罠に掛かっていた。
急いで、罠から狐を救出して、変わりに魚肉ソーセージを置いて、立ち去った。
応急処置をした後、急いで、動物病院に行った。
動物病院に行って、狐を渡すと、医者が「狐はちょっと……」などと、暴言を吐いた為、▲▼は、「俺の嫁になる存在なんだ」とか言って、懇願したら、医者は「屋外で良ければ」と言ってくださったので、狐を助ける事ができた。
お礼を言って、狐を家に連れ帰った▲▼は、必死で、狐を看病した。
傷が癒えても、狐は▲▼から、離れようとしなかった。
それどころか、▲▼に寄り添うようになっていた。
▲▼は、ここぞとばかりにプロポーズをすると、「コッコーン(はっはい)」と一言。
それから二匹は、幸せに暮らしました(森の中で)。
うん、初期に書いた奴ですね。
ケモナーっていますよね。
各学校に一人は。
うちの所には沢山いましたよ。