プロローグ
初連載です。
更新は毎週土曜日か日曜日にします。
2000年代、突然始まった情報化の波は全世界に広がっていった。そんな中で、国際社会においてひとつの大きな問題が発生した。ネットの世界には国境がない。つまり国境を超えて団結するグループが現れ始めたのだ。この事態に対応すべく、政府がとった対策。それは、ネット世界の分割であった。
まず各国が合同で、ひとつの巨大なサーバーを作り上げた。そしてそれらを国の規模によって割当て、各国のネットワーク領域としたのだ。無論日本も、その莫大な国力に対応する莫大な領域を手に入れた。
戦争の方式も変わった。屈強な兵士はすべて無用の長物となり、攻撃手段は人が死なないサイバー攻撃へと変化した。大人数による集団アクセスという攻撃方法によって、女子供関係なくすべての国民が安全に戦争に参加できるようにもなった。日本を除いては、、、
日本は、国民のネットリテラシーの低さが顕著に現れ、国自体の情報への弱さが露呈することになった。ネット世界の分裂が行われる前から、国民への情報教育を徹底していた他国とは違い、日本は一般市民への情報教育を怠ってしまっていたのだ。他国との明らかな戦力差が現れ始めた頃にはもう後の祭り。日本は広大なネット領域を手に入れながらも弱小国の一員となってしまった。
繰り返される他国からの侵略、攻撃をできぬ国民が防御など出来るはずもなく、日本は端から順に崩れていくようにネット領域を失っていった。
そして日本はついに「開き直った」