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かくも雄大なり、オオタカの威厳

作者: 紙一重

   

      【かくも雄大なり、オオタカの威厳】



皆さん、オオタカと言う猛禽類を見た事が有りますか?


当然、自然界を生き抜く野生のオオタカです。


動物園のそれでは無いです。


生態系の頂点、王者オオタカをです。


自分は見た事が有ります。でもそれは、わざわざ努力までして見た訳ではありません。

別の目的の最中に、たまたま遭遇したのです。


以下がその時の模様です。



自分は数年前、かなりの山奥を、趣味の自転車でゆっくり移動中の際、その王者が飛行している姿に、偶然にも出会う事になりました。


それに出会う前までは、走行中の間、息づいた森が発する動物のかすかなさえずり、木々のざわめき、清流がかもし出すメロディー、それら全てを含むそんな静寂や、この神聖な空間に軽く同化していたのです。


その様な場所で、原生的な自然が作りだした、そんな天然の匂いを堪能しつつ、むせぶ程のマイナスイオンを全身に浴びていた時に、突然そんなトリップ状態は、ある者のせいで破られました。


突如として、それは上空からの異様な雰囲気によって破られたのです。


犯人は空を飛ぶ、数十羽のカラスの群れの警戒声、それで、これまでのリラックス状態を、強引に壊されたのです。


さすがにこちらとしても不意をつかれ、だから自分もその方向を見上げました。


で、そこには賢いカラスの群れが、すでに隊列を組み終え、何かに対抗をすると言う、その様な光景がありました。



そしてもっと詳しく見れば、そんなカラスの群れのさらに上空に居たのが、なんと、美しいオオタカが飛行する姿でした。



そうやって自分はオオタカに遭遇しました。自分は初めて、そこでその姿を目の当たりにしたのです。



とにかく、「おお、どうなるのか?」と、興奮し過ぎるほどの興味が湧き、そんな成り行きを見届けましたね。


でも、どっちにしてもオオタカはやはりオオタカでしたよ。


そしてそのオオタカも例に漏れず、数の不利などを、全く意に介さずな形で、大きな羽を広げて、悠々と飛んで居ました。


上昇気流を繊細に利用し、大きな円弧を描きながら、どんどんと上昇をして行きます。


その時点で、風はそれほど吹いている訳でも無いのです。でも微風だけで、大した羽ばたきもせず、それでも、ぐいぐいと上昇していきました。



なんと美しい。当然自分の目はそれにくぎ付けになり、声も出せなかったです。


その姿たるや、あまりにも優雅で、力強く、本当に何も言えなかったです。多分、口もあんぐり開いていたと思います。



で、その下でカラス達は変わらず騒ぐだけです、俺等のテリトリーから出て行けとばかりにと。


さあ、その様な攻防が40分位有ったでしょうか? でも体感的にはあっという間でしたが。


そこで、自分の肌でも感じるほどの強めの風が吹いたと同時に、それがどうやら合図となり、数羽のカラスがオオタカにアタックを仕掛けました。


「うわ、これはまずい」さすがにその時は自分もそう声を出しましたね。


だがその瞬間、そこで初めてオオタカが高い鳴き声を一回だけ発して、突進してくるカラスの一羽を疾風の急降下で、


強靭な爪を使い、それですかさず鷲掴みをし、そのままの状態で下のカラスの群れを急襲して、そんなカラス達をパニックにさせ、


その後、何事も無かったように、仕留めた獲物と共に遠くに飛び去って行きました。


自分はその姿が見えなくなるまで見送るだけでしたよ。



実際、なんか夢のような出来事でしたね。約一時間のその間、綿密に作られたショーを真剣に見た、そんな感想です。



感慨深かったです。映像を残すデバイスは持っていましたが、全くそれを使用するとか、初めからすっ飛んでました。


とにかく最初から最後まで、魅入られました。


でも自分の脳には、その光景が昨日の事の様にクッキリと残って居ます。




だからそれ以来、バードウォッチングが趣味の人の気持ち、痛く解ります。



どうしても自然は美しい。そして厳しいものでもある。



  ・・・なんちゃってね。



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