12 レベル上げは楽しい
タイトル考えるの難しいです・・・・
「しまった・・・やりすぎた」
黒葉は森の中で頭を抱えうずくまっていた。
「ま、魔物だから大丈夫だよな」
黒葉が困っている理由はレベル上げのために倒した魔物の数だ。
『さすがに森の魔物全部とか狩りすぎだよ、というかよくそんなに魔物見つけたね』
ちょうど森の魔物を狩りつくした所で神様から念話がかかってきて、『やりすぎだよ』と言われてしまった。
『創造でマップスキルを創ったら以外に魔物が多くてそれで・・・』
地図が表示されて生き物はマーカーで表示されて、人物検索もできるという便利なスキルを創ってしまったのだ。
『いやでもやりすぎでしょ』
『しょうがないだろ、レベル上げが楽しいのがいけないんだ!!』
あの1レベル上がったときの達成感がたまらないんだよ!!
『だからと言ってね、物には限度というものがあるんだよ。途中から「ヒャッハーーーーー」とか叫んでたよね? どこの世紀末の人ですか?』
『あーもうわかってるからそのことは言わないでくれ、あの時はテンションが上がりすぎたんだよ』
『まさか黒葉君がそんな子だったなんて・・・』
『うーまじでやめてくれ、あんた自分の仕事とかないのかよ暇なのかよ』
あの時の俺はおかしかったんだ、レベルが上がっていくのが楽しかったんだよ!
色に途中でそろそろやめたほうがって言われたみたいだけど、まったく聞いてなかったからな。
『露骨に話題そらすね、私はあんたじゃなくて神様だよ』
『あーはいはいじゃあその神様は暇なんですかー?』
『仕事といっても特にないからね、しいて言えば黒葉君の観察?』
『おまわりさんこいつです』
『残念、私神様ですから』
『こんなんが神様でいいのかよ』
『こんなのとは失礼な、これでも立派な神様ですー』
『あーはいはいそろそろ帰るか』
『君どうやって帰るの?門通れないよね?』
『門を通れないなら転移すればいいじゃない』
想像魔法を使えば転移ぐらいできるしな、想像魔法って便利!!
『君ってその魔法使うの上手だよね』
『練習たくさんしたしなあ、そうだ顔を隠さないとなにか創るかフードつきのコートぐらいでいいかな』
色は黒だなフードがついたコートで下の丈はひざくらいまでで長袖で頑丈なやつだろ防水性もほしいな
あとフードをかぶってると顔が見えなくなる仕様で前をチャックで閉めるやつと
「創造」
できたコートを着てみてサイズの確認をしておく。
「大丈夫だな、あとで予備の分も用意するか」
サイズもぴったりだなもう少し大きめにしたほうがよかったか。
『さすがだね、細かいところまでしっかりできてるし普通ならうまくイメージできなくて創れないということが多いんだよね』
「は?なんで普通にスキル使えばできるだろ誰にでも、それに創造を使うのは神様達なんだろ?」
俺は最初から普通に使えたけど。
『いやいや、創造で大事なのはイメージ力でねそのイメージがしっかりしていないと創造は不完全なものになるんだよ』
『そうなのか?でも俺は最初からできたよな?』
『そうなんだよ黒葉君はあれなんだよ。妄想力がすごいんだよ』
『おい、やめろ俺が痛いやつみたいじゃないか』
た、たしかに中学のときは自分の力が強いのと力を抑えてるというのにはしゃいでいろいろ考えたけど今では無事完治してる・・・はずだ。
『まあいいじゃん、黒葉君は妄想力がすごいんだよ!そうだね私よりも創造のできはいいかもねこれはもうあれだね神になるしかないね!』
『神よりすごいってどういうことだよ……神様になる気はないって』
『えーもったいないなー』
『神なんて面倒そうなものにはなるつもりなんてないしな』
『黒葉君ならいつでも歓迎するよ、仕事が入ったからそろそろ切るね。じゃあ頑張ってねー』
そう言い神様は念話を切った。
「俺もそろそろ帰るか」
さて確認のためにギルドに行くか。
あの後ギルドの近くの路地に転移して戻ってきた。
うん、便利だよね転移って。
『でも毎回転移って面倒だよな』
ギルドに向かいながら色に相談してみる。
『ギルドカードを偽装すればよろしいのでは?』
『ああそうか、それは気がつかなかったわ』
でも勝手に偽装してもいいのか? まあギルドマスターに聞けばいいか。
などと考えているうちにギルドに到着した。
なんだろうこれ一回しかまだ来たことないけどこれはおかしい。
なんかギルド内の雰囲気暗いし、やけ酒してるやつとか泣きながら体育座りしてるやついるし。
『……カオスだな』
『そうですね……何かあったんでしょうか?』
何かってレベルではないと思うんだが、まあ聞いてみるか。
やけ酒してるやつは無理だろ、体育座りしてるやつは何かぶつぶつ言ってるから無理だし。
お、ちょうどいいところに酒場で飯を食ってるやつがいるな、しかしよくこの状況で平然と食べれるなと思いながらテーブルに近づきながら話かけてみる。
「何かギルド内の雰囲気がおかしいけどどうしたんだ?」
「ああ、お前今着たばかりか」
よく見てみると平然としてはいないな、なんか遠い目をしてるんだが
「そうなんだよ、依頼から帰ってきてみたらこんな状態でいったい何があったんだ?」
「そうなのか、とりあえずあれを見てみろ」といいながら男は受付のカウンターのほうを指差した。
つられてみてみると机に頭をつけているマルシアがいるんだが……
様子がおかしいなぜかマルシアの周りだけ暗く見える。
「おい、あれなんだよ」
「しらねえよ、一回奥に引っ込んで帰ってきたらああなっていたんだよ」
「あんな状況でなんで仕事してんだよあいつ」
「いや、何回かほかの職員が下がらせようとしたみたいなんだが本人が嫌がって下がらないんだよ」
なにやってるんだあいつ。
「あんなんで仕事できるのか?」
「それが仕事は一応できてるんだよ」
「ギルド内が暗いのはわかったんだがあいつらはなにがあったんだ?」
やけ酒してるやつと体育座りしてる・・・あ、体育座りからうつぶせになってる。
「ああ、あいつらはな落ち込んでるマルシアを元気付けようとしたやつらの成れの果てだよ」
何されたらああなるんだよ。
男の話をまとめてみるとこうらしい。
奥から帰ってきたマルシアの雰囲気がおかしいからなんとかしようと思ったらしく
喋りかけたりしたらしいんだが「どうでもいいです」とか「そうですか」などと気のない返事で返されああなったらしい。
「俺はもう帰るよ、明日には戻ってるといいんだが」
男はそう言って帰っていった。
『さて、どうしようか』
困ったときは色だよね。
『とりあえずギルドマスターにギルドカードのことを聞いたほうがいいと思いますよ』
ですよねーしょうがないけど行くか。
マルシアのカウンターまで行ってみるとマルシアの周りだけが異様に暗くなんだかテンションが下がる気がする。
「おーいマルシア仕事しろよ」
黒葉は下げられているマルシアの頭をポンポンと叩きながら言った。
しかしマルシアは「あー私、黒葉さんの声が聞こえますー幻聴ですねー」などと言っている。
「声とは盲点だったなボイスチェンジャーでも用意するか」
そうだった、顔を隠しても声が変ってないからわかっちゃうのか。
「また聞こえましたーもう私だめですー」
「そろそろ起きろ!」
叩いていたマルシアの頭をチョップする。
「痛いじゃないですか! なにするんですか! ってあれあなた誰ですか?」
マルシアは叩かれた後頭部をさすりながら起き上がった。
「誰ってマルシアが言ってる黒葉だけど?」
「うそです!! 黒葉さんは死にました!」
マルシアは涙目になりながらそう言った。
「ああ、あいつら成功したのか。大丈夫だよ俺生きてるし」
マルシアにしか見えないようにフードをはずし顔を見せる。
「く、黒葉さん生きてたんですね!!」
マルシアが泣きながらカウンター越しに抱きついてきた。
突然大きな声をマルシアが出したから回りからすごい見られてる、やばいぞこの状況。
「マ、マルシアとりあえずギルドマスターのところに連れてってもらっていいか?」
「わかりました! 任しといてください!!」
マルシアに手を引っ張られ奥へと入っていった。