7 一般人(笑)城を出る
タイトル考えるの難しいです・・・
残念女との勝負から一週間がたち今日が出発の日だ。
「荷物はこんなもんか必要なものがあったら買えばいいしな」
『はい、着替えと武器さえあればいいと思いますが、必要なものも出てくるでしょう』
「そうだな、よしそろそろいくか」
貰った剣と胸当ての防具を付け、メイドさんの案内で門へと向かった。
門の前には姫と勇者たちがいた。
「やあクロ君準備は大丈夫かい?」
「とりあえずは大丈夫だ」
「逢坂様こちらが当面の宿泊費とギルドの入会金です、どうぞ」
姫から袋をもらうとその中には金貨10枚と銀貨5枚が入っていた。
この世界でのお金は、白金貨、金貨、銀貨、銅貨だ。
白金貨は金貨10枚、金貨1枚は銀貨10枚、銀貨1枚が銅貨10枚だ。
金貨10枚は結構な大金だ。
「こんなにもらってもいいんですか?」
「はい、どうぞお使いださい」
「そうですか、ありがたく使わせていただきます」
「逢坂君はこれからどうするんだい?」
「ギルドに登録してからお金を貯めてこの国を出るよ、だからしばらくはこの国にいるな」
「そうか、僕らも近いうちに魔王軍の退治へ旅に出るんだ」
「そうなのかお互い気をつけような」
「あんたに言われるまでもないわ、すぐに死ぬんじゃないわよ」
「それはこっちの台詞だ」
こいつ喋らなければいいやつだと思うのにな。
「この前の約束いつかお願いするよ」
「ああ、だけど1回だけだからな」
「うん、わかってるよ」
あいつらは心配だが部長なら大丈夫だろ、この人頭いいからな。
「じゃあ、そろそろ行くよ」
「気をつけてね」
「お気をつけください逢坂様」
「簡単にくたばるんじゃないわよ」
「またね黒葉君」
「頑張れよ!」
そうして黒葉は勇者たちに見送られながら街へ向かった。
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「あのものは旅に出たのか大臣よ」
「はい今朝出発されました」
「計画の手はずのほうはどうなっている?」
「すでに冒険者のほうに依頼済みです。街ではなく森で始末するよう伝えてあります」
「勇者方にはお遊び気分をやめてもらうのにはちょうどよいからな、他の国に情報を流されても困るしの」
「あのもので死を実感していただかないとですね、依頼の方は心配は要らないでしょうランクAの冒険者に依頼いたしましたので」
「それなら安心だなあとは結果を待つとするかのう」
「はい」
王の間で行われた二人だけの真っ黒な話がそこにはあった。
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黒葉はギルドに向かうまでの道のりを街を眺めながら歩いた。
街は中世ヨーロッパのような町並みでところどころに屋台が並んでいて、賑わっていた。
『けっこう活気があるな』
『この街は人族の中でも二番目に大きい街ですから』
『いろんなものもある見たいだしな』
話しているうちに黒葉はギルドに到着した。
他の建物に比べると大きく目立っていた。
中に入ると左が酒場スペースで、右にはカウンターとボード見たいのがあった。
ギルドの中には様々な人がいた、酒を飲んでいる人、テーブルで打ち合わせをしている人、など。
まずはギルドに登録するためにカウンターの方へ向かった。
ちょうど並んでいなかった女性職員のところへ行く。
「あの、すいません」
「ご依頼の方でしたらあちらのカウンターになりますが」
え?一応、剣と防具してるからそれっぽく見えるはずなんだが。
「いえ、ギルドに入会したいのですが?」
「にゅ、入会ですか?」
女性職員は困ったような顔をし、俺の後ろへ視線をやっていた。
すると後ろから近づいてくる人の気配がした。
「おいおい坊主、お前みたいにひょろひょろなのが冒険者になりたいだって?」
「あんたには関係ないだろおっさん」
カウンターの女性職員のほうを見てみると、女性職員はニッコリと笑っていた。
こいつらグルかよ。
「お前みたいな弱いのが入ったらギルドの信用ががた落ちだろうが」
などと冒険者は笑いながら言ってきた。
「少なくともあんたよりは強いと思うぞ」
そう言ってやるとさっきまで笑っていた冒険者の顔が固まった。
「おい坊主これでも俺はBランクだぜ」
こんな絡んでくる弱いやつでもBランクになれるのか。
「あんたみたいなやつがBランクとは、それこそ信用がた落ちだろ」
いきなり絡んでくるやつにはとことん煽っていこう。
「坊主そこまで言うならおれが冒険者にふさわしいかテストしてやるよ」
そういい冒険者は剣を抜いた。
「テストなのに本物の剣を使うのか?」
「あいにく今木剣とかなくてよ、俺強いんだろ? いいじゃねえか」
別におれはかまわないんだがギルドの中で剣を使ってもいいのだろうか?
こいつが先に剣を抜いたんだし大丈夫だよな。
「別にいいけど本物の剣を使うということはそれなりの覚悟はあるんだよな?」
「問題ねえよ、お前みたいな相手に負ける気はねえし。俺は冒険者になったときから覚悟はできてんだよ」
「そうか」
いちおう確認取ったから大丈夫だよな。
腰から剣を抜き構える。
「おらあ!」
冒険者はいきなり切りかかってきた。
上からの攻撃を俺はかわさず魔法を使う、創造スキルで創った想像魔法のゲートを使う。
想像魔法は自分のイメージした魔法を使えるというスキルだ。
ゲートという魔法はいわゆるワープホールで、入り口と出口の穴を二箇所作りそこをつなげる魔法だ。それで物を通した状態でゲートを閉じるとどうなるか?
正解は折れるだ。どんなにも硬いものも折れてしまうそう、剣すらも。
ゲートで剣を折り、剣が振り下ろされても俺に届くことはなかった。
冒険者は突然剣が折れたことに驚いている。
俺は冒険者を蹴りとばし距離をとる。
冒険者は自分の剣の現状に気がついたようだ、剣は刃の半分の所できれいに折れていた。
「お、おれの剣をよくも」などといって冒険者は殴りかかってきた。
冷静さを欠いた攻撃だったから攻撃をかわし冒険者に足を払い、体制を崩したところに蹴りをもう一発入れてとばし縮地で近づいて上から剣で切ろうとしたところで。
「そこまでだ!」
男と剣の間に人が割り込んできた。
とっさに入り込んできた人を囲うようにバリアをはり自分の剣を止めた。
入り込んできた人は俺と同じくらいの身長の女性だった、耳がとんがっているのでエルフのようだ。
俺がバリアを解除し、剣をしまったところで女性が「これはいったい何事だ」と言った、周りでは「ギルドマスターだ」と言っている。
この人がギルドマスターなのか。
「いや、俺がギルドに入会したいと言ったら、そこのやつがおれがテストをしてやると言ってきてな
それで本物の剣を使うと言ったから覚悟があるのかと確認したらあると言ったから俺も剣を使っただけだけど?
さすが命まではとる気はなかったですよ、寸止めする気でしたし」
俺があったことを正直に言うとギルドマスターは「剣を使ったって君、ここはギルドだぞ」
「じゃあそいつに言え、そいつが先に剣を抜き切りかかってきたんだからな俺が剣を折らなかったら俺は死んでいた。
正当防衛だそれに俺はただ入会しに来ただけだぞ」
「そうだったのかそれはすまなかったギルドの代表として謝らせてもらう、すまなかった」
そう言いギルドマスターは頭を下げた。
「なんでギルドに入るのにテストなんかいるんだよ?」
「いや、テストなんてしていないはずなんだがな。ここ最近入会者が少ないのもそのせいか」
「あんたは部下の管理もまともにできていないのか?」
「ん?それはどういうことだ?」
俺はカウンターの女性職員を指差してから倒れている冒険者を指差し。
「こいつが計画犯でこいつが実行犯だ」
すると女性職員が。
「なによ!その言いがかりは証拠がないじゃない!」
「証拠かそうだな、まず俺が冒険者登録をしたいといったらお前はそこの冒険者に目で合図をした。
そしてあいつが絡んできた時にお前は止める気がなかっただろ」
「私はそんなことしていない!それに私がそんなことする理由がないじゃない!」
「理由はそこの冒険者が言っていただろ、ギルドの評判を落とさないためじゃないのか?
あと俺は後ろでこそこそとせこいことをするやつが大嫌いでなお前もああなりたいか?」
倒れている冒険者を指差しながら女性職員を睨んでやると。
「ずびまぜんでじた~私がやりまじだ、だがら殺ざないでくだざい」
女性職員は泣き出してしまった。
「いや別に殺す気はないんだけど」
まさか泣かれるとは。
「マルシア、お前そんなことをしていたのか! 詳しい話は奥で聞かせてもらう、君も来てもらってもいいかな?」
「いいですけど」
ギルドマスターと女性職員が奥に行ったので着いていこうとしたが。
倒れていた冒険者のところに行って剣を想像魔法で直してやる。
さて奥へ行くか。