表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/5

プロローグ

やや長めなプロローグですが、呼んで頂ければ幸いです。

   ETERNAL DRAGOON STORY 

〜エターナル ドラグーン ストーリー〜



開幕   〜プロローグ〜



フォルティア、そこは豊かな大地と美しい水に恵まれた大陸。

かつて、およそ三百年前、この地で戦いがあった。地上のすべてを戦場へと変えた厄災、大いなる神とその子供たちの戦い・・・・・・


 神が人を創ってから数千年、人間達は己の私利私欲の為に殺戮を繰り返し、悲鳴と憎しみにより、争いは更なる争いを呼ぶ。世界は混迷していた。


 神はこの事に怒り、地上から人間を一掃させんと、自身の身を削って魔物達を生み出し、人々を根絶やしにしようと考えた。


 しかし、すべてが神の思惑通りにはいかなかった。


 おびただしい数の魔物達を前に、互いに争い続けてきた人々が手を取り合うのにそう時間はかからなかった。


 そう、人々は神に立ち向かったのだ。神は困惑した。人々の力は神の予想をはるかに上回り、生み出された魔物達は次々と数を減らしていった。


 そしてついに神が地上に現れる。その禍々しい姿に、人は恐怖を抱き、とうとう形勢は逆転してしまった。


「もう勝ち目はない」

「我々は神に滅ぼされる運命なのか」

 おそらく誰もがそう思ったであろう、人々が諦めの色へと染まり、大空を深く、暗い闇が覆い尽くすまさにその瞬間、一筋の光と紅蓮の炎を纏い、彼は現れた。


 英雄、竜騎士ラディアスであった。神のもたらした奇跡の力、人知を越えた魔力の結晶、『竜の宝玉』と炎の神剣『レーヴァテイン』を掲げ、彼は果敢に神へと戦いを挑んだ。


 だが、ラディアスがいくら渾身の一撃を叩きこもうとも、神が地に伏すことはなかった。

神はラディアスに告げる。

「やはり不完全だな、人間よ、お前の持つ宝玉、確かに我に歯向かうだけの力は与えたようだ。しかし、それだけでは足りないようだ」


 そう、宝玉は五つ必要だった。

無論ラディアスもその事は承知の上であったが、五つ目の宝玉はどうしても手に入れる事が出来なかった。

 万に一つの可能性にかけて戦いに挑んだが、やはり神と同等の力を発揮する事は叶わなかった。


 戦いが長引くにつれ、人々は疲弊し、集中力を欠き、士気は下がって行く一方だった。それはラディアスも例外ではなく、彼自身、体力の限界は目前に迫っていた。


「ラディアスが我々に残された最後の希望だ」

「彼が倒れれば今度こそおしまいだ」

 口には出さずとも、皆そう思っていたに違いない、ラディアスもまた、人々の願いを理解していた。


 この時、己の勝利を確信していた神はラディアスに取引を持ちかけた。

「人間よ、お前はすでに人を超越した存在だ。我を相手にここまで戦い抜いたのも実に見事だと言えよう。

取るに足らない小さき者共と一緒に滅ぼしてしまうのは、我としても少々忍びない。

我と共に新しい世界を創るというのはどうだ?」

 それは冷酷な神が見せた最初で最後の恩恵だった。


 しかし、その甘い囁きはラディアスには届かなかった。彼は一片の迷いもなく答える。


「あなたにとって我々人間は小さく、確かに取るに足らない存在だろう、だが決して邪悪なだけではなく、時には手を取り合い奇跡さえも起こす人間は、滅ぼされるべき者ではない。」


「神よ、あなたの支配は今、この時を持って終わる。私は……こちらにつく!」


 その一言に人々は喚起の声を上げ、逆に神の怒りは頂点に達した。この世のすべてを消し去らんとばかりに、神は怒りの剣を振り上げる。

「愚かなる人間よ、自ら死を選ぶと言うのならそれもよかろう、神である我の意思に従わず、歯向かい続けた事を冥府で悔やむのだな」


 そうして神は、地上に生きるすべての者に狙いを定め、かざした巨大な刃を振り下ろす。



 刹那、素早く行動を起こしたラディアスによって放たれた四つの宝玉の力が神の一撃をどうにか防ぐ。

 今にも砕け散りそうな宝玉と神剣を前に、神は高らかに嘲笑を向けた。


 宝玉が力を失ってしまえばすべてが終わる。

人々は祈るしかなかった。誰もがラディアスに願いを捧げ、彼と神とのやり取りを見守ることしか出来ない。


 しかしこの時、ラディアスにはわかっていた。現時点で己の力を出し尽くしても、神を滅ぼすのは不可能だと。

ではどうする?やはり全能の神の前では、人は屈するしかないのだろうか?


 ―――否、そうではなかった。

 

 ラディアスには『切り札』があった。それは同時に、世界を救う最後の手段でもある。


己の命を犠牲に人々を、豊かな大地を救う諸刃の剣。その覚悟が彼にはあったのだ。


 英雄と呼ばれた男は、自身の魂を五つ目の宝玉へと見立て、神を地中深くへと封印する策をとった。

「そうだ、他に道はない、たとえ未来永劫、神を地中に繋ぎ止めるのは無理だとしても、私はやらなければならない」

 熱く固い決意と共に、炎の神剣『レーヴァテイン』が、ラディアスの胸に深々と突き立てられる。流れ出る生命の雫一滴一滴に力を込めて、彼は神への最後の抵抗を見せた。


 まばゆい閃光と魂から溢れ出る聖なる炎が、大空に轟く。

さすがの神も、ラディアスの捨て身の猛攻に耐え切れずに、全てを飲み込まんとして大口を開けた地の底へと押し込まれていく。

 

 神は人間達への憎しみとラディアスへの復讐を叫び続けていたが、やがてその声は遠くなり、気配も薄れ、ラディアスの封印は完全に神を地上から消し去った…………


 戦いの後には四つの宝玉と、刃の折れた神剣しか残らなかったという。

 それ以来、ラディアスの姿を見た者はおらず、また、その屍も見つからなかった。



 こうして人々は、束の間の平穏を手に入れ、彼を称え続けた。


 その後、一人の英雄の物語は、悠久の時を経た今でも、伝説となって人々の間に語り継がれている…………


まずは呼んで頂いた事に深くお礼を申し上げます。どうもありがとう。

もし興味を持って頂けたなら、ぜひ続きもご覧になって頂きたく思います。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ