第4話:チャンス
『好きかもしれない』そう思ったら、もう終わりだった。毎日考えてどんどん気になっちゃって…こんなはずじゃなかったのにっていつも思う。龍樹さんの言葉が、行動が全部ドキドキして止まらない。彼女がいるってわかってるのに、止められない。
せっかくバイトが休みだっていうのに、龍樹さんのことばかり考えて、私は布団の中で唸ってた。私の唸り声の合間に着信の音が聞こえる。布団から手を伸ばし携帯を開いてみる。『龍樹です』題名にそう入っていた。
「えっ!?」
びっくりして私は布団から飛び出る。
そういえば仲はよかったけど、アドレス知らなかったんだ…。
本文には『インフルエンザになってしまいました。
2時くらいからでいいんで代わりに出勤してもらえませんか?店長にはもう言ってあります。
』と入っていた。
龍樹さんのことを心配すると同時に私の中の悪魔が囁いたんだ。
『ここがチャンスだ』って。私はすぐに返信のメールを打った。『わかりました、ゆっくり休んでください。今度ご飯おごってくださいね!笑』送った後少し恥ずかしくなったけど、私は急いで準備を整えた。冗談にもとれるし、変な空気になったらごまかせばいいや!そんな気持ちでいると、龍樹さんからのメールが。『なんでも言うこと聞きます!』見た瞬間笑ってしまった。龍樹さんらしいって言うか…可愛いなぁ。何でもってホントに何でも聞いてくれるのかな?そんな事を考えてたもんだから、またまた悪魔が登場して囁いてきた。『1日だけ彼氏としてデートしてもらえば?』