表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/33

第18話:不安

「ひぃも眼鏡フェチなの?」

「うん。あとSな人。」私がそう言うと、バイトの真奈ちゃんは私の肩を叩いて笑った。

「えっ、ダメ?」

「何の話してんだよ。」私たちが笑っていると、後ろから副店長がにやにやしながら近づいて来た。一応仕事中だけど、結構みんな適当で、裏で話をすることも少なくない。もちろん、仕事をしながらだけど。

「副店ってこうゆう話してると、すぐに混ざってくるよね。」真奈ちゃんの台詞に私も頷く。

「やっぱりこういう会話には、混ざっておかなきゃね。」

「なんか弱み握られそうで話たくないんですけど。」私と真奈ちゃんは副店から逃げるように、ホールに戻った。別に本気で副店が嫌で、逃げたわけじゃないけど。

副店は厳しいときは厳しいけど、若いし面白いから嫌ってる人はいないんじゃないかな…たぶん。むしろ私なんか、タイプなんですが。

「真奈ちゃんさぁ、彼氏と別れようと思うときある?」

「えぇ−、何で?別れようとかは考えないけど、真奈結構冷めてるよ。」

「そうなの?」真奈ちゃんも確か彼氏と1年くらい付き合ってるはず…やっぱり、付き合い始めの頃よりは冷めてくるもんかな。

「ひぃ彼氏と別れんの?」

「そういうわけじゃないけど…なんかあたしも冷めてきてんのかなぁ。」私は大きくため息をついた。たっちゃんは彼氏として最高だと思う。そりゃ、嫌な部分もあるけど、なんだかんだ優しいし、リードしてくれるし、面白いし。…でも、それでもなんか足りない気がするのは何でかなぁ。

「こういうときってさぁ、周りにいる男の人がかっこよく見えるよね。」そんな真奈ちゃんの言葉に私はドキッとする。そう、かっこよく見えてしまうんです。

「あぁ、確かにね。」

「ひぃは副店タイプでしょ?」

「えっ!?あぁ、かっこいいとは思うけど、どうかなぁ。」さりげなく交わしたつもりが、真奈ちゃんににやっと笑われてしまった。

「てか、真奈ちゃん、送別会来てくれんの?」慌てて私は話を反らす。

「あっ、それさぁ、あたし学生だから行けないみたいだよ。」

「そうなの?!」

「バイトは警察に捕まらないように、日中やれってさ。」真奈ちゃんは少し怒ったように言った。

実は私は2月いっぱいでこの店を辞めることになった。理由はまぁ、いろいろあったけど、本社のやり方に腹が立ったってのが1番かな。まぁ、それでみんなで送別会をやってくれるらしいんだけど、私は少し心配。

だって…お酒飲むんだもん。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ