第15話:何万回言っても足りない
「ひなちゃん?具合悪いの?」
「えっ、あぁ…ちょっと頭痛くて…。」職場の先輩に突然声をかけられて、私はとっさに嘘をついた。仕事をしてるときは症状はそんなに酷くないけど、時々不安に襲われて息苦しくなったりはした。でも、仕事中に泣き出すことは無いし、たいした支障はでなくてよかったと思う。
ただ、たっちゃんと会ってるときは幸せだって感じると、泣きたくなった。
一人で眠るのが怖くて何度も電話をかけたりした。たっちゃんはそんな私に愛想尽かさないで、ずっと傍にいてくれる。私は大きな愛に包まれてるんだって凄く今実感してるんだ。
今日の夜もたっちゃんに会える。でも、今日はたっちゃんに、大事な話しをするつもりでいるんだ…。
「お疲れ様。」ようやく仕事を終えて、たっちゃんに会えたのが嬉しくて 、私は満面の笑みで車に乗り込む。
「お疲れ。」そう言ってたっちゃんは私の頭をくしゃくしゃっとした。
「たっちゃん。」
「ん?」
「あたしといて嫌じゃない?疲れない?」私は最近気になっていたことを、思い切って口にした。たっちゃんは突然の質問に少し驚いてるみたい。でも、ちょっと考えると、たっちゃんはゆっくりと口を開いた。
「そりゃ、笑って一緒にいてくれたほうが嬉しいけど…。」
「…だよね。」当たり前の返事だったけれど、やっぱりショックで私は泣きそうになってしまう。
「でも、ひなたんは俺がいなくなったら死ぬからなぁ。一緒にいてやんないとなっ。」たっちゃんは冗談っぽく言って、俯いてる私のほっぺをつまんだ。
「…いいの?別れたくないの?」
「ひなたは別れたいの?」私は黙って首を横に振る。
「だったらそんなこと言わねぇの。俺はひなたと一緒にいたいよ?」
「だって…今のあたし泣いてばっかりだもん。疲れるじゃん。」
「俺はそれでもひなたといたいの。もう、ぐだぐだ言うなわ。俺がいいって言ってんだから、これでいいの。」たっちゃんは少し乱暴に、私の涙をティッシュで拭いてくれた。でも、涙は次々溢れてきて…幸せだって思ったから。たっちゃんに出会えてよかったって、本当にそう思う。
好きって何万回言っても足りないくらい、私たっちゃんのことが好きだって思うよ。早く昔の私に戻るからね…。