第1話:クリスマス前に
どこにでもある話…実は私(作者)の現在の彼氏との実話です。読んで頂けたら幸です。
これは冬に始まった恋の話。
クリスマス直前の12月23日。私、小笠原ひなたは3つ上の自己中な彼氏と別れた。…1ヶ月ももたなかったかな。
私はいつもこうだ。今まで何人かと付き合ってきたけど、どれも3ヶ月程度で破局。たぶん原因は、素の自分を見せれないこと。
ぶりっ子って言うほどかわいこぶってるわけじゃない。けど、自分の嫌な部分とか駄目な部分は絶対見せられない。
私にはキャラってもんがあるし、そのキャラを見て私を好きになってくれてるんだろうって思うと…怖くて本当の自分を出せない。『しっかりしてる』とか『頼りになる』とか…そりゃ、言われて嬉しくないわけじゃないけど、私だって他の女の子達みたいに甘えたり、頼ったりしてみたいよ。そんな感じで付き合ってるもんだから、いつも疲れて別れちゃうんだよね。
まぁ、それで今回リードしてくれるような人と付き合ったんだけど…自己中過ぎてついていけず、失敗。こんなんでいつか誰かと永遠を誓えるのかな…。ちょっと心配。
「ひなたちゃん、結局あいつと別れたの?」
そんなことを考えてぼけっとしていた私は突然声をかけられてビクっと肩を揺らした。
「…龍樹さぁん。また終わっちゃいました。」
残念そうに言う私の頭をぽん、と叩いて龍樹さんはそっと笑った。龍樹さんは私が今バイトをしているガソスタの社員さん。確か歳は私の8つ上…26歳かな。私の良き相談相手であり、お兄さん的存在の人。そんで、この時私は龍樹さんのことを純粋に仕事場の先輩としか見てなかったんだ。そう。この時は、ね…。